大企業は40%の法人税を払っているわけではない

主な大企業の実際の法人税率(しんぶん赤旗2010年6月24日)

消費税増税論議のなかで、「日本の法人税は高い」という問題が浮かび上がっています。確かに、日本の法人税の「実効税率」は、地方税をあわせて約40%。

しかし、実際にすべての黒字企業が40%の法人税を支払っている訳ではありません。上のグラフは、「しんぶん赤旗」が、経常利益の上位100社について、実際の法人税負担率を計算したもの。40%どころか、平均でヨーロッパ並みの33%。ソニー、住友化学、パナソニックなど一流どころが、軒並み10%台の法人税しか払っていません。

これで、さらに法人税を減税せよとは、ちょいと図々しすぎやしませんか?

法人税 「40%は高い」といいながら実は…/ソニー12% 住友化学16%:しんぶん赤旗

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菅首相が「年収400万円以下は全額還付」と言い出したが…

菅首相が、消費税増税への批判にたいして、「低所得層にはかかった消費税を全額還付する方式もある」と答えたそうだ。

わざわざ還付しなければいけないのなら、初めから増税しなければいいのだ。年収400万円以下となれば、還付対象世帯は半数近くになる。それだけの世帯について、所得と支出を把握して、還付の手続きをとる――いったい、どれだけの手間と経費がかかるだろうか。還付を受けるための申告手続きも膨大なものになるだろう。

広く徴税しておきながら、あとで半数の世帯に還付する――こんな税制は、制度設計から根本的に間違っているのだと思う。

消費税上げで首相「年収2百〜4百万以下還付」:読売新聞
菅首相:消費増税の還付対象 世帯別で半数近くに:毎日新聞

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“法人税減税は究極のバラマキだ”

『日経ヴェリタス』6月27日号に、京都大学の中野剛志氏が、「法人税減税は究極のバラマキ」という論評記事を書かれています。

中野氏は、法人税減税はデフレ不況下では「むしろ有害」「法人部門の貯蓄を殖やすだけで、経済全体の需要を縮小させる」と厳しく批判しています。

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