屋内退避圏の病院で薬不足などから2人死亡…

福島第1原発の事故で屋内退避の指示の出ている南相馬市の病院で、点滴薬がなくなるなどして2人の患者が死亡したそうです。屋内退避の地域であっても、入院中の方や妊産婦、乳幼児などは、まっさきに圏外に避難させるのが当然でしょう。

「先進国」日本で、なんでこんなことが起こるんでしょうか。

薬不足などで病院で2人死亡:NHKニュース

薬不足などで病院で2人死亡

[NHKニュース 3月18日 13時37分]

 福島県の福島第一原子力発電所から25キロの距離にあり、屋内退避の指示が出ている南相馬市の病院では、点滴薬が底をつくなどして十分な治療を受けられずに、少なくとも2人が死亡し、病院は早急な支援を求めています。
 福島県の福島第一原発から25キロの距離にある南相馬市の青空会大町病院には、お年寄りの患者を中心に180人が入院しています。屋内待避の指示が出た今月15日以降、病院には医薬品が運ばれてこなくなり、重症の患者に必要な点滴薬などが相次いで底をつきました。この影響で、肝硬変の患者が脱水症状から多臓器不全に陥り、17日に死亡するなど、これまでに少なくとも2人が十分な治療を受けられず、死亡したということです。さらに、食料も明日の朝食の分までしか残っていないということです。
 病院では、県や市と相談して患者をほかの地域に搬送することにしていますが、すべての患者の移動を終えるには1週間程度かかるのではないかということです。それまでの間、市からは乾パンなどの非常食が配られることになったものの、そのままでは食べられない患者が多く、お湯に溶かして口に運ぶなどの介助が必要ですが、本来198人いる医師と看護スタッフのうち、今、病院に残っているのは17人だけで、対応は限界にきているということです。
 青空会大町病院の猪又義光院長は「にっちもさっちもいかず、このままでは患者が次々に死んでしまう。目の前の患者に何もできない。医師としてこんな悪夢はない。患者が転院先で困らないよう、一人一人の症状や必要な薬などの情報をまとめた紹介状を書いているが、主治医が避難してしまった患者もいて大変だ。とにかく、人手と医薬品がほしい」と訴えています。

しかも、問題はすでに昨日のうちからニュースで報道されていました。屋内退避を指示した政府は、この1日、いったい何をやっていたのでしょうか。政府は、いますぐ必要な医療物資を積んで、この病院に車を向かわせてください。そして、同じように窮地に追いやられた病院や介護施設などがないかどうかただちに調べて、患者や入所高齢者をすぐに圏外へ待避させる手立てを講じるべきです。

屋内退避の病院 深刻な事態に:NHKニュース

屋内退避の病院 深刻な事態に

[NHKニュース 3月17日 20時53分]

 福島県の福島第一原子力発電所から25キロの距離にあり、屋内退避の指示が出ている南相馬市の病院では、19日患者の食事を作る業者が営業を止めるため、180人いる入院患者を移動させなければならなくなっていますが、全員の受け入れ先が確保できるのか見通しの立たない事態となっています。
 福島県の福島第一原発から25キロの距離にある南相馬市の青空会大町病院には、お年寄りの患者を中心に180人が入院しています。屋内退避の指示が出た今月15日以降、病院には、医薬品が運ばれてこなくなり、食事のできないお年寄りが生命を維持するのに必要な栄養剤があと3日分となったほか、てんかんの薬や高血圧の薬も底をつきました。さらに入院患者の食事を作っていた業者が営業を止めるため、19日からは、食事を確保できなくなることが分かりました。このため病院では、移動させると命に関わるおそれもある重症の患者を含め、入院患者全員を別の病院に移す決断をしましたが、全員の受け入れ先が確保できるか見通しの立たない事態となっています。
 大町病院の猪又義光院長は、「原発で、まさかこんなことになるとは思ってもみなかった。患者にしわ寄せがいき、じくじたる思いでいっぱいだ」と話しています。

県や市が対応すべきだなどという逃げ口上は許されません。政府が屋内退避を指示したのですから、政府が、この結果に責任をとらなければなりません。

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