内閣支持71%というが、その中身は…

民主党の代表選挙を終わってのマスメディアの世論調査で、菅内閣の支持率が上昇。日本経済新聞なんぞは71%という高支持率に。

しかし、国民の8割が「ふさわしくない」と思っている人物を破ったのだから、まあ支持率が上がるのは当たり前。決して、管政権の政策が支持されているわけではない。そのことは、日経調査で、管首相の再選をよかったとする理由のトップが「首相が頻繁に代わるべきでない」72%であることからも明らかだ。

小沢一郎氏を重要ポストで起用すべきかどうかについて、「起用すべきでない」61%(日経)、「要職起用しない方よい」65%(朝日)など、とことん嫌われている。国会議員票では、管首相に肉薄した小沢氏だが、この不人気はやはり深刻だ。

「菅氏再選を評価」81% 頻繁な首相交代嫌う 内閣支持71%に上昇:日本経済新聞
菅氏続投歓迎72% 政治進む28%:朝日新聞
世論調査―質問と回答〈9月14、15日実施〉:朝日新聞
内閣支持率45%に続伸=民主代表選前、不支持9ポイント減:時事通信

「菅氏再選を評価」81% 頻繁な首相交代嫌う 内閣支持71%に上昇

[日本経済新聞 2010/9/16]

 日本経済新聞社とテレビ東京が14、15両日に実施した緊急世論調査で、菅直人首相が民主党代表に再選され、首相を続けることについて81%が「よかった」と答えた。理由(複数回答)は「首相が頻繁に代わるべきでない」の72%が最多で「小沢一郎氏に首相になってほしくない」の46%が続き、消極的支持が多かった。菅内閣の支持率は71%と8月の前回調査から17ポイント上昇した。
 内閣支持率は菅内閣発足を受け、6月上旬に実施した調査の68%をも上回り、昨年9月の政権交代直後の鳩山内閣の75%に迫る高さ。不支持率は前回調査を13ポイント下回る24%だった。
 菅氏の再選を「よくなかった」と答えたのは16%。理由(同)は「指導力がない」(52%)、「政策が悪い」(35%)、「小沢氏が首相になってほしい」(31%)の順。
 小沢氏の政府や党の重要な役職への起用については「起用すべきでない」が61%に達し、「起用すべきだ」の29%を大きく引き離した。
 民主党支持率は46%と前回から6ポイント上昇し、ほぼ菅内閣発足直後の水準に回復した。自民党は横ばいの23%。みんなの党は7%で2ポイント低下した。
 調査は日経リサーチが全国の成人男女を対象に、乱数番号(RDD)方式により電話で実施。有権者のいる1553世帯から952件の回答を得た。回答率は61.3%。

菅氏続投歓迎72% 政治進む28% 朝日新聞世論調査

[asahi.com 2010年9月15日22時21分]

 民主党代表選の結果を受けて、朝日新聞社が14、15日に実施した緊急の全国世論調査(電話)によると、菅直人首相が小沢一郎氏を破って首相を続けることを「よかった」と答えた人は72%に達し、「よくなかった」12%を圧倒した。一方、菅首相の続投で「政治がうまく進む」とする人は28%で、「うまく進まない」とみる38%が上回る。
 多くの有権者が、菅首相が小沢氏を退けたことを歓迎しつつも、今後の政権運営には厳しい見方をしているといえそうだ。
 菅氏の勝利に対しては、すべての年代で「よかった」が6割を超え、「よくなかった」を大きく上回る。女性では80%対5%と差がさらに広がる。自民支持層でも約8割が「よかった」と答えた。
 一方、「よかった」と答えた人の間でも、首相続投により「政治がうまく進む」とみる人は38%にとどまり、「うまく進まない」が29%いる。菅氏の勝利に肯定的な意見が多い結果は、政治運営への信頼の表れというより、「政治とカネ」の問題を抱える小沢氏に対する拒否感がもたらしたものだといえそうだ。
 内閣支持率は57%(不支持24%)。4、5日の前回調査の49%からさらに上昇し、6月の内閣発足時(60%)に近い水準まで回復した。
 政党支持は民主41%(前回36%)、自民18%(同17%)など。

