『賃金、価格および利潤』第6章を読んでみた

明日から始まる「連続教室」を前に、テキストのマルクス『賃金、価格および利潤』の第6章を読み返してみました。

第5章まではウェストン君のたわごとへの反論で、第6章から本格的な経済学の理論が始まる。これは、従来から言われていることです。

そこでマルクスが最初に提示する問題は、「商品の価値とは何か? それはどのようにして決定されるか?」というもの。そして、以下マルクスの説明が始まるのですが、僕は、この部分を、『資本論』第1部第1章第1節の説明を簡単に繰り返したものだと思って読んでいました。多くの方もそうだろうし、新日本出版社の古典選書版『賃労働と資本/賃金、価格および利潤』の125ページには、わざわざ「以下の叙述については、『資本論』第1巻第1章第1節参照」という訳注までついています ((この訳注が間違っているということではありません。この訳注から、『賃金、価格および利潤』を『資本論』第1章第1節の要約解説だと誤解されるとしたら、それが問題だということが言いたいだけです。誤解のないように、念のため。))。

しかし、つらつら読み返してみると、価値の社会的実体が労働であり、価値の大きさを決めるのは商品に体現された労働の量であることを明らかにした後で、マルクスは、次のような「質問」を取り上げていることに気づきました。

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