コンサート3連荘の2日目は、オペラシティで、尾高忠明氏の指揮で東フィルの演奏を聴いてきました。
- ジョリヴェ:トランペット、弦楽とピアノのコンチェルティーノ〔トランペット協奏曲第1番〕
- ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB.109
尾高さんの指揮は、実に堂々とした、王道のブルックナー。テンポがちょっとゆっくり目だったからでしょうか、出だしでちょっと弦の足下がもつれるような印象を受けたところもありましたが、だんだんと弦、管ともに息もそろって、本当に充実した演奏を堪能させていただきました。
印象に残ったのは、トランペット。1曲目が、トランペットの協奏曲ということもあって、ブルックナーでもトランペットに耳がいってしまいましたが、あらためて聴いてみると、たとえば第2楽章では、出だしのところで、トランペットが長??く長??く一つの音を吹き続けるところが出てきます。ブルックナーの曲って、ホルンばかりでなく、トランペットも重要な役割を果たしていることに気づきました。
1曲目は、フランスの作曲家アンドレ・ジョリヴェ(1905?1974)が1948年につくった作品。9分間の小品のなかに、5つの変奏が織り込まれ、とくにテンポを落とした第4変奏が印象的でした。
ソリストのマティアス・ヘフスは、アンコールで、ヴァルフ・ケルツェックの「ダブルベル・トランペットのためのアドヴェンチャーズ」を演奏。吹き口は1つで、ラッパは2つという摩訶不思議なトランペットで、片方には弱音器をつけて、2管を巧みに切り替えながら吹き分けるという曲です。楽器だけみると、ふざけてるみたいですが、本当に見事な演奏でした。
今日の演奏は、後日、NHKのFMシンフォニーコンサートで放送されるそうです。
【演奏会情報】 東京フィルハーモニー交響楽団第51回東京オペラシティ定期演奏会
指揮:尾高忠明/トランペット:マティアス・ヘフス/コンサートマスター:荒井英治/会場:東京オペラシティ・コンサートホール/開演:2010年2月18日 午後7時?