なるほど確かに「ど真ん中への超変化球」

読売日響第498回定期演奏会(2010年11月29日)

ブルックナーばっかり聴いて、いささかヘロヘロ気味ですが、本日は読響の定期演奏会。指揮は、読響常任指揮者のシルヴァン・カンブルラン。プログラムは、かなり変わり種です。

  • ドビュッシー(コンスタン編曲):〈ペレアスとメリザンド〉交響曲
  • コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
  •  休憩
  • マーラー(ブリテン編曲):野の花々が私に語ること(原曲:交響曲第3番 第2楽章)
  • シューマン:交響曲第4番 ニ短調 op.120(第1稿)

ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」は、今年5月の新日フィルの定期演奏会で、コンサート・オペラ形式で聴いたことがありますが、そのときは茫洋としてつかみどころがなく、何とも分かりかねていたのですが、それに比べると今日の演奏は印象がよりはっきりして、とてもよく分かりました。コンスタンの編曲で、全体が25分程度に短縮されたこともあるのでしょうが、同じように曖昧模糊とした世界観を見せながら、それでもずいぶんと親しみやすい印象をもちました。

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沖縄県知事選:伊波氏、仲井真氏を猛追したが惜敗…

沖縄県知事選挙、NHKが現職の仲井真氏に当確を出しました。開票率64%で、仲井真弘多214,409票(得票率51.7%) vs. 伊波洋一191,947票(同46.3%)。  

選挙開票速報 沖縄県知事選:NHK

伊波さんが当選しなかったのは残念ですが、現職の仲井真氏相手にここまで追い込んだのは非常に大きな成果。仲井真氏も、米軍基地の県外移設を公約にしなければ、勝てたとは限りません。ある意味で、沖縄の世論がそこまで基地維持派を追い詰めた、といえるのではないでしょうか。

伊波さん、沖縄の皆さん、お疲れさまでした。また明日から、新しいたたかいが始まります。がんばりましょう。

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嗚呼、王道のブルックナー スダーン×東響

東京交響楽団第28回川崎定期演奏会(2010年11月28日)

ブル8月間第3弾。スダーン指揮、東京交響楽団のブルックナー交響曲第8番をミューザ川崎で聴いてきました。

  • ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
  • ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WAB.108 (ノヴァーク版第2稿)

当初はチケット買ってなかったんですが、友人の「スダーンのがある意味いちばん本命かも知れない」という言葉に、ついチケットを買ってしまいました。(^_^;)

で、聴いてみたら、なるほど確かにこれがいちばん王道のブルックナー。東響の弦も美しく、第1ホルン、第1トランペット、第1トロンボーンを2人にして、金管もきれいにきらめいていました。

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小沢氏(陸山会)に旧新生党の政治資金3億7000万円―もとをたどれば国民の税金だぞ!!

小沢一郎・民主党元代表が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」が昨年7月、政治団体「改革フォーラム21」から3億7千万円の寄付を受け、それを小沢氏の資金管理団体「陸山会」に寄付していたことが判明。

問題が2点。

  1. 政治資金規正法は、政党や政治資金団体以外の政治団体が、同一の政治団体へ年間5000万円を超える寄付をしてはならないとしている。それをごまかすために、いったん民主党支部に寄付して、そこから陸山会へ資金動かしたのではないかという疑惑。
  2. 「改革フォーラム21」の資金は、旧新生党が解散したときに寄付したもの。それらの多くは政党助成金。もとをたどれば私たちの税金。それが新生党の政治資金→「改革フォーラム21」→民主党支部→陸山会と流れて、まんまと小沢氏の政治資金に化けてしまった。

こんなこと、許せますか?

