先週は2つコンサートに行ってきました。
1つめは、都響の定期演奏会。マーラーの交響曲第4番に、「大いなる喜びへの讃歌」という俗称があるというのを、プログラム・ノーツで初めて知りましたが、ほんとうに天井から音楽が降り注いでくるようで、うっとりするような演奏でした。
- ラヴェル:シェエラザード
- マーラー:交響曲第4番 ト長調
指揮はエリアフ・インバル、ソプラノは半田美和子さん。
マーラーの交響曲第4番は、マーラーのなかでも好きな作品ですが、天上のような響きは、やっぱりCDでは不可能。ナマならではの至福の時間でした。
都響も、インバルの登場で久しぶりに緊張感のある、いい音を響かせていました。(^_^;)
残念だったのは、ソリストの半田美和子さんの声量不足。第4楽章は、やっぱりソプラノがオケを主導しないと、この曲は完成しません。豊穣な響きのなかに、天使の歌が埋没してしまったのが惜しまれます。
前半のシェエラザードは、リムスキー・コルサコフのあれではなくて、モーリス・ラヴェルの曲。しかも、ラヴェルにはもう1つ、「シェエラザード」序曲という同名の曲があるそうです。こちらは、ソプラノのソロが入る作品。ただ、こちらも半田さんの声量不足で、作品の中味が十分伝わってきませんでした。
ということで、火曜日の、インバル指揮ブルックナー第5番も期待たっぷりだったのですが、チケットを買い忘れていました。予定表には、何ヶ月も前から印をつけて、他のスケジュールを入れないようにしていたのに…。大失態です。(^_^;)
もう1つ、日曜日に聴いてきたのが、東フィルのオーチャード定期。
- レスピーギ:交響詩「ローマの松」
- モーツァルト:ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495
- ドヴォルザーク:交響曲第7番 ニ短調
指揮のルドヴィーク・モルローはフランス人。派手に鳴らすというよりも、しっかり組み立ててじっくり聞かせるタイプのように聞こえました。で、意外に良かったのが、1曲目の「ローマの松」。とかくうるさいだけの演奏になりがちな作品ですが、あらためてこんな曲だったのかと楽しめました。
ただ、そのほかはとくに取り立てるほどのない指揮ぶり、演奏ぶりで、2曲目のホルン協奏曲も、モーツァルトの時代のようにバルブのないナチュラルホルンでならともかく、現在のホルンでただ鳴らされても…。ちょっと後を引くような外連味たっぷりな演奏が、どちらかといえば軽やかにすすむオケの演奏ともミスマッチな印象をもちました。
【演奏会情報】
◆東京都交響楽団第688回定期演奏会Bシリーズ
指揮:エリアフ・インバル/ソプラノ:半田美和子/ソロ・コンサートマスター:矢部達哉/会場:サントリーホール/開演:2009年11月19日 午後7時?
◆東京フィルハーモニー交響楽団第779回オーチャード定期演奏会
指揮:ルドヴィーク・モルロー/ホルン:マルティン・ヴァン・デ・メルヴェ/コンサートマスター:ネイサン・ギエム/会場:Bunkamuraオーチャードホール/開演:2009年11月22日 午後3時?