昨日に続けて、今日も池袋の東京芸術劇場へ。今日は、読売日響の演奏会です。今シーズンは定期ではなく、セレクト(4回)で来年3月のスクロヴァチェフスキの3公演を押さえ、残った1回を、今日のコンサートにしました。(^^;)
- バッハ(レーガー編曲):〈おお人よ、汝の大きな罪を嘆け〉 BWV.622
- ヒンデミット:チェロ協奏曲 変ホ長調 op.3
- メンデルスゾーン:交響曲第2番 変ロ長調 op.52 〈讃歌〉
選んだ理由は実に安易で、指揮が下野さんだったこと、それにソリストが澤畑恵美だったこと。しかし、ついでで選んだコンサートでしたが、初めて聴いたメンデルスゾーンの交響曲第2番は実に素晴らしい演奏でした。
『月刊オーケストラ』で、岩下眞好氏が「メンデルスゾーンは“通”向きの作曲家?」と書かれていますが、それを読んでみて、あらためてなるほど確かに名前こそよく聴くものの、作品となると「真夏の夜の夢」とか「イタリア」「スコットランド」などを除くと、あまり聴きませんねぇ〜。
今日の交響曲第2番も、生で聴くのはもちろん初めて。CDなどでも聴いたことがありませんでした。前半はオーケストラによる交響曲、後半は合唱+ソロが加わり、神をたたえる「讃歌」が繰り広げられます。
下野氏の指揮は、細部まで行き届いた演奏で、読響らしく本当に安心して聴いていられるもの。合唱もさすが新国立劇場合唱団。ソリストは、澤畑さんはやや声がこもった感じで、3階席にまで十分届かなかったところが悔やまれますが、テノール・永田峰雄氏のレシタティーヴォは素晴らしく、さらに、第6曲の最後に、國光ともこさんがパイプオルガンのある2階ステージに登場して、“Die Nacht ist vergangen!(夜は過ぎ去ったのだ)”と歌ったときは、本当にうっとりするほどでした。
ところで、前半はバッハとヒンデミット。実は、ヒンデミットは僕の大好きな作曲家で、それも今日のコンサートの楽しみだったのですが、チェロ協は作品番号3が示すように、ヒンデミットが音楽院在籍時代に作った曲。確かに、いろいろとのちのヒンデミットを彷彿とされるところも出てきますが、しかし、まだまだ途上の作品という印象をもちました。
ソリストのピーター・ウィスペルウェイが自由闊達に演奏するのにたいして、下野氏の指揮はかっちりしたもので、それも、ちょっとちぐはぐな印象をもちました。ウィスペルウェイはアンコールで、この日のプログラムにあわせて、ヒンデミットとバッハの無伴奏チェロを演奏してくれましたが、とくにヒンデミットの無伴奏チェロ・ソナタ(第1楽章)がよかったと思いました(バッハの方は、無伴奏チェロ組曲第6番「サラバンド」)。
ということで、来週のサントリー(やはり下野さんの指揮で、メンデルスゾーンの交響曲1番&ピアノ協奏曲第1番&交響曲第5番を演奏。ピアノは小菅優さん)も聞き逃せなくなりました。(^^;)
【関連ブログ】
4文字33行 賛歌 op.52
フェリーチェ的幸福な生活 : 読売日響 第486回定期@サントリー
【演奏会情報】 読売日本交響楽団第165回東京芸術劇場名曲シリーズ
指揮:下野竜也/チェロ:ピーター・ウィスペルウェイ/ソプラノ:澤畑恵美、國光ともこ/テノール:永田峰雄/合唱:新国立劇場合唱団/合唱指揮:田中信昭/会場:東京芸術劇場大ホール/開演:2009年10月19日 午後7時
GAKUさま、こんにちは。
なんと、東芸ではチェロのアンコール、バッハとヒンデミットいずれも演奏されたのですか!?うらやましいです。ヒンデミットのチェロコンには私も同じ印象を持ちました。
メンデルスゾーンに対する認識もこの公演でガラッと変わりました。Nr1から通しで聞くと新たな発見がありそうです。
小菅さんのピアノもよさそうですね。彼女の著書を読むと彼女の言語脳はドイツ語なんだなと思うところが多いので、そんな彼女がPfコンでどんな演奏をされるのか興味深深です(私は残念ながらいけないのですが)。