2日続けて、サントリーホールでコンサートを聴いてきました。
昨日は、都響の定期演奏会。ヴォーン・ウィリアムズにウォルトン、エルガーといずれもイングランド生まれの作曲家。指揮もイングランド出身のジェームズ・ジャッドということで、英国尽くしのプログラムでした。
- ヴォーン・ウィリアムズ:「すずめばち」序曲
- ウォルトン:ヴィオラ協奏曲
- エルガー:交響曲第1番 変イ長調 作品55
そして今日は、東フィルの定期演奏会。こちらは広上淳一氏の指揮で、アメリカ人作曲家の作品によるプログラム。
- コープランド: 市民のためのファンファーレ
- コープランド:エル・サロン・メヒコ
- バーバー:ヴァイオリン協奏曲 作品14
- バーンスタイン:交響曲第1番「エレミヤ」
都響の定演の方は、私のお目当ては、ウォルトンのヴィオラ協奏曲に登場した今井信子さん。こんなことを言うと失礼に当たるかも知れませんが、今井さんは一見すると、アーティストといったオーラはまったくなく、レジ袋を下げていれば、買い物帰りのその辺のおばさんといった感じですが、ひとたびヴィオラを引き始めると、まったく別世界が出現して、あっという間に音楽の世界に引き込まれてしまいます。
この日は、アンコールで、ドイツ出身だけれども英国に帰化したヘンデルのオペラ「リナルド」の有名なアリア「私を泣かせてください」(細川俊夫編曲)を弾かれましたが、これがまた、聴いているだけでほんとうに涙がこぼれそうになるような切ない演奏でした。
しかし、エルガーでは爆睡してしまいました。(^_^;)
で、こっち↓は、当日、会場で買ってきた今井信子さんのCD。中身は1986-87年に録音され、1988年に発売されたものです。
今日の東フィルは、バーバーのヴィオラ協奏曲では、ソリストは渡辺玲子さん。バーンスタインの「エレミヤ」は、メゾ・ソプラノ富岡明子さん。
まず、コープランドのファンファーレ。日頃、弦楽の後ろで目立たない金管のみなさんが前列に並んで、華やかな演奏。
「エレミヤ」は、バーンスタインが1939-42年に作曲した作品。まず最終楽章の「哀歌」が単独の作品として書かれ、それから第1楽章「予言」、第2楽章「冒涜」がふくらんで、交響曲となったもの(だそうです)。
第3章「哀歌」では、富岡さんがヘブライ語の歌詞を歌うのですが、対訳が配られていたので、それを眺めながら聴いてみると、これがなかなか切々たる歌でした。バビロニアによって滅ぼされたエルサレムをうたった歌ですから、そういう歌詞になるのは当然なんですが、1939-42年という時代背景を考えると、バーンスタインが何を念頭に置いていたかは、おのずから明らかです。
それでも、「不吉なこと」を予感させる不協和音という第1楽章は、ゾワゾワモゾモゾの現代音楽に比べれば、ずっと協和的でした。(^_^;)