日本経済新聞社の世論調査で、菅内閣の支持率が22%に。
民主党の支持率も22%に低下したが、自民党の支持率は28%で1月と変わらず、「民主批判の受け皿になりきれていない」という。衆議院解散・総選挙については、「できるだけ早く解散すべきだ」31%にたいし「急ぐ必要はない」34%でほぼ拮抗。世論はまだまだ揺れている。
菅内閣支持22%に下落 発足以来最低 本社世論調査:日本経済新聞
注目すべきは、消費税増税について。「賛成」46%対「反対」43%で、これまた拮抗している。これだけ消費税増税やむなしというキャンペーンがメディアでやられているのに、「反対」43%というのは非常に大きいといえる。
他方、強制起訴された小沢一郎氏については、「議員辞職すべきだ」の回答が52%と圧倒的。ここでは国民世論ははっきりしている。
菅内閣支持22%に下落 発足以来最低 本社世論調査
[日本経済新聞 2011/2/27 22:00]
自民支持、民主を6ポイント上回る
日本経済新聞社とテレビ東京が25〜27日に共同で実施した世論調査で、菅内閣の支持率は22%と、1月の前回調査から9ポイント下落した。昨年6月の内閣発足以来最も低く、鳩山内閣の退陣直前(昨年5月)の最低と並んだ。不支持率は7ポイント上昇し67%。菅直人首相の今後の対応は「衆院を解散すべきだ」が37%で最も多く「退陣も解散も必要はない」は36%。「退陣すべきだ」は17%だった。
民主党の支持率は3ポイント低下の22%で、2009年9月の政権交代後、最低になった。自民党は横ばいの28%で、両党の差は6ポイントに広がった。
民主支持層でも、内閣支持率は15ポイント下落の63%にとどまった。無党派層では不支持が8ポイント上昇し、76%に達した。
首相は今後 退陣すべき 衆院を解散すべき 退陣も解散もする必要はない 17% 37% 36%
民主党は衆院選マニフェストを 見直すべきだ 見直すべきではない 76% 16%
次の衆院解散・総選挙は できるだけ早く解散すべきだ 今年中に解散すべき 解散を急ぐ必要はない 31% 24% 34% 衆院解散・総選挙の時期は「できるだけ早く」が前回から7ポイント上昇して31%、「今年中」が24%だった。「解散を急ぐ必要はない」は34%。自民支持層では「できるだけ早く」が46%、「今年中」が28%で、無党派層ではそれぞれ27%、28%だった。
菅内閣を支持する理由(複数回答)で多かったのは「民主党中心の内閣だから」の34%と「人柄が信頼できる」の32%。支持しない理由(同)は「指導力がない」が55%、「安定感がない」が46%、「政府や党の運営の仕方が悪い」が45%。次期衆院選の投票先では自民が25%で、民主が20%、みんなの党が11%、公明党が5%と続いた。
調査は日経リサーチが全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式により電話で実施した。有権者のいる1467世帯から897件の回答を得た。回答率は61.1%。
二大政党離れ進む 民主支持低下22%、無党派拡大24%
[日本経済新聞 2011/2/28朝刊]
望ましい政権「大連立」37%
日本経済新聞社の世論調査で、菅直人首相の政権運営や民主党内の対立に一段と厳しい目が向いていることが鮮明になった。小沢一郎元代表に近い衆院議員16人の会派離脱表明や、松木謙公前農林水産政務官の辞任などが支持率低下に拍車をかけている。ただ自民党への支持も伸びる気配がない。無党派層がじわじわと拡大し、民主支持率を上回った。
民主支持率は首相が党代表戦で再選を果たした昨年9月に持ち直した後、5カ月連続で下がり、政権交代後最低の22%になった。自民支持率も28%で、3カ月連続で横ばい。自民は1月調査で民主を逆転したが、民主批判の受け皿になりきれていない。
「支持政党なし」の無党派層は24%を占め、1月の前回調査から2ポイント上昇した。鳩山政権末期の昨年5月の調査に並ぶ水準まで拡大しており、二大政党離れが進んでいるといえる。
今後の望ましい政権の枠組みを聞いたところ「民主・自民両党の大連立」が37%でトップだった。「自民中心の政権」が19%で、「民主中心の政権」は13%にとどまった。
2008〜09年の麻生政権下の調査では、大連立を求める声が40〜50%台で推移していた。衆参両院の多数派が異なる国会で、11年度予算の関連法案は成立のめどが立たないまま。政治の安定を求める声が強いことが分かる。
無党派層に限ると、47%が大連立が望ましいと答えた。民主支持層は「民主中心の政権」が41%で最も多いが「大連立」を35%が支持。自民支持層でも「自民中心の政権」が54%だが「大連立」も29%あった。
民主が近く着手する一昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)見直しに関しては、76%が「見直すべきだ」としており「見直すべきでない」は16%にとどまった。内閣支持層と無党派層のそれぞれ73%、民主支持層でも68%が「見直すべきだ」と回答している。自民支持層では82%が見直しを促している。
消費税率の引き上げについては「賛成」が46%で「反対」43%を上回った。主な質問と回答
(単位%、カッコ内は前回調査)
◆菅内閣を支持するか
・支持する 22(31)
・支持しない 67(60)
・いえない・わからない 10(9)
◆支持または好意を持つ政党は
・民主党 22(25)
・自民党 28(28)
・公明党 4(4)
・みんなの党 10(8)
・共産党 3(4)
・社民党 1(2)
・国民新党 0(0)
・たちあがれ日本 0(1)
・新党改革 0(0)
・新党日本 0(0)
・その他の政党 0(1)
・いえない・わからない 7(4)
(注)四捨五入したため合計が100%にならない場合がある小沢元代表「議員辞職を」52%
強制起訴され、民主党が党員資格停止処分を決めた小沢一郎元代表について、52%が「議員辞職をすべきだ」と答えた。「議員辞職せず、離党すべきだ」との回答は24%。「何もする必要はない」は16%にとどまった。1月の前回調査では、強制起訴後に「議員辞職すべきだ」が57%、「離党すべきだ」が22%だった。
民主支持層では43%が議員辞職、33%が離党と回答した。「何もする必要はない」は20%だった。無党派層では53%が議員辞職を、21%が離党を求めた。