鳩山内閣支持率がいよいよ20%割れ

各紙メディアがいっせいに世論調査を実施。鳩山内閣の支持率が、いよいよ20%を割り込んでしまった。「読売」19%、「産経」19%、「朝日」17%、「毎日」20%、「日経」22%、「共同」19.1%と、多少のでこぼこはあっても、大体同じ結果。

で、鳩山内閣の支持率が下がったからといって、自民党の支持率が回復するわけでないのが、昨年の政権交代後の情勢の特徴。その結果、無党派層(「支持政党なし」)が「読売」46%、「毎日」44%、「朝日」45%と大幅に高くなっている。

それにたいして、沖縄・普天間米軍基地の移設問題で、政府の辺野古への移設案にたいする評価は、それぞれの世論調査によって微妙に食い違っている。「読売」は「評価する」30%にたいして「評価しない」58%。「朝日」も「評価する」27%、「評価しない」57%と2倍程度の差がついているが、「毎日」では「賛成」41%にたいして「反対」52%とかなり近接している。こういう問題は質問の仕方によって回答率が違ってくるものだろうが、鳩山首相の迷走ぶりは批判しても「やっぱり米軍基地は必要」というメディアの態度で、世論が「無条件撤去」という真の解決の方向を見いだしていない、ということだろう。まだまだ、この分野では国民的議論が必要なようだ。

内閣支持19%、首相「退陣を」59%…読売調査:読売新聞
「普天間移設方針決定」2010年5月緊急電話全国世論調査:読売新聞
【世論調査】支持率続落19%、初の2割割れ 政党支持率も自民と並ぶ:MSN産経ニュース
内閣支持続落22%、「首相は退陣を」63% 日経世論調査:日本経済新聞
鳩山内閣、無党派層離れ 支持率4%、不支持は8割:日本経済新聞
クローズアップ2010:内閣支持20% 民主、「鳩山降ろし」の兆し:毎日新聞
内閣支持、最低の17% 朝日新聞緊急世論調査:朝日新聞
世論調査―質問と回答〈5月29、30日〉:朝日新聞
「鳩山離れ」加速…内閣支持率19.1%:日刊スポーツ

同じことは、普天間問題での鳩山首相辞任論についても伺える。「読売」では、「退陣すべき」59%にたいして「その必要はない」36%と、いちおう退陣論が過半数を占めているが、それでも鳩山首相の言動を「問題だ」とする回答の81%に比べると、「退陣すべき」は2割ほど少ない。

それにたいして、「毎日」では「退陣すべきだ」58%にたいして「退陣する必要はない」40%、「朝日」も「辞任するべきだ」46%、「辞任する必要はない」45%と接近している。この点でも、世論はそれほど単純ではないようだ。

内閣支持19%、首相「退陣を」59%…読売調査

[2010年5月31日01時33分 読売新聞]

 読売新聞社は、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題での日米合意と政府対処方針決定を受けて、29?30日に緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。
 鳩山内閣の支持率は19%で、前回(5月7?9日実施)の24%から続落し、不支持率は75%(前回67%)に達した。鳩山首相が普天間問題の「5月末決着」を明言しながら、同県名護市辺野古への移設を、地元と社民党の理解を得られないまま決定したことで、首相は責任を取って退陣すべきだと思う人は59%に上り、「その必要はない」は36%だった。
 内閣支持率が20%を切ったのは、2009年7月の麻生内閣(19%)以来だ。00年以降では森内閣も20%割れを記録している。
 今年夏の参院比例選の投票先では、民主は14%(前回19%)に落ち込み、自民19%(同13%)が初めて上回った。みんなの党8%(同7%)が続いている。政党支持率は民主は20%(同22%)で、自民20%(同14%)に並ばれた。
 普天間問題に関しては、移設先を「最低でも沖縄県外」などとした首相の一連の言動を「問題だ」と思う人は81%を占めた。首相の資質に疑問を感じる人は多く、民主支持層でも「問題だ」は62%に上った。
 移設先を明記し、訓練の県外移転を拡充し、鹿児島県・徳之島の活用を検討するなどとした日米合意については「評価する」30%、「評価しない」58%だった。沖縄県の基地負担に関しては「軽減につながる」は19%にとどまり、「そうは思わない」が69%だった。
 首相が社民党党首の福島消費者相を罷免したことについては「当然だ」56%が「必要はなかった」35%を上回った。社民党の連立政権離脱には66%が「当然だ」と答えた。

