こっちの方が実態に近いでしょう

「東京新聞」が日曜日(22日付)の1面トップで載せていた記事。

7月以来、完全失業率が改善していると言われているが、このブログでも繰り返し指摘してきたように、それはあくまで「季節調整」が生み出した見かけ上の推移。東京新聞が指摘するとおり、12ヶ月連続で失業者が増えているという方が実態に近い。

失業者12カ月連続増 : 東京新聞

これ↓は、完全失業者が1年前の同月に比べてどれだけ増えたか減ったかのグラフ。昨年11月以来、一貫して、ずっと対前年同月比で失業者は増え続けている。その増え方は、7月が突出していて、それに比べれば8月、9月はやや減っているが、それでも1年前に比べて90万人以上増えていて、その水準はほとんどそのまま推移していることがわかる。これが、現在の雇用の実態とみるべきだろう。

完全失業者の対前年同月増減の推移(2009年9月)

失業者12カ月連続増

[東京新聞 2009年11月22日 朝刊]

派遣村の昨年末より90万人増

 完全失業者数がことし10月まで12カ月連続して前年同月に比べて増加する見通しとなったことが21日、分かった。総務省によると、数値が確定している9月時点で363万人。製造業の“派遣切り”が相次ぎ、東京・日比谷公園に「年越し派遣村」が出現した昨年暮れよりも90万人以上増加した。雇用情勢の改善や貧困対策が緊急の政策課題となっている。

雇用・貧困対策が急務

 米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻(はたん)した後の昨年10月、完全失業者数は255万人だった。失業者数は季節変動があるため、総務省は前年同月と比較して公表しているが、昨年11月以降ことし9月まで11カ月連続で増加。ことし10月の数値は27日に発表されるが、昨年10月を上回るのは確実な情勢だ。
 また、前月との比較でも昨年11月以降、ことし9月まで常に増加した。昨年12月は270万人で、ことし3月には335万人となり、3年5カ月ぶりに300万人を突破。IT不況が深刻化し、過去最悪だった2003年4月の385万人に迫る状況となっている。
 政府は雇用の維持に努める企業に対し雇用調整助成金を支給。休業手当などの一部を助成している。
 助成金には失業の抑制効果があるが、みずほ総合研究所の大和香織エコノミストは、助成金がなかった場合、失業者がさらに72万6,000人増え、5.3%だった9月の完全失業率(季節調整値)は6.4%に上っていたと試算。「大幅な雇用削減は一服したが、雇用増に結び付くほど情勢は改善していない。今後の見通しも厳しい」と指摘している。
 政府は、不況の長期化によって、失業給付が切れる人がことし6月から12月までに最大93万人に上ると推計。うち、解雇など会社側の都合で離職し、給付終了後から2カ月以上再就職できない人は23万人おり、「支援が必要」とみている。
 季節調整済みの失業率はことし7月に5.7%と過去最悪を記録した。就職を希望しながら、求職活動をしていない人も増えており、雇用情勢の悪化は数字が表す以上に深刻とみられる。

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