大相撲春場所の中止が決定。「とりあえず中止」なのかも知れないが、いったん中止すると、問題が解決しないと再開できない。大丈夫なんだろうか?
春場所中止で臨時の評議員会
[NHKニュース 2月6日 15時1分]
大相撲の八百長メール問題で、来月の春場所の中止を決めた日本相撲協会は、すべての親方や力士の代表を対象にした臨時の評議員会を開きました。
この問題では、メールなどで14人の力士や親方の名前が挙がっていて、相撲協会の調査に対して、元幕内、春日錦の竹縄親方と十両の千代白鵬、それに三段目の恵那司の3人が八百長への関与を認めています。相撲協会は、6日、東京・両国の国技館で臨時の理事会を開き、問題の全容解明には時間がかかり、来月の春場所は開催できる状況にないとして、春場所の中止を決めました。このあと、すべての親方や力士の代表を対象にした評議員会が開かれ、春場所の開催中止を決めた理事会の内容などについて説明が行われたものとみられます。国技館では、このあと放駒理事長が記者会見をして、内容を説明することにしています。
放駒理事長は、八百長について「過去にはいっさいなかった」と発言していたが、はたしてそれで通用するのだろうか。
昨日の「しんぶん赤旗」には、相撲評論家の三宅充さんが、「事実から目をそらすな」と題して、次のようなコメントを寄せている。
放駒理事長は八百長を「過去には一切なかった」といいましたが、そんなことはありません。
昔から大相撲と八百長は切れない関係にありました。たとえば、大正時代の相撲雑誌には八百長の記事がよく出ていました。当時、検査役だった入間川梶之助は「私は八百長をなくそうと努力しています」といい、大正10(1921)年夏場所には力の入っていない相撲を途中で引き分け、両力士を懲戒処分にしたこともありました。勝ち越した力士の番付を上げなかったこともあります。
「注射」をはじめ、「解かった」「イカを決める」「オヤジ」「コンニチハ相撲」など八百長を指す隠語は相撲界にはたくさんあります。多かったり少なかったりした時期があったとしても、八百長相撲は続いてきたと見るべきでしょう。
大相撲では、十両から陥落すると無給になります。家族がいれば新たな仕事先を探さないといけません。十両にとどまりたいがために、八百長に手を出すのでしょう。
八百長を防ぐには、協会が事実と向き合い、根絶にむけて改革を進めることです。同時に、取り組み上の工夫も必要です。番付が落ちる可能性のある力士と上がる可能性のある力士、負けたくない同士を中日以降にどんどん当てれば、双方必死になるでしょう。協会はいま八百長はないという前提に立っていますから、幕下と十両の対戦もごくわずかです。
また、八百長を生む背景には稽古不足もあると思います。巡業中の稽古量は昔の4分の1とも5分の1とも言われます。稽古をしっかりと積んだら、ばかばかしくて八百長なんてやらなくなりますよ。(「しんぶん赤旗」2月5日付)
「過去に一切なかった」/放駒理事長会見
[日刊スポーツ 2011年2月2日17時51分]
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日本相撲協会の放駒理事長(元大関魁傑)が2日午後5時33分から「現役力士の八百長メール」疑惑について、記者会見を行った。
冒頭でファン、関係者に謝罪した後に、「全力で解明を行い、ファンの皆さまに迅速にお伝えすべく、努力します。過去には一切無かったことで、新たに抱かれた問題と認識しています」と話した。
午後に行われた緊急理事会に呼び出された12人については「個別に確認を行ったが、現段階では結果、事実関係は突き止められなかったので、判明次第すぐに発表したい」と説明。
さらに「現段階では、大阪場所の開催については、何も決まっていない。場所も始まるので、その前には決着させたい。相撲界の根幹を揺るがす問題なので徹底的に調査する」と話し、約17分で会見を終えた。