NHKの世論調査では、菅内閣の支持率は48%ですが、注目されるのは不支持率が6ポイントも伸びたこと。
さらに注目されるのは、消費税率の引き上げについて賛否を問うたのにたいし、賛成27%、反対38%、「どちらともいえない」31%と、反対が賛成を上回ったことです。この間のさまざまなメディアの調査で、反対が賛成を上回ったのは初めてです。
NHK世調 内閣支持率48%
[NHKニュース 6月28日 19時16分]
NHKが行った世論調査によりますと、菅内閣を「支持する」と答えた人は、先週の調査より1ポイント下がって48%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は6ポイント上がって35%でした。
NHKは、今月25日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行いました。調査の対象となったのは2449人で、このうちの65%に当たる1588人から回答を得ました。それによりますと、菅内閣を「支持する」と答えた人は、先週の調査より1ポイント下がって48%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は6ポイント上がって35%でした。また、「わからない・無回答」は4ポイント下がって18%でした。
そして来月11日に投票が行われる参議院選挙について、どの程度関心があるか聞いたところ、「非常に関心がある」が35%、「ある程度関心がある」が46%、「あまり関心がない」が14%、「まったく関心がない」が3%でした。また、参議院選挙の投票に行くかどうか尋ねたところ、「必ず行く」が66%、「行くつもりでいる」が23%、「行くかどうかわからない」が6%、「行かない」が3%、「期日前投票をした」が1%でした。
投票にあたって最も重視することを質問したところ、「年金や医療などの社会保障政策」が29%、「消費税率の引き上げ含む財政再建」が21%、「景気・雇用対策」が20%などとなりました。
また、消費税率の引き上げの賛否を聞いたところ、「賛成」が27%、「反対」が38%、「どちらともいえない」が31%でした。さらに、参議院選挙の投票にあたって、消費税率を引き上げる問題を考慮するか尋ねたところ、「大いに考慮する」が16%、「ある程度考慮する」が48%、「あまり考慮しない」が21%、「まったく考慮しない」が7%でした。
菅総理大臣が、税制の抜本改革について、参議院選挙後に超党派で議論を始め、早期に結論を得たいとしたうえで、消費税率は「自民党案の10%をひとつの参考にしたい」としている姿勢を評価するか質問したところ、「大いに評価する」が8%、「ある程度評価する」が39%、「あまり評価しない」が28%、「まったく評価しない」が16%でした。
そして、参議院選挙の結果、議席が増えてほしい政党はどこか聞いたところ、民主党が26%、自民党が22%、公明党が4%、共産党が4%、社民党が2%、みんなの党が7%、たちあがれ日本が1%、新党改革が1%、「特にない」が18%でした。また、選挙の結果、民主党が参議院で単独過半数を占めることは望ましいと思うか尋ねたところ、「望ましい」が19%、「どちらかといえば望ましい」が25%、「どちらかといえば望ましくない」が19%、「望ましくない」が26%でした。
今朝の読売新聞の調査では、消費税率の引き上げは「必要だ」64%、「そうは思わない」33%と、消費税率引き上げは「必要だ」という回答が大きく上回っていますが、これは、設問が「財政再建や、社会保障制度を維持するために、消費税率の引き上げが必要だと思うか」となっていて、「思う」「思わない」の2つしか選択肢がないから。
「社会保障制度を維持するために」と言われたら、反対だと答える人は少ないでしょう。
しかし、読売の「必要だ」64%という数字は、NHK世論調査の「賛成」「どちらともいえない」をあわせた58%という数字とほぼ同じで、要するに、「財政再建や社会保障のために必要だ」という回答の中には、積極的には賛成しないが、やむを得ないのでは? という答えがかなり含まれている、ということではないでしょうか。
また、朝日新聞の調査では、「消費税の引き上げを参院選の最大の争点だと思う」という人が19%しかおらず、71%が「消費税以外にも大きな争点はある」と答えたことになっていますが、これも「最大の争点」という設問がポイント。
NHKの世論調査でも、参院選の投票でもっとも重視するのは「年金や医療などの社会保障政策」が29%で、「消費税率の引き上げ含む財政再建」21%を上回っています。
しかし、だからといって、消費税増税問題はどうでもいいと多くの人が思っているというわけではなく、ほかにも重要な問題がある、というだけのこと。景気の問題や年金・社会保障の問題、それに消費税増税と、いずれも暮らしにとっては深刻な問題ばかり。そういう大事な争点の1つに消費税増税がある、ということです。