共産党・志位委員長、アメリカ国務省に乗り込む!!

訪米中の共産党の志位和夫委員長が、アメリカ国務省に乗り込み、沖縄・普天間基地は無条件撤去しかないと米政府に申し入れました。

日本の政党のなかで、党首がアメリカまで行って、沖縄の基地撤去を真正面から申し入れたのは初めて。もちろん、対応した米国務省当局者は「海兵隊の沖縄駐留は必要」「沖縄の負担軽減には現行案が一番」という従来の態度を変えませんでしたが、それでも、沖縄県民や日本の声を伝え、アメリカ政府に問題の深刻さ、現行案であれ鳩山首相が考えている一部徳之島移転であれ、そんなやり方では沖縄県民の不満が解消されないということを自覚させるために、大きな役割を果たしたのではないでしょうか。

“無条件撤去が唯一解決策”:NHKニュース
普天間、無条件撤去求める=志位共産委員長、米当局者と会談:時事通信

“無条件撤去が唯一解決策”

[NHKニュース 5月8日 13時20分]

 共産党の志位委員長は、ワシントンでアメリカ国務省の当局者と初めて会談し、沖縄の普天間基地の移設問題について、「無条件撤去が唯一の解決策だ」と伝えたのに対して、アメリカ側は、沖縄県民の負担を減らすうえでも、現行計画が最善だという立場をあらためて示しました。
 共産党の委員長として、初めてアメリカを訪問している志位氏は7日、ワシントンで国務省のメア日本部長と会談しました。この中で、志位氏は「鳩山総理大臣の沖縄訪問が県民の期待を裏切り、その怒りの火に油を注ぐ結果となった。この問題の解決のためには、普天間基地の無条件撤去しかない」という共産党の見解を伝えたということです。
 これに対して、メア部長は「日米安保と沖縄の海兵隊駐留は極東の平和に貢献しており、日米両政府が合意した現行案は、沖縄県民の負担を大きく減らすことにつながる」と述べ、名護市のキャンプシュワブ沿岸に移設するという現行計画が最善だというアメリカの立場をあらためて示しました。
 今回の会談について、志位氏は「普天間問題や日米安保をめぐる双方の立場は平行線だったが、今後も意見交換を続けていくことで一致したことは大切だと思う」と述べ、共産党の委員長として初めて訪米し、アメリカ政府の当局者と意見交換した意義を強調しました。

普天間、無条件撤去求める=志位共産委員長、米当局者と会談

[時事通信 2010/05/08-10:47]

 【ワシントン時事】共産党の志位和夫委員長は7日、ワシントンの国務省でケビン・メア日本部長と会談し、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題について「日本国内のどこにも新たに基地を造れる住民合意ができる場所はない。解決の唯一の道は無条件撤去だ」と求めた。
 これに対し、メア氏は「日米安保体制は極東の安全に貢献し、沖縄駐留海兵隊は抑止力として平和に貢献している」と強調。「日米で合意された案は地元負担の軽減になる」と述べ、現行計画の履行が最善との立場を繰り返した。
 この後、志位氏は記者会見し、この問題をめぐる鳩山由紀夫首相の対応に関し「県外・国外移設の公約を裏切った責任は重く、国会で追及していく」と述べた。 
 共産党トップとして初の自らの訪米については、「米国は太平洋をはさんだ大事な隣国だ。立場は違っても何でも話し合える関係をつくる第一歩になった」と意義を強調した。

ちなみに、産経新聞は「共産委員長が本紙と単独会見」と題して、こんな記事を流しています。

対米関係「大局的に協力できる」 志位・共産委員長が本紙と単独会見:MSN産経ニュース

対米関係「大局的に協力できる」 志位・共産委員長が本紙と単独会見

[MSN産経ニュース 2010.5.8 12:38]

 【ワシントン=佐々木類】共産党の志位和夫委員長は7日夕(日本時間8日朝)、ワシントン市内で産経新聞との単独インタビューに応じ、「米国は日本の隣国であり、手法は違っても核なき世界の実現に向けて大局的に協力できる」と述べ、今後、オバマ政権や議会との交流を深めていく考えを示した。
 志位氏は、初の訪米について、米下院議員や国務省のメア日本部長らと会談したことを明らかにし「多角的な意見交換ができた。ささやかな一歩となった」と強調。米国について、「反共の壁が崩れた結果、訪米が実現した。『反米』とか固定的にとらえる必要はない」と語った。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に関しては、「無条件撤去が必要だ」との持論を展開。一連の会談を通じて米側に対し、共産党の立場を説明したことを明らかにした。
 一方、普天間問題で鳩山由紀夫首相が沖縄県内への移設を検討していることについて「責任は重い。県民の怒りは頂点に達した」と批判、国会論議を通じて責任を追及していく考えを表明した。

〔追記〕

アメリカでの志位委員長の発言、記者会見などは、こちらから↓(共産党のホームページにリンクしています)。

第8回NPT再検討会議にたいする要請/核兵器廃絶のための国際交渉を開始する合意をつくることをよびかける 2010年5月2日 日本共産党幹部会委員長・衆議院議員 志位 和夫(しんぶん赤旗5月4日付)
志位氏 独・オランダの議員団と会談 NPT再検討会議(しんぶん赤旗5月7日付)
ニューヨークでの活動について 志位委員長の記者会見(しんぶん赤旗5月8日付)
21世紀の日米関係のあるべき未来 全米法律家協会ワシントン支部 志位委員長の講演(しんぶん赤旗5月10日付)
米国務省との会談での志位委員長の発言(要旨)――普天間基地問題について(しんぶん赤旗5月11日付)
米国訪問の全体をふりかえって ワシントンDC 志位委員長の記者会見(しんぶん赤旗5月11日付)

一連の記事の中で、僕が面白いと思ったのは、5月7日付の「しんぶん赤旗」で紹介されていたドイツの議会代表団との会見。そのなかで、核兵器廃絶を主題とした交渉の開始という日本共産党の提案にたいして、ドイツ側が「その考え方は、最近私たちが到達したものだ」と述べたことは、非常に注目される動きだと思います。ちなみに、ツァプフ氏は、ドイツ社民党で議会の軍縮・軍備管理問題小委員長。

ドイツ議会では、キリ民党も含めて、国連でマレーシア、コスタリカが提案してきた核兵器禁止条約案にたいして、ドイツ政府がそれに賛成するように政策変更を求める多数派が形成されている、とのこと。先進国の中で、ドイツがその方向に政策転換すれば、その影響はかなり大きなものが期待されます。

 志位氏が、核兵器廃絶のための交渉開始の重要性について述べると、ツァプフ氏は、その考え方は最近、私たちが到達したものだと述べました。同氏は、それまでは、部分的措置の積み重ねによっていずれ核廃絶をとの主張だったものの、国際世論と平和運動との交流のなかで、マレーシアとコスタリカが提案している核兵器禁止モデル条約の重要性への認識が深まったと説明。核兵器廃絶のための国際交渉を同時に行うことが重要だとの考えに発展したと述べました。
 また、ツァプフ氏は、同モデル条約が、現在の核保有国と非核保有国を差別することなく、すべての国に核兵器禁止を課す点で重要であり、ドイツ政府に対し、同モデル条約への賛成に転換するよう求める多数派が議会で形成されていると紹介しました。(「しんぶん赤旗」5月7日付)

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