昨日の二期会オペラ「ファウストの劫罰」に続いて、本日は都響スペシャル、スメタナの「売られた花嫁」を見てきました。
序曲はよく聴きますが、チェコ語という言葉の壁のせいか、日本ではあまり公演されたことがないそうです。しかし、指揮者のレオシュ・スワロフスキーを初め、出演者もチェコやスロヴァキアの出身で、お国自慢のスメタナを楽しんでやっているという雰囲気があふれていて、歌よし、芝居よし、音楽よし、文句なしに楽しめました。
コンサート形式ということでしたが、衣装もスロヴァキアから取り寄せ、あの狭いサントリーホールのステージ上にさらに舞台をつくり、バレエダンサーがポルカを踊るなど、なかなか凝った演出でした。
それにしても、ソリストがうまかったですねぇ。とくによかったのは、主人公イェーニクを演じたルドヴイト・ルドゥハのテノール。声量たっぷりで、絞り出すようなところがまったくなく、ヒロインのマジェンカ(アドリアナ・コフートコヴァー)のソプラノに負けていません。結婚仲介人ケツァル役のヤーン・ガラのバスも、最初はやや低音に不安を感じましたが、後半はぐっとよくなってなかなか聴かせるものがありました。
いずれにしても、「売られた花嫁」はもう完全にそらんじているようなソリストたちなので、芝居もごくごく自然な雰囲気でよかったです。
スワロフスキーの指揮も、実に楽しそう。都響の演奏も生き生きのびのびとしていて、いい音を響かせていました。
お芝居の筋は、きわめて単純。終わった後で、「オチがあんなのでいいの?」などと言っている人もいましたが、オペラのストーリーは単純に限ります。(^_^;)
今回は、レチタティーヴォの部分をカットして、20分ぐらい短縮して、第1幕と第2・3幕の2部構成にされていましたが、これはまったく気になりませんでした。ただ、レチタティーヴォの代わり?に、朝岡聡さんがナビゲーターとして、村の酒場の亭主に扮して登場してきましたが、これがいかにも余計。マイクを通じたナレーションというのがせっかくの雰囲気を台無しにしているのですが、気がつかないのでしょうか。都響コンサートオペラでは、朝岡氏のナビゲートがすっかりおなじみですが、是非とも再考していただきたいものです。
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指揮・演出:レオシュ・スワロフスキー/イェニーク:ルドヴイト・ルドゥハ/マジェンカ:アドリアナ・コフートコヴァー/ヴァシェク:オトカール・クライン/ケツァル:ヤーン・ガラ/クルシナ:セルゲイ・トルストフ/ルドミラ:エヴァ・シェニグロヴァー/ミーハ:フランティシェク・ジュリアチ/ハータ:ルツィエ・ヒルシェロヴァー/ダンサー:三井聡、江田あつし、水那れお、今村たまえ/子役:秋元萌/合唱:二期会合唱団/管弦楽:東京都交響楽団