11月のイベント準備でヘロヘロの毎日。さすがに今日はもう無理かと一度は諦めたのですが、6時半には仕事が一段落してしまったのと頭痛がひどくなってこれ以上仕事をする気力をなくしてしまったので、「洪水よ、わが亡き後に来たれ」とばかりにサントリーホールへ急行。ブルックナーとなれば、やっぱり聴かずにはいられません。(^_^;)
- エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 op.85
- ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 “ロマンティック” 1878-80年 ノヴァーク版第2稿
とはいえ、到着したときにはすでに1曲目が始まっていて、第3楽章からの立ち見になりました。
ソリストのボリス・アンドリアノフは、音量は大きいものの、演奏そのものは淡々と? していて、この曲には物足りない感じ。プログラム解説にもあるとおり、この曲はジャクリーヌ・デュ・プレの演奏で有名になった曲です。だからといってデュ・プレのような演奏スタイルしかないという訳ではありませんが、しかし、もう少し情感を込めてほしいというのが率直な気持ちでしょう。
後半、ブルックナーは、よくいえば細部まで指示を出して、作り込んでいたといえるかも知れませんが、僕には、表面的には派手でもブルックナーらしさが壊れてしまったように思われました。とくに第1楽章は弦にまとまりが感じられず、菅とのバランスも悪く、仕事の疲れもあって半ば沈没。第3楽章からはだいぶよくなり、とくに金管はよく鳴ったように思われましたが、それでもやっぱりあちこち触りすぎていたように感じられました。
ということで、終わってみれば満場の拍手、ブラボーの大喝采でしたが、僕には疑問符だらけの演奏。これは、オイラの耳が節穴なんでしょうかねぇ…。
それからもう1つ。ブルックナー全休符の絶妙なタイミングで、思いっきり大きな音でズズ〜〜っと鼻をすすりあげたアホがいて、それも一再ならず、ぶち壊しもいいところ。さらに、ラストに向かって盛り上がってゆくところでも、会場のあちこちから絶えずコホン、コホンと咳払いが聞こえて、そういう点でもがっかりさせられた演奏会でした。
来月は、日フィル×高関健と東フィル×チョン・ミョンフンがブルックナー第8番を競演します。高関氏はハース版、チョン・ミョンフンはノヴァーク版と、聴きくらべも楽しみです。
【追記】
と文句をいいつつも、自宅に帰り着くころには頭痛もおさまり、仕事がうまくすすまずくさっていた気分も少し改善。やっぱり、これがブルックナーの魅力なんでしょうか。(^_^;)
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指揮:ベルンハルト・クレー/チェロ:ボリス・アンドリアノフ/コンサートマスター:山本重友/会場:サントリーホール/開演:2010年10月25日 午後7時