昨日、今日とオペラシティで、パーヴォ・ヤルヴィ&カンマーフィルのシューマン交響曲全曲演奏会を聴いてきました。
まず3日のプログラム。
- シューマン:序曲、スケルツォとフィナーレ op.52
- シューマン:交響曲第4番 ニ短調 op.120
- シューマン:交響曲第1番 変ロ長調 op.38 《春》
4日のプログラムはこちら。
- シューマン:《マンフレッド》序曲 op.115
- シューマン:交響曲第2番 ハ長調 op.61
- シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 op.97 《ライン》
4曲の中で一番よかったのは、やっぱり初日の第4番。先日、カンブルラン×読響で同曲の「第1稿」を聴きましたが、今回はいわゆる改訂稿。重苦しさと軽やかさとがないまぜになって立ち上ってくるシューマン独特の香りが、実に見事に伝わってきました。
カンマーフィルの編成は 8-6-4-6-3?。先日、NHKホールでベートーヴェンの交響曲第5番他を聴いたときは、ホールがでかすぎたうえに、2階席のいちばん後ろから3列目という席の悪さもあって、まったく音が伝わってこず、がっかりでした。しかし、タケミツメモリアルは、このサイズのオケにぴったり。見事にそろった透明度の高い弦に、完璧な管。小編成だから、木管の音がきわだっています。パーヴォ・ヤルヴィの棒に合わせて変幻自在。もう、まったく文句のつけようがありません。
今日は、第2番がお見事でした。これは、演奏の差というより、作品そのものの違い。第3番はよく演奏されますが、僕の好みとしては、もう少し「陰」がほしいところ。その点、2番はぴったりでした。だからといって第3番が悪かった訳ではなく、とくにホルンはお見事でした。音程はしっかり安定していて、朗々と響くのですが、音がちっとも濁らない。さすがです。
初日、アンコールはブラームス:ハンガリー舞曲第6番。本日はハンガリー舞曲第5番とシベリウス:悲しきワルツ op.44-1と2曲もアンコールがありました。スラブと北欧への「こだわり」は、エストニア出身のパーヴォ・ヤルヴィならでは。とくにハンガリー舞曲第5番は、激しく奏でたかと思うと、その合間、合間はねっとりと情感たっぷりな甘〜い甘〜い演奏でした。(^_^)v
ということで、パーヴォ・ヤルヴィの新CD、シューマン交響曲全曲集は買いですね。
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やっぱりいろんな人が聴きに来られていたんですねぇ〜 (^_^)v
【演奏会情報】
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/演奏:ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団/会場:東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル/開演:2010年12月3日 午後7時、2010年12月4日 午後3時