ああ、これぞベートーヴェン!!

東京シティ・フィル創立35周年記念 ベートーヴェン交響曲全曲シリーズ

政局は社民党の政権離脱でいよいよ行方不明となりつつありますが、それはさておき、本日は、オペラシティで、東京シティ・フィルの創立35周年記念ベートーヴェン交響曲全曲シリーズの第1回を聴いて参りました。指揮は、飯守泰次郎氏。

  • ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲 op.72b
  • ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調 op.60
  • ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92

10年前には、ベーレンタイラー新版による日本初のベートーヴェン交響曲ツィクルスをやった飯守泰次郎&東京シティ・フィルですが、今回、飯守さんが取り上げたのはI・マルケヴィチ版。同版については、飯守さん自身が書かれた解説が、同フィルのホームページに紹介されていますので、そちらをご覧ください。

?東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団?マルケヴィチ版の使用について

一言でいって、いわゆる古楽器的アプローチに対抗する、これぞ20世紀! という、いわゆる「大指揮者による名演」路線。ということで、久々に、これぞベートーヴェン!! という濃厚な演奏を堪能させていただきました。(^_^;)

ただ、その完成度はマチマチ。前半の第4番は、出だしから遅めのテンポで、弦は下からこすり上げるというボーイング。う〜む、これがマルケヴィチ版かと思って聞き始めましたが、全体の調子がなかなか揃わず、テンポを落としている分、なんとなく音を引きずっているように聞こえるところもあって、いまひとつすっきりしません。トランペットは、いかにもベートーヴェンという感じのいい音をさせていたのですが、ティンパニは12-10-8-6-5の編成にはやや音量が大きすぎ、しかも音質が粘って聞こえて、これもちょっと違和感を感じました。

しかし、後半の第7番では、編成も大きく(といっても14-12-10-8-7ですが)、「重厚長大」とは言いませんが、前半とはうって変わって、いわゆる大曲らしく堂々とした演奏で、ぐいぐい引き込まれました。

プログラムには、第4番約35分、第7番約38分とありましたが、実際には第4番が37分程度、第7番も40分はあったように思います。第7番は、ベーレンタイラー新版のとほぼ同じですが、第4番はかなり遅くなっています。それでも、まだまだ朝比奈隆氏 ((1988?89年の新日本フィルとの演奏では、第4番41分17秒、第7番43分17秒。))などよりはかなり速いのですが。

ところで、本日のオケは、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラという標準的な配列ながら、コントラバスだけは、木管の後ろ、ちょうとオケのセンターの一番奥に並ぶスタイル(そのかわりに金管が右手後ろへ並び、その後ろにティンパニが陣取ることに)。この配列は、どういう意図があったんでしょう? それが分からず仕舞いでしたが、第7番では中央からストレートにベースの音が響いてきて、なかなかど迫力でした。

演奏会終了後、飯守泰次郎さんとコンマスの戸澤哲夫さんのサインをいただいて参りました。m(_’_)m

飯守泰次郎さんと戸澤哲夫さんのサインをいただきました

【演奏会情報】 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第239回定期演奏会
指揮:飯守泰次郎/コンサートマスター:戸澤哲夫/会場:東京オペラシティコンサートホール/開演:2010年5月31日 午後7時

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