「普天間移設方針決定」 2010年5月緊急電話全国世論調査

[2010年5月31日 読売新聞]

▽調査日:2010年5月29-30日 対象者:全国有権者
 方法:RDD追跡方式電話聴取法
 発信用電話番号(対象全域バンク4)4500件
 有権者在住世帯が確認できたもの  1751件
 各世帯で有権者1人を無作為に指定(乱数方式)
 有効回答 1111件(有権者世帯に対する回答率 63%)

Q あなたは、鳩山内閣を、支持しますか、支持しませんか。
 答 1.支持する 19
   2.支持しない 75
   3.その他 2
   4.答えない 3

SQ1【前問の答えが(1)の人だけ】
 支持する理由を、次に読みあげる6つの中から、1つだけ選んで下さい。
  答 1.政策に期待できる         14
    2.政治主導の政策決定を目指している 12
    3.首相に指導力がある        2
    4.首相に安定感がある        2
    5.閣僚の顔ぶれがよい        13
    6.非自民の政権だから        49
    7.その他              5
    8.答えない             4

SQ2【前問の答えが(2)の人だけ】
 支持しない理由を、次に読みあげる6つの中から、1つだけ選んで下さい。
  答 1.政策に期待できない        23
    2.政治主導の政策決定に期待できない 11
    3.首相に指導力がない        45
    4.首相に安定感がない        16
    5.閣僚の顔ぶれがよくない      3
    6.非自民の政権だから        2
    7.その他              0
    8.答えない             1

Q 今、どの政党を支持していますか。1つだけあげて下さい。
 答 1.民主党     20
   2.自民党     20
   3.公明党     3
   4.共産党     3
   5.社民党     1
   6.みんなの党   5
   7.国民新党    0
   8.たちあがれ日本 —
   9.新党日本    0
   10.新党改革    0
   11.その他の政党   1
   12.支持政党なし  46
   13.答えない    1

Q 日米両国の政府は、沖縄県のアメリカ軍・普天間飛行場について、自民党政権のときと同様に、県内の名護市辺野古に移設することと、訓練の沖縄県外への移転を拡充し、鹿児島県徳之島の活用を検討することなどで合意しました。今回の日米合意を、評価しますか、評価しませんか。
 答 1.評価する 30
   2.評価しない 58
   3.答えない 12

Q 政府は日米合意を受けて、移設問題に関する対処方針を決定しました。これによって、アメリカ軍の基地が集中している沖縄県の負担軽減につながると思いますか、そうは思いませんか。
 答 1.負担軽減につながる 19
   2.そうは思わない 69
   3.答えない 12

Q 鳩山首相は、普天間飛行場の移設先を「最低でも沖縄県外」と明言し、県外移設を模索してきましたが、最終的に名護市への移設方針を決めました。この決定に至るまでの鳩山首相の言動を、問題だと思いますか、そうは思いませんか。
 答 1.問題だ 81
   2.そうは思わない 14
   3.答えない 5

Q 鳩山首相は、普天間飛行場の移設問題を、今月末までに決着させると明言してきました。今回、沖縄と社民党の理解が得られず、完全決着とならなかった責任を取って、鳩山首相は、退陣すべきだと思いますか、その必要はないと思いますか。
 答 1.退陣すべきだ 59
   2.その必要はない 36
   3.答えない 5

Q 鳩山首相は、移設問題に関する政府の対処方針への署名を拒否した社民党の福島・消費者担当大臣を罷免しました。福島大臣の罷免は当然だと思いますか、罷免する必要はなかったと思いますか。
 答 1.当然だ 56
   2.必要はなかった 35
   3.答えない 9

Q 普天間飛行場の沖縄県内での移設に反対している社民党は、連立政権を離脱するのが当然だと思いますか、そうは思いませんか。
 答 1.当然だ  66
   2.そうは思わない 25
   3.答えない 9

