今日の「日本経済新聞」夕刊に載っていた記事。政府の「全国消費実態調査」による記事なのですが、なかなかおもしろいところに着目しています。すなわち、若者の支出にしめる住居費の割合が非常に高くなっていて、それが生活を圧迫しているというのです。
生活費にしめる食費の割合はエンゲル係数といわれ、貧困世帯ほどエンゲル係数が高いというのは有名ですが、日本の場合は、食費の割合は減っているものの、住居費の割合がそれ以上に大きくなっています。
住居費、若者の生活圧迫
[日本経済新聞 2010年10月27日夕刊]
若者世代の支出のうち住居費の割合が高まっている。2009年の全国消費実態調査によると、30歳未満の働く単身者1ヵ月当たり消費支出のうち、住居費は男性で約2割、女性で約3割を占めた。04年(前回調査)に比べて男性は約3ポイント、女性は約9ポイント増えた。
男女とも1970年代から上昇傾向が続く。逆に減っているのが食料費と衣料費だ。女性は94年に食料費を抜いて住居費が最大の支出項目となった。男性も次回の調査では追い抜きそうだ。
20年前より可処分所得は増えているが、住居費の割合が増すのはなぜか。若者の住宅事情に詳しい神戸大学の平山洋介教授は「家賃の安い住宅が減っている」と指摘する。公営住宅や社宅、アパートなどが減って、今では民間マンションなどに住むのが一般的。特に女性はセキュリティーの整った住宅を求めるため家賃は高くなりがちだ。
平山教授は「他の消費に回せる余裕が無くなってきており、結婚や出産にも及び腰になる。安価な住宅を提供する支援策があれば、少子化対策にもつながる」と訴える。
私は、前から、テレビのトレンディ・ドラマで主人公が暮らすアパートやマンションが豪華すぎる、という問題を指摘してきましたが、それは現実の住居環境が悪すぎることの裏返しなのでは? と思っています。日本は、一戸建てやマンションだけでなく、賃貸アパートやマンションも高すぎます。もっと安価で良質な住宅が必要です。
元データはこちら↓。先ほどのグラフの数値も元データには載っています。