高関健氏が、約20年ぶりの日フィル定期演奏会でブルックナー交響曲第8番を振る、ということで、仕事が終わると一目散にサントリーホールへ。
会場に入ってみると、オケは対抗配置で、左手にコントラバスが陣取り、ホルンは右側へ。しかし演奏が始まってみると、これが作品にぴったりに思えてきました。
プログラムに載っていた高関氏へのインタビューによれば、ブルックナーは、作曲するさい、「先に曲の構成を決め、和声進行もほぼ決定、フレーズの長さを表す小節数まで書き込んだのちに五線譜に音符を書き始めた」そうな。音楽は聴くばっかりで、楽器の演奏もできなければ譜面も読めないオイラにはさっぱり分かりませんが、それでも、まず曲の構成、和声、フレーズの長さが決まって、そのあと音階を決めていくなんていうことが可能なのかと思ってしまいますが、あのがっちりした構造を考えると、なるほどと思いました。
本日の高関さんの指揮では、この構造がしっかりと再構築されていました。テンポは抑えめなのですが、それで曲が重くなることはなく、さらにこれまた抑え気味ながら金管楽器の華やかなコラールと、これが日フィルかと思うほどの繊細かつ力強い弦。スクロヴァチェフスキよりも、はるかにがっちりしたブルックナーで、もうただただ聞き惚れるばかりの見事な演奏でした。