Q 夏の参議院選挙の比例代表では、どの政党の候補者、あるいは、どの政党に投票しようと思いますか。1つだけあげて下さい。
 答 1.民主党    14
   2.自民党    19
   3.公明党     4
   4.共産党     3
   5.社民党     2
   6.みんなの党   8
   7.国民新党    0
   8.たちあがれ日本 0
   9.新党日本    0
   10.新党改革    1
   11.その他の政党  0
   12.決めていない  45
   13.答えない    4

Q 夏の参議院選挙で、投票する候補者や政党を決めるとき、普天間飛行場の移設問題を判断材料にしますか、しませんか。
 答 1.する 41
   2.しない 53
   3.答えない 7

Q 民主党の小沢幹事長は、自らの資金管理団体をめぐる事件の責任を取って、幹事長を辞任すべきだと思いますか、その必要はないと思いますか。
 答 1.辞任すべきだ 75
   2.その必要はない 20
   3.答えない 5

Q 宮崎県で、牛などの伝染病「口蹄疫」の被害が発生しています。この問題に対する政府の対応を、評価しますか、評価しませんか。
 答 1.評価する 33
   2.評価しない 54
   3.答えない 13

【世論調査】支持率続落19%、初の2割割れ 政党支持率も自民と並ぶ
[MSN産経ニュース 2010.5.31 11:41]

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が29、30両日に実施した合同世論調査で、鳩山内閣の支持率は前回調査(4月24、25両日)より3.1ポイント下げ、19.1%と政権発足から8カ月余りで20%を割り込んだ。民主党の政党支持率も17.7%と前回比2.1ポイント減で、自民党16.5%とほぼ並んだ。
 内閣への不支持率は4.3ポイント増の70.8%にまで上昇し、初めて7割を超えた。在日米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題をめぐる一連の政府の対応には厳しい評価が下され、53%が鳩山由紀夫首相は「辞任すべきだ」と回答。7月11日の投開票が想定される参院選を目前に首相に対する退陣圧力が強まりそうだ。
 鳩山内閣が政府対処方針として普天間の移設先を沖縄県名護市辺野古周辺としたことに「評価する」と答えたのは21.2%で、70.4%が「評価しない」と回答した。県内移設になったことで約8割が昨年の衆院選の公約違反に当たると考えているほか、9割近くが沖縄県民の負担軽減になっていないと判断している。移設問題が難航した要因については、43.1%が「鳩山首相自身」を挙げた。
 参院選の比例代表でどの党に投票するかを尋ねた。民主党は前回比0.8ポイント増で22.0%だったが、1.7ポイント伸ばした自民党が2.5ポイント差まで近づいた。第三極として注目されるみんなの党は3.7ポイント増で14.0%に達し、存在感を高めている。たちあがれ日本や新党改革はそれぞれ1.9%、0.2%だった。
 日本の指導者としてふさわしい政治家を尋ねたところ、「次期首相候補」として1番人気を誇ってきた新党改革の舛添要一代表(9.8%)に代わって、前原誠司国土交通相が10.3%でトップに躍り出た。
 ゆうちょ銀行の預入限度額を1千万円から2千万円に引き上げることを柱とする郵政民営化の見直しについては、過半数の57.4%が批判的だった。与党はわずか1日の審議で郵政改革法案を衆院総務委員会で採決を強行したが、そうした与党の国会運営には73.7%が「評価しない」と回答した。

内閣支持続落22%、「首相は退陣を」63% 日経世論調査

[日本経済新聞 2010/5/30 22:06]

