すでにあちこちのブログで取り上げられて、いささか旧聞に属することになってしまいましたが、11月8日付の「日刊スポーツ」が、「政界地獄耳」というコラムで、赤旗まつりでの日本共産党の不破哲三前議長(元衆議院議員)の講演に注目しています。
コラムニストが注目したのは、まず第1に、日本共産党の赤旗まつりが、他の政党のイベントに比べて規模が非常に大きいこと。そして、不破さんの「科学の目」講座にいっぱいの聴衆が詰めかけたこと。しかし、一番の理由は、自民党から民主党へ政権交代しても、不破さんの政権批判が的確で厳しいこと。
日刊スポーツのホームページを見ても出てこないので、貼り付けておきます。
【政界地獄耳】
「国益守る度量ない」健在不破節
[日刊スポーツ 2010年11月8日]
★政党にはさまざまな方法で党勢拡大を図るイベントがあるが、これほどの規模の政党イベントにはなかなかお目にかかれない。関係者によれば「選挙やら何やらで、実に4年ぶりに開かれた」という日本共産党の「赤旗祭り」だ。会場には全国の物産模擬店が名産品や、名物の食材を販売。毎回大勢の人が楽しみにしているといい、秋晴れの6、7日に都内の夢の島公園で開かれた。今回で第40回を迎えるというのも、歴史ある政党ならではだろう。
★7日の午前には長年同党を率いてきた不破哲三の「『科学の目』で日本の歴史を読む」という講演会が同会場で開かれた。不破は03年には衆院議員を引退しているが、06年に党議長も退任。現在は党シンクタンク・社会科学研究所長が肩書だ。しかし会場には立ち見どころか、いすがなくなると床に座り込んで聞き入る観客が押し寄せる。大人気である。
★その講演の中身は政権に対してもなかなか辛らつであった。戦前からある同党は一貫して主張、党名など変えずに不屈の精神でやってきた。しかし、たくさんの政党が戦争を前に大政翼賛会に加わり、戦後反省なく党名を変えて何事もなかったようにやっているとの解説の後、菅内閣に話が及ぶと「自民党と変わらない。自民党の土俵の延長線上に政治があると同時に、党の綱領がないというより、憲法、経済政策など考えの違う人たちが集まっていてバラバラ。これでは作りようがない」と指摘。「政権運営1年2カ月の間に例えば八ツ場ダム開発中止ですら、大臣が変わると政策も変わる」と示し「菅外交には国益を守る度量と確信がない。尖閣では中国に対して自民党以来、正面切って日本の領土だと言ったことは1度もない。あとは廊下で立ち話ではしようがない」とばっさり。物腰は柔らかだが、政権批判は的確で厳しい。明快な不破節は健在だ。(K)
不破さんの講演要旨は、こちらからどうぞ。