派遣労働者が24%減少、それでもまだ302万人

2009年度の派遣労働者は302万人、前年度比で24%減。製造派遣は54.5%減と半分以下に減ったが、それでもまだ約25万人もいる。

派遣労働者、減少幅最大の24% 09年度:日本経済新聞

厚生労働省の発表資料はこれ↓。
厚生労働省:2009年度労働者派遣事業報告の集計結果(確報版)

こっち↓は、今年6月1日現在の速報値。
厚生労働省:労働者派遣事業の2010年6月1日現在の状況(速報版)

ちなみに、派遣労働者302万人というのは、<1>「常用型」の派遣労働者66万人+<3>「登録型」派遣に登録している労働者206万人+<4>特定26種常用派遣労働者30万人の合計。しかし、「登録型」派遣に登録している労働者206万人がつねに仕事にありついているわけではなく、これを「常用型」に換算すると61万人になる。つまり、「登録型」は件労働者は3分の1しか仕事にありつけなかった、ということだ。

さらに、派遣料金は8時間換算で、平均14,490円(一般労働者派遣事業)にたいし、派遣労働者が受け取る賃金は、平均10,173円。つまり、約3割ピンハネされている計算になる。

ところで、常用換算で総数157万人の派遣労働者のうち、労働者派遣法の改正で規制の対象となるのは、30万人だけ。製造派遣でいえば、25万人のうち9万人しかいない。つまり、かなり大きな部分が規制の対象にならないまま残る、というわけだ。

派遣労働者、減少幅最大の24% 09年度

[日本経済新聞 2010/10/6 21:19]

 厚生労働省は6日、2009年度の派遣労働者数が前年度に比べて24.3%減の約302万人だったと発表した。減少は5年ぶりで、減少率は労働者派遣法が施行されたのをきっかけに集計を始めた1986年度以降で最大となった。08年秋の金融危機に伴う景気の低迷で、製造業を中心に雇い止めが増えた。
 派遣事業をしている7万1560社の報告をまとめた労働者派遣事業報告(確定値)で明らかになった。5月に発表した速報値では派遣労働者は約230万人だったが、その後、回答のあった事業所を加えたため、実数が膨らんだ。
 派遣会社にあらかじめ登録して仕事があるときだけ働く「登録型」の派遣労働者は206万人と同26.7%減った。派遣元が1年以上雇う見込みのある「常用型」は18.5%減の約96万人。09年6月1日時点で製造業で働いていた派遣労働者は前年同時期に比べ54.5%減の約25万人だった。
 派遣先の企業は29.3%減の約90万件。派遣事業者の年間売上高は19%減の約6兆3000億円だった。
 厚労省は世界的な景気の低迷で、企業の間で人件費を削減するために派遣労働者を減らす動きが広がったとみている。政府は専門知識が必要な26業務を除いて「登録型」の派遣を原則として禁止する労働者派遣法改正案の今国会での成立を目指しており、規制の強化を踏まえて派遣契約を見直す企業も増えているようだ。

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