 日本経済新聞社とテレビ東京が28?30日に共同で実施した世論調査で、鳩山内閣の支持率は22%となり、4月の前回調査から2ポイント下落した。不支持率は1ポイント上昇の69%だった。民主党の支持率は25%と2ポイント低下する一方、自民党の支持率は2ポイント上昇し23%になった。米軍普天間基地の移設で「最低でも県外」の発言を撤回した鳩山由紀夫首相は「責任をとって退陣すべきだ」が63%に達した。
 鳩山内閣の支持率は参院選を前に「危険水域」が続いている。
 内閣を支持しない理由(複数回答)では「指導力がない」が2ポイント上昇の66%で引き続き最多だった。「安定感がない」が38%、「政府や党の運営の仕方が悪い」が36%と続いた。支持する理由(同)は「民主党中心の内閣だから」が46%、「人柄が信頼できる」が24%だった。
 鳩山内閣の仕事ぶりについては「評価しない」が67%と、同様の調査を実施した3月から10ポイント上昇した。「評価する」は21%と8ポイント下落した。
 評価しない理由は「政治とカネを巡る問題への取り組み」が29%と最多。3月には4番目だった「外交・安全保障への取り組み」が18%と、2番目に浮上した。普天間基地の移設問題の迷走が影響したとみられる。
 普天間基地の沖縄県外への移設を断念し、名護市辺野古周辺としたことについては「評価しない」が66%で、「評価する」の21%を上回った。
 「4年間は増税しない」との鳩山首相の方針に「反対」は49%で前回の4月調査から1ポイント低下。「賛成」は37%と変わらなかった。
 調査は日経リサーチが全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式で電話で実施。有権者のいる1579世帯から942件の回答を得た。回答率は59.7%だった。

沖縄の米軍普天間基地を名護市辺野古周辺に移設する政府方針
 評価する         21%
 評価しない        66%
普天間基地移設問題で「最低でも県外」という発言を撤回し、沖縄県民に謝罪した首相は
 責任を取る必要はない   25%
 退陣すべきだ       63%
小沢一郎氏は幹事長を
 続けるべき        16%
 辞任すべき        74%

鳩山内閣、無党派層離れ 支持率4%、不支持は8割

[日本経済新聞 2010/5/30 23:24]

 日本経済新聞社の世論調査で、無党派層の内閣支持率は前回調査と同じ4%で低迷、不支持率は82%に達した。支持政党別で見ると、民主支持層ではなお69%が支持したが、自民支持層では7%。「第三極」政党として勢いがあるみんなの党の支持層でも4%だった。
 鳩山政権発足直後の昨年9月の調査では、無党派層の46%が内閣を支持し、不支持は23%だった。
 民主支持率が昨年9月の58%から、今回は25%に下落。自民も支持率が伸び悩み「受け皿」になっていないため、無党派層自体が政権発足直後の8%から23%へと拡大している。無党派層の支持を失うことで、内閣支持率全体が一気に落ち込んだ格好だ。
 無党派層は73%が鳩山内閣の仕事ぶりを「評価しない」と回答。普天間基地の移設方針についても「評価する」は13%にとどまっている。

クローズアップ2010:内閣支持20% 民主、「鳩山降ろし」の兆し

[毎日新聞 2010年5月31日 東京朝刊]

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の5月末決着の失敗は社民党の連立離脱に発展し、鳩山内閣の支持率下落に拍車をかける形になった。毎日新聞が29、30日に緊急実施した全国世論調査で民主党はついに政党支持率で自民党に並ばれ、参院選へ向け民主党内に募る危機感は、普天間問題で「自爆」した鳩山由紀夫首相に対する不満のマグマとなって渦巻く。小沢一郎幹事長の周辺から漏れる「首相退陣論」が党内に疑心暗鬼を生み、「鳩山降ろし」の気配も漂い始めた。

