東京電力福島第1原発。稼働中の1号機、2号機、3号機のコントロールが失われつつあるが、さらに停止中だった4、5、6号機でもトラブル発生。4号機は、使用済み核燃料プールの冷却水が沸騰して失われつつあるもよう。
使用済み核燃料には、炉内で生成したプルトニウムが含まれているので、もし爆発事故が起こって、プルトニウムが飛散することになったら、大変な事態になります。さらに、5号機、6号機についても、使用済み核燃料プールの冷却水の温度も、徐々にではあるけれど、上昇中らしい。5、6号機も4号機と同じように爆発事故を起こすかも知れない。
4号機、使用済み燃料損傷の恐れ 福島第1原発:共同通信
福島第一原発5号機、6号機も温度上昇―官房長官会見:日刊工業新聞
4号機、使用済み燃料損傷の恐れ 福島第1原発
[共同通信 2011/03/15 19:50]
東京電力は15日午後、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールの水が沸騰し、水位が低下している可能性があることを明らかにした。水位の確認はできず、注水作業もできていないという。使用済み核燃料が冷却されないと、燃料が損傷して放射性物質が漏れ出す恐れがある。
一方、枝野幸男官房長官は、15日朝に火災があった4号機について「高い濃度の放射性物質は継続的に出ていない可能性がある」と述べた。
4号機16 件の原子炉建屋では同日午前6時15分ごろ、爆発音がし、壁に8メートル四方の穴が二つ開いているのを作業員が確認した。同9時半すぎには火災が発生し、穴から煙が出ていた。水面から露出した使用済み燃料が水蒸気と反応して水素が発生し、爆発した可能性について東電は「否定できない」としている。
東電によると、地震の影響でプールの冷却機能が停止し、給水もできていないという。水温は14日午前4時の時点で84度まで上昇していた。通常40〜50度という。
地震発生時に4号機16 件と同様に定期検査で停止していた5、6号機のプールの水温も若干上昇しているとしている。
枝野長官は記者会見で、3号機付近で15日午前に測定された毎時400ミリシーベルトの高い放射線量は、14日に水素爆発した3号機の建物の残骸が影響した可能性を指摘した。
経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発1〜3号機では、原子炉への海水の注入を続けているが、水位の上昇ペースは遅く、約4メートルの核燃料が半分程度、水面から露出しているという。
福島第一原発5号機、6号機も温度上昇―官房長官会見
[日刊工業新聞 2011年03月15日 17時30分]
枝野幸男官房長官は15日16時20分過ぎの会見で、福島第一原子力発電所で運転停止中の5号機・6号機でも「温度が若干上昇している」ことを明らかにした。いずれも使用済みを含めて放射性物質がある。同長官はこれについて「留意して見ていかねばならないが、予防的措置を検討していると聞いている」と説明した。
第一原発の正門付近では同日9時、普通に生活していて1年間に受ける量に匹敵する毎時1万1939マイクロシーベルトという高いレベルの放射線量を観測。それが12時30分には1362マイクロシーベルト、直近の15時30分には596.4マイクロシーベルトまで下がり、「平常よりは高いものの、人体に影響を与えない値に下がっている」(同長官)という。
一方、水素爆発から火災を起こした4号機は外見上、鎮火したものと見られる。10時22分の段階では4号機付近で100ミリシーベルトと格段に高い放射線量が観測されたが、その後の分析により、高い値になったのは「昨日の建屋の崩壊によって生じたがれきのせいではないか」との見方を示した。正門付近の値が下がってきているため、「4号機から継続的に大量の放射性物質が出ている状況ではない」とした。