女性自衛官の訴え、全面的に認められる

女性自衛官が勤務時間中に同僚男性自衛官から性的暴行を受けた上、その被害を訴えると逆に退職を迫られたとして国を訴えている「女性自衛官人権訴訟」で、札幌地裁が、女性の訴えを認め、国に580万円の賠償を命じる原告全面勝訴の判決を下しました。

原告の女性は、裁判に訴えたあとも自営他の職場にのこりがんばっていましたが、残念ながら昨年再任用を拒否されてしまいました。しかし、訴えは全面的に認められた訳で、ほんとうにおめでとうございます。

裁判:空自で女性隊員に性的暴行と退職強要 札幌地裁が認定、国に580万円賠償命令:毎日新聞
空自セクハラ訴訟、国に580万支払い命令:読売新聞
女性元自衛官が勝訴/札幌地裁 基地内の性的暴力・退職強要を認定:しんぶん赤旗

続きを読む

『1861-63年草稿』を読む(1)

大月書店「資本論草稿集」の『1861-63年草稿』<1>。

第3章「資本一般」I「資本の生産過程」1「貨幣の資本への転化」の部分。

『資本論』では、第2篇「貨幣の資本への転化」第4章「貨幣の資本への転化」に相当する部分だが、『資本論』では次の第3篇「絶対的剰余価値の生産」に含まれる「労働過程」や「価値増殖過程」、「貨幣の資本への転化が分解する2つの部分」(第6章「不変資本と可変資本」に相当)などが、ここに含まれている。

42ページ下段〜43ページ上段にかけて「資本主義的生産」が登場する。これが『1861-63年草稿』での初出か? しかしすでにマルクスは、「資本主義的生産」は自明な用語として使っている。「資本主義的生産」という言葉は、すでに「資本にかんする章のブラン草案」や「引用ノートへの索引」「私自身のノートにかんする摘録」(『資本論草稿集』第3分冊)に登場する。「資本主義的生産の制限」という表現が登場する(「自分自身を止揚する資本主義的生産の諸制限」454ページ上段、483ページ下段、515ページ上段) ((重田澄男『再論・資本主義の発見』桜井書店、2010年、によると、「資本主義的」という用語は「プラン草案」には1回、「私自身のノートにかんする摘録」では14回登場するらしい(同書、111ページ)。このことからみても、「プラン草案」→「私自身のノートにかんする摘録」という執筆順序が想定できる。))。「資本主義的」という形容詞が初めて登場するときに、それが「資本主義的生産の諸制限」という角度から登場したことは興味深い。

続きを読む

正気な?! 幻想交響曲

東京フィル 第789回サントリー定期演奏会

金曜日、東フィルの定期でサントリーホールへ。今月は、東京二期会・東京フィル「ベルリオーズ・プロジェクト2010」ということで、先日の「ファウストの劫罰」に続いて、指揮はミシェル・プラッソン。

  • ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」作品9
  • ベルリオーズ:歌曲集「夏の夜」
  • ベルリオーズ:幻想交響曲

メゾ・ソプラノは、体調不良で降板した林美智子さんに代わって加納悦子さん。

続きを読む

読み終わりました

吉岡昭彦『イギリス地主制の研究』

吉岡昭彦『イギリス地主制の研究』(未来社、1967年)。もちろん古本です。

最近はこうした研究はすっかり流行らなくなっていますが、『資本論』第1部の「本源的蓄積」の章を読んでみて、あらためてイギリス史をきちんと勉強しなければならないと思って、とりあえず(などと言ったら怒られますが)吉岡昭彦氏の本から読み始めてみました。

続きを読む

6割が自民の政権復帰を期待せず

選挙結果をどう見るか、いろいろな見方があると思いますが、そのなかで面白い世論調査がありました。

NHKの世論調査によると、自民党が「次の衆議院選挙で政権復帰することを期待するかどうか」という質問にたいして、60%が「期待しない」と回答したそうです。獲得議席の上では、民主党に勝利した自民党ですが、しかし昨年夏に下された自民党政権ノーの審判は揺るがないようです。

自民の政権復帰を期待せず 60%:NHKニュース

続きを読む

買ってしまいました

パーヴォ・ヤルヴィ指揮カンマーフィル/ベートーヴェン交響曲シリーズ

パーヴォ・ヤルヴィ指揮、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団のベートーヴェン交響曲シリーズ。先日買ったショスタコーヴィチの交響曲第10番(オケはシンシナティ響)のCDがよかったので、ついつい衝動買い。

全部で5枚、ばら売りをまとめ買いして、インターネットHMVで8,151円でした。(^_^)v

とりあえず『資本論』第1部読破

かなり前から取り組んでいた『資本論』第1部をドイツ語とにらめっこしながら読む作業。

いろいろな発見を含みつつ、とりあえず、本日、無事、第25章「近代の植民地理論」まで読み終えることができました。ヽ(^o^)/

続きを読む

見てきました 都響「売られた花嫁」

都響スペシャル/スメタナ:売られた花嫁

昨日の二期会オペラ「ファウストの劫罰」に続いて、本日は都響スペシャル、スメタナの「売られた花嫁」を見てきました。

序曲はよく聴きますが、チェコ語という言葉の壁のせいか、日本ではあまり公演されたことがないそうです。しかし、指揮者のレオシュ・スワロフスキーを初め、出演者もチェコやスロヴァキアの出身で、お国自慢のスメタナを楽しんでやっているという雰囲気があふれていて、歌よし、芝居よし、音楽よし、文句なしに楽しめました。

続きを読む

本日のお買い物

ヒラリー・ハーン:ヒグドン&チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲アリス=紗良・オット:チャイコフスキー&リスト ピアノ協奏曲第1番

