神沼克伊『地球環境を映す鏡 南極の科学』(講談社ブルーバックス、2009年11月刊)
小学校のとき、図書室にある南極観測や越冬隊、観測船ふじにかんする本を次々に読んだ記憶があります。ふじが氷に閉じ込められて身動きがとれなくなったという新聞記事にはらはらしたり、NHKの「行く年来る年」が南極・昭和基地から生中継するというのを楽しみに眺めたりもしました。
本書は、「南極の科学」という書名のとおり、これまでの観測・研究から明らかになった南極大陸像を紹介したものですが、南極探検の歴史や観測隊員の生活ぶりなども織り交ぜてあって、楽しんで一気に読めました。(^_^;)
ゴンドワナ大陸が分裂するときに南極大陸はだんだん南に移動したこと(何となく知っていたけど、いまいちイメージがわかなかった)とか、南極プレートの周囲がほとんど湧き出し口ばかりだとか、南極でも地震が起こることとか、47次観測隊による氷床ボーリングで採取したコアがまだ全部日本に届いてないこととか、いろいろ新しく勉強したこともありました。
最後に「南極へ行くには」という章があって、「観測隊員になる方法」なども紹介されています。子どものころにこれを読んでいたら、僕も真剣に観測隊員を目指していたかもしれません。(^_^;)
ただ、12ページに南極の地図が載っているんですが、たとえば南極探検の歴史のところでは、ベリングスハウゼン海とか、ジオロジー岬、バレニィ諸島、エンダービーランドなどの地名が出てきますが、それがどこなのか分かりませんでした。(/_;)
(講談社ブルーバックスB1659、2009年11月刊、定価:本体900円+税)