昨日は、今期から新しく読響の常任指揮者になったシルヴァン・カンブルランの就任披露演奏会でした。
- ベートーヴェン:序曲〈コリオラン〉 op.62
- マーラー:交響曲第10番 嬰ヘ長調から “アダージョ”
- シェーンベルク:交響詩〈ペレアスとメリザンド〉 op.5
カンブルランはフランス人指揮者。なのに、プログラムはドイツもの3つ…。しかも、後半シェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」は僕は初めて聴く作品。ということで、期待しつつ、小雨の中、サントリーホールへ。
まず前半の2曲はやや疑問。コリオランは、スローテンポのうえ、冒頭の「タタタラ、タララー」のところで妙な間合いを刻んだりして、う〜む…。マーラーのアダージョは、弦の音が硬く、音が融和していない感じが最後までぬぐえませんでした。
しかし、それが一変したのが後半の交響詩〈ペレアスとメリザンド〉。全体が1楽章(4部構成)で40分を超える大作で、なおかつ、プログラムノーツによれば「マラーでさえ旋律を追えなかった」という複雑な曲。これをカンブルランは見事に操っていました。「ペレアスとメリザンド」は「フランス版『トリスタンとイゾルデ』というべき作品」と書いていたいカンブルラン、原作戯曲の隅々まで熟知しているからこその演奏なのだろうと思いました。
ただ、こっちは、原作のストーリーを知らないので、ほとんど音楽について行けません。(^_^;) 嫉妬に狂ったゴローの剣を表わす打楽器の連打あたりで、ようやく追いついた始末でした。
来月、新日フィルが、コンサート・オペラ形式でドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」を演奏します。読響自身、「3つの〈ペレアスとメリザンド〉」をテーマに、カンブルランの指揮で7月にはフォーレの、11月にはドビュッシーのものを演奏する予定。ということで、それまでに原作のあらすじぐらいは勉強しておきたいものです。(^_^;)
演奏会では、最後にカンブルラン自身が、「みなさまにベストを尽くすことをお約束します」(てなことを)英語で挨拶し、満場の拍手を受けていました。ただ、ホールは満席とはいかず、やや空席が目立ちました。
フランス人指揮者を迎えて、読響がどう変わってゆくのか、楽しみです。
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【演奏会情報】 読売日響第492回定期演奏会
指揮:シルヴァン・カンブルラン/コンサートマスター:デヴィッド・ノーラン/会場:サントリーホール/開演:2010年4月26日 午後7時
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