■小沢氏「要職起用しない方よい」65%

 菅直人首相が小沢一郎氏を破った民主党代表選を受けた朝日新聞社の世論調査で、小沢氏を民主党の要職に起用することの当否を尋ねたところ、「起用しない方がよい」が65%で、「した方がよい」の23%を圧倒した。
 他方、政権運営で小沢氏の意見を取り入れた方がよいかどうかを聞く質問では、「取り入れた方がよい」が42%、「取り入れない方がよい」が43%と意見が分かれた。
 特徴的なのは民主支持層の答えで、小沢氏の要職起用には「した方がよい」29%、「しない方がよい」59%なのに、意見の反映では「取り入れた方がよい」52%、「取り入れない方がよい」34%と数字が逆転する。今回、民主支持層は全体の4割に達しており、その人たちが党内の「融和」に一定程度期待している表れともみられる。

世論調査―質問と回答〈9月14、15日実施〉

[asahi.com 2010年9月15日22時41分]

(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。丸カッコ内の数字は、特に断りがない限り9月4、5日の前回調査の結果)

◆菅内閣を支持しますか。支持しませんか。

 支持する 57(49)
 支持しない24(30)

◆どの政党を支持していますか。

 民主41(36)▽自民18(17)▽公明2(3)▽共産2(2)▽社民0(0)▽みんな4(4)▽国民新0(0)▽たちあがれ日本0(0)▽新党日本0(0)▽新党改革0(0)▽幸福実現0(0)▽その他の政党0(0)▽支持政党なし25(31)▽答えない・分からない8(7)

◆仮にいま、衆議院選挙の投票をするとしたら、比例区ではどの政党に投票したいと思いますか。

 民主38(37)▽自民23(22)▽公明3(4)▽共産3(3)▽社民1(1)▽みんな9(10)▽国民新0(0)▽たちあがれ日本0(0)▽新党日本0(0)▽新党改革0(0)▽幸福実現0(0)▽その他の政党2(0)▽答えない・分からない21(23)

◆民主党の代表選挙で、菅直人さんが小沢一郎さんを破り、再選されました。菅さんは首相を続けることになります。菅さんが小沢さんを破り、首相を続けることになったのは、よかったと思いますか。よくなかったと思いますか。

 よかった  72 
 よくなかった12

◆菅首相の続投により、政治がうまく進むと思いますか。うまく進まないと思いますか。

 うまく進む  28
 うまく進まない38

◆菅首相は、小沢さんを民主党の主要な役職に起用した方がよいと思いますか。起用しない方がよいと思いますか。

 起用した方がよい 23
 起用しない方がよい65

◆菅首相は政治を進めるにあたって、小沢さんの意見を取り入れた方がよいと思いますか。取り入れない方がよいと思いますか。

 取り入れた方がよい 42
 取り入れない方がよい43

◆昨年の衆議院選挙の結果、民主党を中心とする政権に交代してから、約1年になります。政権交代が起きたのは、よかったと思いますか。よくなかったと思いますか。(カッコ内は8月7、8日の調査の結果)

 よかった  66(68)
 よくなかった21(20)

◆今後も民主党を中心にした政権が続いた方がよいと思いますか。そうは思いませんか。(同)

 続いた方がよい38(38)
 そうは思わない40(47)

内閣支持率45%に続伸=民主代表選前、不支持9ポイント減?時事世論調査

[時事通信 2010/09 /16-15:11]

 時事通信社が9-12日に実施した9月の世論調査によると、菅内閣の支持率は前月比9.6ポイント増の45.6%で、2カ月連続で上昇した。支持率は6月の政権発足以来最高。一方、不支持率は同9.5ポイント減の32.7%で、3カ月ぶりに支持が不支持を上回った。
 菅直人首相は14日の民主党代表選で、党員・サポーター票で小沢一郎前幹事長に大差をつけて再選された。両氏は代表選を通じて政治姿勢や政策をめぐり激しい論争を展開、それが支持率上昇につながった形だ。
 調査は全国の成年男女2000人を対象に個別面接方式で行った。回収率は67.0%。
 内閣を支持する理由は「他に適当な人がいない」が21.7%でトップ。以下、「首相を信頼する」11.5%、「印象が良い」9.6%が続いた。不支持の理由は多い順に「期待が持てない」18.0%、「リーダーシップがない」13.7%、「政策が駄目」10.6%だった。 
 望ましい政権の枠組みは、「民主党中心の連立政権」が最多で22.2%。次いで「政界再編を経た後の既存の枠組みによらない政権」16.9%、「自民党中心の連立政権」13.1%、「民主、自民の大連立政権」10.1%、「民主党単独政権」9.7%となった。
 政党支持率は、民主党が前月比0.6ポイント増の20.6%、自民党が同1.1ポイント増の15.4%。公明党は同0.5ポイント増の4.0%で、同2.1ポイント減の2.8%のみんなの党を3カ月ぶりに上回った。「支持政党なし」は同0.8ポイント減の52.7%だった。

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