国際原子力機関IAEAが、福島県飯館村の土壌から、IAEA基準のおよそ2倍にあたる1平方メートルあたり2メガベクレルの放射線を観測したと発表。同村は一部が20〜30kmの屋内退避地域に含まれるが、放射線が観測されたのは福島第1原発から約40kmの地点だそうだ。
飯舘村でIAEA基準超える放射性物質、避難区域の拡大圧力も:Reuters
福島・飯舘村、IAEA避難基準超す数値:TBS News-i
飯舘村でIAEA基準超える放射性物質、避難区域の拡大圧力も
[ロイター 2011年 03月 31日 08:57 JST]
[ウィーン 30日 ロイター] 国際原子力機関(IAEA)は30日、事故を起こした福島第1原子力発電所から40キロの村で、避難基準を超える放射性物質が観測されたことを明らかにした。
この調査結果により、福島第1原発の20キロ圏内を超える範囲に立入禁止区域を広げるよう日本政府に求める圧力が強まる可能性がある。
IAEAのフローリー事務次長は、記者会見で「最初の評価は、(福島県)飯舘村でIAEAの避難基準を超えたことを示している」と語った。
また「われわれは注意深い状況判断を行うよう(日本に)勧告し、日本はすでに評価中であることを示唆している」と述べた。
国際環境保護団体グリーンピースは今週、福島第1原発の北西約40キロにある飯舘村の放射線レベルが避難に値するほど高いことを確認したと明らかにしていたが、日本の原子力安全当局は28日、同団体の避難区域拡大要請をはねつけた。
IAEAはまた、日本から輸入したキャベツに国際貿易推奨基準を超える放射性ヨウ素が含まれていたとの報告をシンガポールから受けたことを明らかにした。
IAEAに出向している国連食品当局のデビッド・バイロン氏は、推奨基準は1キロ当たり100ベクレルだが、シンガポールのサンプルの1つからは基準の最大9倍のヨウ素が見つかったとし、「他のサンプルも(これほどではないが)基準を超えている」と述べた。
IAEAの天野之弥事務局長は、事態収拾に向けた当局の取り組み強化にもかかわらず福島原発の状況は依然として深刻との認識を示した。
その上で、日本当局はさらなる困難に直面しているが、いくつかの成果もあったとし、6月20―24日にウィーンで開催する原発の安全性強化を目指す閣僚級会合にIAEA加盟151カ国を招いたことを明らかにした。
同事務局長は「前向きな会合になるだろう」と語った。
フローリー事務次長は、原発の状況が悪化する可能性について、「再臨界」の可能性があるとの見方が出ており、そうなれば放射線漏れが拡大する恐れがあるが、「致命的な事態」にはならないだろうとし、「再臨界は原子炉が爆発することを意味しているのではない」と語った。
福島・飯舘村、IAEA避難基準超す数値
最終更新:2011年3月31日(木) 6時47分
福島第一原発の事故に伴う避難指示が出ていない福島県の飯舘村について、IAEA=国際原子力機関は「独自に定める避難基準を超える放射性物質を土壌から観測した」として、日本政府に状況を注視するよう促したことを明らかにしました。
IAEAは18日から26日まで、各地で土壌に含まれる放射性物質の調査を行いました。その結果、福島第一原発の北西およそ40キロにある飯舘村で、「IAEAが独自に定める避難基準を超える放射性物質を観測した」として、日本政府に状況を注視するよう促したということです。
AP通信によりますと、IAEAの高官は飯舘村での測定値が「1平方メートルあたり2メガベクレル」で、「IAEAの基準のおよそ2倍にあたる」と話しているということです。飯舘村は一部が屋内退避の対象になっていますが、避難指示は出されていません。(31日05:21)
IAEAが毎日おこなっている福島原発事故にかんするブリーフィングは、こちら↓で読めるが、これは昨日までのもの。
Fukushima Nuclear Accident Update Log : IAEA
「現状」については、「状況は引き続き非常に深刻である the situation remains very serious」としている。