◇小沢氏の動向、焦点

 「政策を前に進めることができるのが鳩山首相かそうでないかは首相自身に判断していただくしかない」。民主党の細野豪志副幹事長は30日のNHKの討論番組でこう述べ、首相が自発的に辞任する可能性を示唆した。
 通常国会の会期延長がないなら、6月24日の参院選公示まで1カ月を切っている。改選を迎えるベテラン参院議員は「今日も後援会のミニ集会に出たが、民主党支持層は『小鳩』体制に怒り心頭だ。このままだと選挙は惨憺(さんたん)たる結果だ」と語る。
 こうした悲鳴が週明けの党内情勢に影響を与えるのは確実だ。31日には定例の党役員会が予定されており、党幹部は「役員会は荒れるかもしれない」とみる。参院幹部は「6割が退陣を求めているのに、首相は何も分かっていない。これは困ったことだ」と首相の辞任に期待をにじませる。
 注目されるのは、表向き沈黙を守っている小沢氏の動向だ。
 3月ごろまで内閣支持率低落の主因は「政治とカネ」問題を抱える小沢幹事長とみられていた。今回の世論調査でも、小沢氏に辞任を求める回答は73%に上ったものの、前回調査(5月15、16日)からは5ポイントの微減。党幹部は「これまでの『政治とカネ』への批判と違い、普天間では首相の統治能力が問題にされている。『これなら自民の方がいい』となるのが怖い」と語る。
 鳩山首相は27日夜、ひそかに首相公邸で小沢氏と会談している。福島瑞穂消費者・少子化担当相の罷免方針を伝えたとみられるが、小沢氏は28日、福島氏に電話し「あなたは筋が通っている」と社民党を擁護したという。小沢氏に近い細野氏から「首相の自発的辞任論」が出る裏には、世論の批判が小沢氏より首相に向かっているとの判断もありそうだ。鳩山首相が退陣しても、小沢幹事長が残って参院選を乗り切るシナリオも小沢氏周辺から漏れ始めている。
 首相は29日、韓国・済州島で記者団に「国民のために闘っている政権の姿を協力して示すことが大事だ」と語り、党内に結束を呼びかけた。31日には、来日中の温家宝中国首相と会談する予定。口蹄疫(こうていえき)問題で宮崎県への視察にも意欲を示し、続投する構えを崩していない。【須藤孝】

◇社民、揺れる戦略 党勢低迷

 社民党が30日、連立離脱を決めた背景には、参院選に向け普天間飛行場の移設で「筋を通した」と主張し、ぶれ続ける首相との違いをアピールすることで党の存在感を高める計算がちらつく。しかし、毎日新聞の緊急世論調査では、首相が福島瑞穂党首を閣僚から罷免したことについて「適切だ」との回答が56%に上り、「適切でない」(41%)を上回った。政党支持率は2%にとどまり、今回の連立離脱劇が社民党への支持を高めたとは言い難い。
 福島氏は30日、連立離脱を決めた後の記者会見で、民主党との選挙協力を続ける方針について「選挙協力をしていないところ、民主党と戦っているところも多い。社民党としての選挙を戦うので大丈夫だ」と強調した。しかし、又市征治副党首らが首相退陣を公然と求める一方、小沢幹事長の主導する民主党との連携は維持する戦略も分かりづらく、党の存亡をかけた参院選の展望は開けていない。
 地方県連にも、参院選への懸念は残る。現職の近藤正道氏を擁する新潟県連は30日の全国幹事長会議で、連立離脱に慎重論を展開。重野安正幹事長は同日の会見で、新潟選挙区の対応について「全力を挙げて、民主党に我々の思いを述べて、(選挙協力に向けた)協議は続けていく」と苦しい説明に追われた。
 与党か野党か――。立ち位置の定まらない社民党は早晩、「決断」を迫られる。自民党など野党は今後、口蹄疫問題を抱える赤松広隆農相への不信任決議案を皮切りに、内閣不信任案提出を予定。福島氏は30日の会見で、不信任案の対応について「今日の段階で、コメントする場面ではない」と述べ、先送りした。
 社民党幹部は民主党との選挙協力について「矛盾したような、分かりにくい方針だというのは分かっている。ただ、(旧政権の)自民、公明両党とは組めない以上、与党側と連携の芽を残すしかない」と苦しい胸の内を語った。【西田進一郎】