小沢氏支部へ寄付3億7千万円、翌日に陸山会へ:読売新聞
小沢氏側に3億7千万円寄付 新生党資金の団体から:東京新聞

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沖縄返還を実現したのは世論の力

沖縄返還をめぐる外交文書が公開されました。NHKは、それをつたえるニュースの中で、当時の佐藤栄作首相が「政治主導」で返還を実現したと報道していますが、まったく読み違えもいいところ。

「懇談会」座長の大濱信泉・早稲田大学元総長が「強い線を打ち出さなければ、返還を求める過熱した世論は押さえられない」と語っているように、沖縄返還を求める国民多数の「世論」こそが返還を実現した一番の原動力です。そのことが、今回公開された外交文書でも確かめられたと言えます。

沖縄返還“政治主導”で実現:NHKニュース

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今週の「九条の会」(11月24日まで)

全国各地で草の根で活動している「九条の会」のニュースを、インターネットのなかから拾い集めています。

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北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃は許されない!!

北朝鮮が韓国・延坪島にたいしておこなった砲撃。これまでに、韓国軍人2人、民間人2人の死亡、民間人を含む負傷者が出ている。

確かに北方限界線(NLL)は、停戦ラインとは違って、国連軍(米軍)が一方的に設定したもので、北朝鮮側は認めていないとはいえ、延坪島が韓国側に属することは北朝鮮も休戦協定で認めてきた。そこへ突然砲撃を加えるのは、韓国側の軍事演習を「挑発」だと言っても、とても正当化できるものではない。

北朝鮮の国内的な事情や「意図」についてあれこれ論評するむきもあるが、大事なことは、こうした攻撃が許されないことだということで国際社会が足並みをそろえること。そして、この事態を平和的に解決すること。そういう立場で日本も役割を果たせるかどうかだ。

今回の事態について、日本共産党の志位和夫委員長が談話を発表。

北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃について 日本共産党幹部会委員長 志位和夫

北朝鮮に抗議するにせよ、国際社会にはたらきかけるにせよ、いずれにしても、日本政府が誰がどこから見ても北朝鮮の今回の砲撃は許されないという論立てをしっかりさせることが大切だ――志位委員長の談話を読み、あらためてそう思いました。

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これが公明党・創価学会の「言論出版妨害事件」での国会不破質問

読売新聞「時代の証言者」で、共産党・不破哲三氏のインタビューが連載されていますが、その第14回(11月20日付)で、1970年2月27日の衆議院予算委員会での初質問の話が紹介されています。

そこで不破さんが取り上げたのは、公明党・創価学会による「言論出版妨害事件」。不破さんは、「野党の公明党にかかわることなので、政府への質問としてどんな角度から取り上げるかは、なかなかの難問でした」と語っています。

それで、このときの不破さんの質疑を読んでみたいと思って、議事録をインターネットで検索してみました。国会議事録は、いまはインターネットで簡単に検索できます。とは言ってもちょいと面倒なので、関連部分をダウンロードしてPDFファイルにしてみました。380KBほどありますが、興味のある方はどうぞ。

1970年2月27日不破哲三衆議院予算委員会質疑から

議事録を読んでみると、不破さんがこの「難問」にどう取り組んだのかよく分かります。

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疲れました… チョン・ミョンフン×東フィル×ブル8

東京フィルハーモニー交響楽団第794回定期演奏会

ブル8月間第2弾。ということで、金曜日はサントリーホールへ。指揮はチョン・ミョンフン、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団。

ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 WBA.108(ノヴァーク版)

さて、演奏が始まって気がついたのですが、コントラバスがやたらに多い。僕の席(2階LD席)からはヴァイオリンの数がよく分からなかったのですが、20(18?)-18-16-14-12編成。サントリーホールのステージはいっぱいです。

そのせいかどうか分かりませんが、ともかく疲れました。これまでいろんなブルックナーを聴きましたが、こんなに疲れたのは初めてでした。

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教育費の負担が重すぎる――世帯年収の37%

教育ローンを利用している世帯が対象だから、初めから教育費の負担が大きいことは予想されることですが、それでも教育費が世帯年収の3分の1を超えているというのは、あまりに負担が重すぎます。

教育費、世帯年収の37% 負担割合、過去10年で最高:朝日新聞

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林基さんの訃報

本日新聞を眺めていたら、日本近世史の林基氏の訃報が出ていました。

林基さんと言えば、『百姓一揆の伝統』(1955年刊)と『続・百姓一揆の伝統』(1971年)が有名。最近は名前をお見かけすることもすっかりなくなっていて、正直なところ、訃報をみてまだご存命だったのかと驚いたほど。しかし、私が学生の頃は、まだまだ日本近世史の必読文献でした。ご冥福をお祈りします。

訃報:林基さん96歳=元専修大教授、日本近世史専攻:毎日新聞

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『剰余価値学説史』はどう読めばいいのか?