えっと、選挙中のストレス?発散のため、いろいろと買いあさっております。本日買ってきたのはCD2枚。

左がヒラリー・ハーンの新譜ヒグドン&チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲集、右はアリス=紗良・オットの、これまた新譜チャイコフスキー&リスト:ピアノ協奏曲第1番です。

続きを読む

がんばって勉強しなくては…

金澤史男『自治と分権の歴史的文脈』(青木書店)

選挙が終わって久しぶりの本漁りで、買ったもの。昨年急逝された金澤史男・横浜国大教授の『自治と分権の歴史的文脈』(青木書店)。地方自治の歴史というのは、法律的・政治的な制度・仕組みの問題と、財政の問題と、それとそれらをめぐる地方・中央の動きがあって、なかなか難しいのですが、がんばって勉強したいと思います。

続きを読む

甘〜い甘〜いチャイコフスキー

オーケストラ!

仕事帰りに、本日最終日の映画「オーケストラ」を渋谷ルシネマで見てきました。最終日の最終回だというのに、けっこうなお客さん。

最初はなんだかどたばたみたいな映画でしたが、オーケストラと競演するソロ・ヴァイオリニスト、アンヌ=マリー・ジャケ役のメラニー・ロランが登場したあたりから、ぐっと話が面白くなってきました。

続きを読む

熱演ではあるが…

東京シティフィル第241回定期演奏会

昨日の読響につづいて、今日は、飯盛泰次郎&東京シティ・フィルのベートーヴェン・チクルス第2弾でオペラシティへ。

  • ベートーヴェン:「エグモント」序曲 op.84
  • ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 op.93
  • ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 op.68 “田園”

続きを読む

当選議員の6割が消費増税に賛成

消費税率引き上げをめぐる各党の意見分布(「毎日新聞」2010年7月13日付)

民主党・菅政権が、参院選で大敗した。テレビでも、「消費税を上げられたらかなわんから」と話す有権者がいたが、菅首相が唐突に言い出した消費税増税にたいする有権者の反対が大きかったことは間違いない ((民主党自身、消費税増税方針の年度内決定を先送りする動きが出ている(「読売新聞」2010年7月13日付)))。

ところが、「毎日」のアンケート調査によると、当選した新参議院議員の6割が消費税率引き上げに賛成している。

民主党に代わって勝利した自民党にいたっては、回答者32人中、「消費税率引き上げ」に反対なのは1人のみ。残り31人は全員賛成。しかも、「衆院選前にも消費税を引き上げるべき」だという議員が12人もいるのだ。公明党も、当選した8人全員が消費税引き上げに賛成している。

今度の選挙では、「消費税を上げられたら困る」と思って、自民党の候補者に一票を投じた人も少なくなかっただろう。しかし、自民党の実態は、民主党以上の消費税増税派なのだ。

消費税増税派やめてほしいと思って、自民党に投票された有権者の皆さん、自民党はあなたの期待を裏切るかも知れません。くれぐれも、ご用心、ご用心。

選挙:参院選 消費増税に6割賛成 毎日新聞候補者アンケート、当選者回答分析:毎日新聞

続きを読む

沖縄県議会、全会一致で「日米声明」見直し要求決議

沖縄県議会が全会一致で、米軍普天間基地の辺野古沖移設を決めた「日米合意」の見直しを求める決議を採択。

参院選では、消費税増税をめぐる議論に打ち消されがちだが、「やむを得ない」と沖縄に負担を押しつけ続けることは、同じ日本国民として許されない。

しかし、菅首相は、副総理として鳩山前首相の傍らにいてて、なによりも日米関係にかんする問題ではブレてはならないということを学んだようで、首相就任以前から「日米合意を守る」とアメリカに約束。ブレずに「アメリカ言いなり」を貫こうとしている。

日米声明見直し要求 県議会が全会一致:琉球新報

続きを読む

比例定数削減に異論続々

国会議員定数の削減問題。地方紙では、疑問を呈する社説が次々に登場している。

神戸新聞は、ずばり「減らせば質が高まるのか」のタイトルで、「一斉に減数競争に走るのは、あまりに短絡的」と批判。北海道新聞も「消費税増税に向け『議員自らが血を流す』というが、乱暴すぎる。筋違いではあるまいか」と指摘している。

比例定数をまず削減しようという動きに、「比例に込められた多様な民意を吸い上げる機能を弱める懸念がある」(河北新報)との指摘も共通している。

議員定数/減らせば質が高まるのか:神戸新聞
比例定数削減 少数意見を封殺せぬか:北海道新聞
議員定数削減 「1票の格差」是正が先:京都新聞
政治改革/定数削減も結構だけれど:河北新報
定数削減 1票の格差是正が先だ:信濃毎日新聞

続きを読む

日本政府は核密約で「ひそかに同意」していた!!

日米核密約にまたまた新資料。1961年6月に米国務省が作ったメモのなかに、核密約について、「日本に立ち寄る艦船、航空機上の(核)兵器は問題としないとの点について日本政府は実際、ひそかに同意している。日本国民はこの秘密の取り決めを知らない」との記述あり。

外務省有識者委員会は、「暗黙の合意」だと言ったが、この資料は、60年の安保交渉当時から、日本政府の側も、「密約」であることをはっきり自覚して事に当たっていたことを明らかに示している。これで、またまた、有識者委員会の報告が成り立たないことが明らかになったわけだ。

核密約で日本側「ひそかに同意」 61年、ケネディ政権:共同通信
核密約に関する米文書の要旨:共同通信

続きを読む