◇自民、攻勢 本音は「小鳩体制で選挙を」

 野党転落後、初めて政党支持率が民主党と並んだ自民党。17%と相変わらず1割台に低迷しており、民主党が一方的に失速した結果ではあるが、参院選比例代表の投票先でもほぼ並び、無党派層の投票先では自民16%、民主14%と逆転した。大島理森幹事長は「信頼される自民党の姿を理解してもらう努力をすれば、おのずと結論が出てくる」と参院選へ向けた手応えを語った。
 普天間問題を巡る鳩山政権の混乱に乗じ、自民党など野党は終盤国会で内閣不信任決議案を提出する方針。自民党幹部は一斉に首相退陣や衆院解散を要求する発言を繰り返し、政権に揺さぶりをかけている。谷垣禎一総裁は30日も北海道稚内市で記者団に「鳩山さんが退陣するか、解散して信を問うか、このことが問題解決のスタートだ」と強調した。
 だが、約3分の1の衆院小選挙区で候補者が決まっていない現状では、衆参同日選挙は回避したいのが本音。参院選で「改選第1党」を狙うには「このまま鳩山・小沢体制が続いてほしい」(閣僚経験者)という声も根強い。参院自民党幹部は「普天間問題と社民党の連立離脱でも数字は逆転しなかった」と敵失頼みの限界を嘆く。【中田卓二】

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<本社世論調査 質問と回答>

◆鳩山内閣を支持しますか。
                全体 前回 男性 女性
支持する            20(23)21 19
支持しない           67(62)67 67
関心がない           12(14)11 13

◇<「支持する」と答えた方に>支持する理由は何ですか。
民主党の首相だから       12(16)14  9
指導力に期待できる        3 (1) 3  3
政策に期待できる        14(13)18  9
政治のあり方が変わりそうだから 69(69)63 76

◇<「支持しない」と答えた方に>支持しない理由は何ですか。
民主党の首相だから        3 (2) 4  3
指導力に期待できない      50(50)48 51
政策に期待できない       26(25)28 24
政治のあり方が変わりそうにない 21(22)19 22

◆どの政党を支持していますか。
民主党             17(19)20 14
自民党             17(15)16 19
公明党              4 (4) 2  6
共産党              2 (3) 2  2
社民党              2 (2) 2  2
国民新党             0 (0) 1  0
みんなの党            9 (9)10  8
新党改革             1 (1) 1  1
たちあがれ日本          1 (1) 2  1
新党日本             0 (0) 0  ?
その他の政党           1 (2) 1  1
支持政党はない         44(43)42 46

◆政府は米軍普天間飛行場を同じ沖縄県の名護市辺野古に移す方針を決め、米政府と合意しました。辺野古への移設に賛成ですか、反対ですか。
賛成              41    46 37
反対              52    50 53

◆この問題で鳩山首相は「最低でも県外への移設」と「地元の合意を得た5月末の決着」を約束していました。これを実現できなかった責任を取って、首相は退陣すべきだと思いますか、思いませんか。
退陣すべきだ          58(47)59 57
退陣する必要はない       40(51)40 41

◆社民党の福島党首は辺野古への移設に反対し、消費者・少子化担当相を罷免されました。鳩山首相が福島氏を罷免したことを適切だと思いますか、思いませんか。
適切だ             56    64 48
適切でない           41    34 46

◆この問題で、社民党は連立政権から離脱すべきだと思いますか。
離脱すべきだ          64    73 55
離脱する必要はない       33    26 39

◆民主党の小沢幹事長の資金管理団体による政治資金規正法違反事件についてお聞きします。検察審査会は「起訴相当」と判断して検察に再捜査を求めましたが、検察は再び「不起訴」にしました。小沢幹事長は辞任すべきだと思いますか。
辞任すべきだ          73(78)67 78
辞任する必要はない       24(19)31 18

◆参院選が今行われるとして、あなたは比例代表でどの政党、あるいはどの政党の候補者に投票しますか。
民主党             22(22)24 20
自民党             21(18)21 22
公明党              4 (5) 2  6
共産党              4 (3) 3  4
社民党              3 (2) 3  3
国民新党             1 (1) 1  0
みんなの党           14(15)17 11
新党改革             1 (4) 2  1
たちあがれ日本          2 (3) 3  1
新党日本             0 (1) 0  0
その他の政党          18(18)17 19

◆民主党は衆院で半数を大きく超える議席を持っていますが、参院選の結果次第で連立政権の枠組みが変わる可能性があります。参院選後、民主党がどの政党と連立を組むのが望ましいと思いますか。
民主党の単独政権        32(25)34 30
社民党、国民新党との連立     7 (9) 8  6
自民党との大連立        14(12)13 15
公明党との連立          2 (4) 4  1
みんなの党との連立       10(13)12  9
その他             29(30)27 31