『剰余価値学説史』(「1861-63年草稿」の「剰余価値にかんする諸学説」部分)には何度か挑戦していますが、まったく歯が立ちません。(^_^;)

そもそもマルクスは、何を明らかにするためにこれを書いたのか? それを考える以前に、全体の組み立てさえよく分からない。そのまま闇雲に読み始めてみても、さっぱりつかめいない。

マルクスがここはこうだと見通しをもって書いている部分と、マルクス自身が経済学者の著作と格闘している探求的部分とがあるようだ。そこを区別しながら読み進むしかないのだろうか。

まず、全体の組み立てを整理しておこう。ということで、まず『資本論草稿集』(大月書店)の目次から。

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反水素原子の閉じ込めに成功

理化学研究所が、反陽子と陽電子からできた反水素原子を0.17秒のあいだ閉じ込めることに成功したというニュース。

反物質なんていうと、まるでSFの世界ですが、本来なら物質と反物質は同数だけ存在して、それらが全部対消滅してしまえば、宇宙に物質は存在しなかったはず…。それが、わずかな「対象性の破れ」から、物質が残り、現在の宇宙に至っている。そんな希有壮大な話が、実験的に確かめられるときが近づいたのかも知れません。

文系のオイラにはさっぱり分かりませんが。(^_^;)

「反物質」閉じ込めに成功 理研参加の国際チーム:共同通信

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大学生の就職内定率57.6%

大学生の10月1日現在の就職内定率が57.6%と、2003年の就職「超氷河期」60.2%を下回って、1996年の調査開始以来最低になった。この内定率は、就職希望者に占める内定者の割合。つまり、就職を希望する4年生の4割がまだ内定がもらえていない、ということだ。

2年前の10月1日現在の内定率は69.9%。今年度はそれより12%ほど低いことになる。2年前の最終的な内定率は95.7%だったので、このままだと今年度の最終的な就職率は83%ぐらいになってしまうのか?! だとすると、就職希望の学生6人に1人が就職できない計算になる。あまりに深刻…。

就職内定率:大学生57.6%「就職氷河期」下回る:毎日新聞

文部科学省の発表資料はこちら↓。
2010年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(10月1日現在)について:文部科学省

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一番分かりやすいニュース番組だったんですけどねぇ…

NHKの「週刊子どもニュース」が12月で終了することになりました。

僕もよく見ていましたが、子ども相手ということで、政治家の思惑がどうだとか、いわゆる「政局」にどんな影響を与えるかなど、余計なコメントが一切なし。そこが、わかりやすかった一番の理由だったんですが。

週刊こどもニュース終了へ 実はお年寄りに人気、衣替え:朝日新聞

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日刊スポーツ 赤旗まつり不破「科学の目」講座に注目!

「日刊スポーツ」2010年11月8日付「政界地獄耳」

「日刊スポーツ」2010年11月8日付

すでにあちこちのブログで取り上げられて、いささか旧聞に属することになってしまいましたが、11月8日付の「日刊スポーツ」が、「政界地獄耳」というコラムで、赤旗まつりでの日本共産党の不破哲三前議長(元衆議院議員)の講演に注目しています。

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「はやぶさ」の微粒子はイトカワのものだった!!

60億キロを旅して、昨年、地球に帰還した「はやぶさ」。カプセル内から見つかった微粒子が小惑星イトカワのものであることが判明しました。おめでとうございます。ヽ(^o^)/

100分の1ミリ以下の微粒子ばかりとはいえ、これまで人類が持ち帰った地球外物質は月の石だけ、ということを考えれば、これがどれほど画期的な大発見かということが分かるでしょう。

イトカワの石と断定 「はやぶさ」持ち帰りの微粒子:中日新聞
小惑星探査機:はやぶさ採取「イトカワ微粒子」 人類に巨大な一歩:毎日新聞

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