ギリシャの財政危機に端を発したユーロの信用不安が、ふたたび大きくなってきました。
今日は、東証でも一時400円も下落し、最終的に331円安。2日で692円も下げたことになります。NYでは、誤発注による混乱もあって、最終的に347ドル安。株安はアジア市場にも広がっています。為替の方も、1ユーロ=117円までユーロが急落。ドルも1ドル=92円台に下落。
さて、この信用不安、いったいどうなりますやら…。
外為・株式:東証一時400円超下げ NY株終値300ドル安、ユーロ急落110円台:毎日新聞
日経平均、2カ月ぶり安値 下げ幅2日で692円:日本経済新聞
アジアも各国で株価値下がり:NHKニュース
外為・株式:東証一時400円超下げ NY株終値300ドル安、ユーロ急落110円台
[毎日新聞 2010年5月7日 東京夕刊]
7日の東京株式市場は、ギリシャ財政危機を背景にした米国株価の急落と急激な円高を受け全面安の展開となった。午前の取引では日経平均株価の下落幅が前日比400円を超え、今年最大を更新した。前日のニューヨーク市場では、ダウ工業株30種平均が350ドル近く下げて取引を終了。外国為替市場ではユーロが売られ、一時1ユーロ=110円台と、8年5カ月ぶりの円高・ユーロ安になった。ドルも一時1ドル=87円台と5カ月ぶりの円高・ドル安水準となるなど、世界的な市場の動揺に歯止めがかからない状態だ。
7日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落。下落幅は一時前日終値比438円安となり、前日に続き今年最大を更新した。午前の終値は400円06銭安の1万295円63銭で、3月4日以来、約2カ月ぶりの低水準。TOPIX(東証株価指数)は同31.19ポイント安の925.53。
ギリシャ財政危機に端を発した欧州の信用不安が深刻化し、世界市場は「投資家の間に混乱が生まれ、株などのリスク資産から国債や金に資金を避難させる動きが加速している」(大手証券アナリスト)。7日の東京市場は取引開始直後から全面安の展開となり、ほぼ全銘柄が売られた。◇一時998ドル安、最大の下げ
6日のニューヨーク株式市場は、同日午後の取引で誤発注とみられる売り注文をきっかけに値を崩し、ダウ工業株30種平均が一時、取引時間中としては過去最大の下げ幅となる998.50ドル安まで下落。約3カ月ぶりに1万ドルを割り込んだ。
その後は値を戻したが、前日終値比347.80ドル安の1万520.32ドルと、3月上旬以来、約2カ月ぶりの水準まで下落して取引を終えた。1日の下落幅としては09年2月10日(381.99ドル安)以来の大幅な値下がり。
一方、7日の東京外国為替市場では、一時1ユーロ=114円台と約1年3カ月ぶりの円高水準となった。対ドルでも円高が進み、前日に比べ2円前後高い1ドル=91?92円台で取引された。
6日のニューヨーク市場では、ユーロはドルや円など主要通貨に対して売り込まれた。円は対ドルでも急上昇し、円相場は一時、1ドル=87円95銭と、昨年12月10日以来の円高・ドル安水準。円は対ユーロでも一時、1ユーロ=110円49銭と、01年12月以来の円高・ユーロ安水準になった。【清水憲司、大久保渉、ワシントン斉藤信宏】
日経平均、2カ月ぶり安値 下げ幅2日で692円
[日本経済新聞 2010/5/7 15:28]
7日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落した。大引けは前日比331円10銭(3.10%)安の1万0364円59銭と、3月4日以来、約2カ月ぶりの安値で、この2日間の下げ幅は約692円になった。ギリシャなど欧州諸国の財政問題が長引くとの懸念から6日の米株式相場が急落。外国為替市場での円高進行も嫌気され、幅広い銘柄に売りが膨らんだ。東京証券取引所第1部の93%の銘柄が値下がりする全面安になった。売り買いが交錯した結果、東証1部の売買代金は概算で2兆2597億円に達し今年最大だった。
6日は米ダウ工業株30種平均が347ドル安と急落したほか、ニューヨーク外国為替市場で円相場はドルに対して1ドル=87円台、対ユーロでは1ユーロ=110円台と急速に円高が進行。東京市場では採算悪化を懸念してキヤノンや京セラなど主力の輸出関連株が軒並み下げた。日経平均の下げ幅は約440円に達する場面があった。
日銀が即日開始の資金供給オペを実施したことや主要7カ国の財務相がギリシャ情勢などを巡って電話会談を開くと伝わったことを受け、東京市場では円高の流れが一服した。短期間で下げた後だけに値ごろ感からの買いや買い戻しの動きが広がる場面もあった。ただ「今後のギリシャ問題の行方や7日の欧米株や為替動向を見極めたいとの雰囲気が根強い」(中堅証券の情報担当者)といい、日経平均を大きく底上げする展開にはならなかった。
東証株価指数(TOPIX)も大幅に続落した。東証1部の売買高は31億1562万株に達し、1月14日以来の高水準だった。東証1部の値下がり銘柄数は1568、値上がりは91、変わらずは17だった。業種別TOPIXは全33業種が下落。その他製品や精密機器の下げが目立った。
ファナック、信越化、東エレク、アドテストが安い。トヨタ、ホンダ、日産自、マツダも軟調。郵船、商船三井の海運株、みずほFG、三菱UFJ、三井住友FG、野村など金融株も下げた。4月の既存店売上高が2カ月連続で2ケタ減となったファストリは大幅安。半面、三井金、新日鉄、JFEが上昇。伊藤忠、ジェイテクトも上昇した。
東証2部株価指数は大幅に続落した。ラオックス、トーセイ、オリコが下げた。半面、Oakが上げた。〔NQN〕
アジアも各国で株価値下がり
[NHKニュース 5月7日 19時3分]
ギリシャの財政危機をきっかけとした市場の動揺はアジアの株式市場にも広がり、7日は、中国の上海の株価が終値で2日続けてことしの最安値を更新するなど、各国で株価が値下がりしました。
このうち上海の株式市場では、朝方から鉄鋼やIT関連など幅広い銘柄が売られ、株価の代表的な指標である「総合指数」は6日より1.8%下落して取り引きを終え、2日続けて終値でことしの最安値を更新しました。このほか、日本時間の午後5時現在、韓国やインドネシアの株価が、6日に比べて2%余り、香港とシンガポールがおよそ1%、それぞれ値下がりしました。市場関係者は「ギリシャの財政危機をきっかけとする欧米経済の変調が、アジアの景気回復に影を落とすのではないかという懸念が広がったことに加え、世界的に金融機関の経営が打撃を受けるという信用不安から金融関連銘柄に売り注文が多かった」と話しています。
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