(注)数字は%、小数点以下を四捨五入。0は0.5%未満、?は回答なし。無回答は省略。カッコ内の数字は前回5月15、16日の調査結果。前回、鳩山首相の進退は「5月末に決着できなかった場合」を前提に、小沢幹事長の進退は検察審査会の「起訴相当」の議決を受けて聞いた。

◇調査の方法

 29、30日の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で調査。有権者のいる1705世帯から、1025人の回答を得た。回答率は60%。

内閣支持、最低の17% 朝日新聞緊急世論調査

[asahi.com 2010 年5月30日22時25分]

 朝日新聞社が29、30の両日実施した米軍普天間飛行場移設問題の緊急世論調査(電話)で、鳩山内閣の支持率は17%と前回調査(15、16日)の21%からさらに下落し、初めて10%台に落ち込んだ。不支持率は70%(前回64%)。政党支持率などで「民主離れ」の傾向も強まっている。普天間飛行場を沖縄県名護市辺野古に移設するとの政府方針を「評価する」は27%にとどまり、「評価しない」が57%と大きく上回った。
 内閣支持率が10%台まで下がるのは、福田内閣(最低19%)、麻生内閣(同13%)に続いて3代連続だ。民主支持層で鳩山内閣を支持する人は58%にとどまる。
 民主支持率は21%(前回24%)に下がり、政権交代後、最大で46%だったのが半分以下になった。自民支持率は15%(同15%)と低迷しているが、参院選比例区の投票先でみると民主20%(同24%)、自民20%(同19%)と並んだ。一方で、投票先を「答えない・わからない」人がこれまでよりさらに増えて41%(同38%)になった。
 鳩山由紀夫首相が普天間問題を5月末までに決着させるとしていたことについて、約束を「守った」と考える人は13%で、「守らなかった」は78%に達した。
 この問題での首相のこれまでの取り組みを評価する人は「大いに」「ある程度」合わせて21%、評価しない人は「あまり」「まったく」合わせて79%。首相に厳しい視線が注がれ、内閣支持率の低下につながっているようだ。
 首相が普天間問題で辞任すべきかどうかでは、「辞任すべきだ」46%、「必要はない」45%と伯仲している。辺野古移設に反対して大臣を罷免された社民党の福島瑞穂党首の対応については、「評価する」54%、「評価しない」36%で評価するが上回った。

世論調査―質問と回答〈5月29、30日〉

[asahi.com 2010年5月30日22時25分]

 (数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。丸カッコ内の数字は、15、16日の前回調査の結果)

◆鳩山内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する  17(21)
 支持しない 70(64)

◆いま、どの政党を支持していますか。
 民主党21(24)▽自民党15(15)▽公明党4(2)▽共産党1(2)▽社民党1(1)▽みんなの党5(4)▽国民新党0(0)▽たちあがれ日本0(0)▽新党日本0(0)▽新党改革0(0)▽その他の政党0(0)▽支持政党なし45(40)▽答えない・分からない8(12)

◆今年の夏に、参議院選挙があります。仮にいま投票するとしたら、比例区ではどの政党、またはどの政党の候補者に投票したいと思いますか。
 民主党20(24)▽自民党20(19)▽公明党5(3)▽共産党3(3)▽社民党1(1)▽みんなの党9(9)▽国民新党1(1)▽たちあがれ日本0(1)▽新党日本0(0)▽新党改革0(0)▽その他の政党0(1)▽答えない・分からない41(38)

◆今度の参議院選挙の結果、どの政党に議席を伸ばしてほしいですか。
 民主党18▽自民党23▽公明党4▽共産党3▽社民党3▽みんなの党14▽国民新党1▽たちあがれ日本1▽新党日本0▽新党改革1▽その他の政党0▽答えない・分からない32

◆沖縄にあるアメリカ軍の普天間飛行場の移設問題についてうかがいます。鳩山内閣は、飛行場を沖縄県・名護市・辺野古に移設する一方で、沖縄の基地負担の軽減に取り組む政府方針を決めました。この政府方針を評価しますか。評価しませんか。
 評価する 27 評価しない 57

◆鳩山首相は移設問題を5月末までに決着させると表明していました。鳩山首相は約束を守ったと思いますか。守らなかったと思いますか。
 守った 13 守らなかった 78

◆普天間飛行場の移設をめぐる鳩山首相のこれまでの取り組みを、どの程度評価しますか。(択一)

 大いに評価する    1
 ある程度評価する  20
 あまり評価しない  40
 まったく評価しない 39

◆鳩山首相は、普天間飛行場の問題で、首相を辞任するべきだと思いますか。辞任する必要はないと思いますか。
 辞任するべきだ   46
 辞任する必要はない 45

◆社民党の福島・消費者大臣は、辺野古への移設に反対し、鳩山首相に解任されました。福島大臣の対応を評価しますか。評価しませんか。
 評価する  54
 評価しない 36

◆沖縄にある米軍基地などを整理・縮小するために、一部を国内のほかの地域に移すことについて、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 50(47)
 反対 34(34)

     ◇

 〈調査方法〉29、30の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した。世帯用と判明した番号は1796件、有効回答は1106人。回答率62%。

「鳩山離れ」加速…内閣支持率19.1%

[2010年5月31日9時21分 日刊スポーツ]

 共同通信社が29、30両日実施した全国電話世論調査で、鳩山内閣の支持率が1割台の19.1%まで下落、鳩山由紀夫首相の辞任を求める声が5割を超えた。参院選での比例代表投票先、政党支持率も、大差をつけられていた自民党が政権交代後初めて民主党を上回った。普天間飛行場移設問題をはじめ、鳩山首相の手腕に対する疑問が「鳩山離れ」を加速させた。民主党内でも公然と退陣要求が出ており、“追い込まれ辞任”の可能性も出てきた。
 調査によると、鳩山内閣の支持率は19.1%で、前回(4月28、29日実施)から1.6ポイント下がり、1割台に突入した。下落幅は少なかったが、危険水域の2割台を割り込み、有権者の内閣への厳しい視線を裏付けた。「支持しない」と答えた人の理由で最も多いのは「指導力がない」で36.2%。次が「首相が信頼できない」で25.1%(前回比6.2ポイント増)で、2つで全体の6割以上を占めた。
 米軍普天間飛行場の移設先をめぐって迷走に迷走を重ね、社民党の福島瑞穂党首を罷免して同党の連立離脱を招いたが、首相が明言した「5月末決着」を果たせなかった政治責任に関し「辞めるべき」と答えた人は51.2%、「辞めるべきではない」は44.4%だった。県内移設を「評価しない」としたのは66.1%で、「評価する」の25.4%を上回った。
 参院選比例投票先の政党調査では、自民党の20.9%に対し、民主党は19.9%とわずかに先行された。政党支持率も自民党は21.9%(同3.2ポイント増)、民主党は20.5%(同3.6ポイント減)。いずれも政権交代後初めて、民主党は自民党に逆転された。民主党が「単独過半数を占めない方がいい」は62.8%にのぼり、政治資金問題がくすぶる小沢一郎幹事長を「辞めるべき」としたのも74.9%と依然、高かった。
 首相は28日の会見で、続投に強い意欲を強調したが、足元は日に日に揺らいでいる。党内では、参院選の改選組だけでなく幹部からも公然と退陣論が出ている。30日は、小沢幹事長の側近、細野豪志副幹事長が民放番組で「沖縄問題で重大な局面に立っている。鳩山首相が進めるべきか違う選択があるのか、首相自身の判断に委ねたい」と、進退は自身で判断するよう求めた。参院トップの輿石東幹事長代行も「(進退は)首相自身が一番考えていくだろう」と足並みをそろえた。党内では罷免直前の福島氏に電話をかけた小沢氏が「あなたの方が筋が通っている」と話したことを受け、「小沢氏は鳩山首相を見限った」との憶測が流れている。求心力が低下した鳩山氏が参院選前、辞任に追い込まれるシナリオも現実味を帯びてきた。

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