東日本大地震と福島原発の被害地域では、警察や消防署のみなさんとともに、自衛隊員のみなさんが活動されています。非常に過酷な条件のもとで、救援・救済のために、あるいは事故の収束のために黙々と活動される方々には、心からの敬意を表したいと思います。
そんななかで、こんな事件が報じられていました。「なんだ! こんなやつ」と思われるかも知れませんが、放射線の危険性について科学的な知見がなければ、原発事故被害地域から逃げ出したくなるのは当然ではないでしょうか。また、行方不明者の捜索も、あまりに痛ましい現実に日々むきあわなければなりません。
「文句を言うな、ともかく仕事をしろ!」と押さえつけるだけでは、けっして問題は解決しません。
東日本大震災:2度の窃盗容疑、自衛官懲戒免職 災害派遣の福島で:毎日新聞
自衛官、被災地派遣直前「行きたくない」と犯罪:読売新聞
東日本大震災:2度の窃盗容疑、自衛官懲戒免職 災害派遣の福島で
[毎日新聞 2011年4月20日 東京朝刊]
陸上自衛隊練馬駐屯地(東京)は19日、福島第1原発事故で災害派遣された郡山駐屯地(福島県郡山市)からトラックを盗んで逃げたとして、第1特殊武器防護隊の3等陸曹、前床祥一郎容疑者(32)を懲戒免職にしたと発表した。3月20日に窃盗容疑で陸自の警務隊に逮捕されていた。前床容疑者は、放射性物質の除染作業を行う部隊の連絡係で「原発事故に対する恐怖心からパニックになって逃げた」と供述しているという。
陸自によると、逮捕容疑は派遣翌日の3月14日午後10時ごろ、陸自のトラックを盗んだとされる。前床容疑者はさらに、福島県内で民間の乗用車を盗んで逃走。同19日夕、同防護隊に連絡してJR池袋駅(東京都豊島区)近くで保護され、翌日逮捕された。「テレビ報道で自衛隊の活動を見て、部隊に戻らなければいけないと連絡した」などと説明しているという。今月10日には、民間の乗用車を盗んだ容疑でも再逮捕された。【鈴木泰広】
自衛官、被災地派遣直前「行きたくない」と犯罪
[2011年4月21日09時26分 読売新聞]
神奈川県警港南署は20日、海上自衛隊第2潜水隊群所属の潜水艦救難母艦「ちよだ」乗組員で3等海曹の神山仁容疑者(31)(横浜市港南区日野中央)を公然わいせつ容疑で現行犯逮捕した。
発表によると、神山容疑者は同日午後1時5分頃、同区港南中央通のレンタルビデオ店内で、下半身を露出した疑い。
同署幹部などによると、神山容疑者はこれまでに2度、東日本大震災の被災地に派遣され、海上での行方不明者捜索にあたったといい、近く、また派遣される予定だった。神山容疑者は調べに対し、「被災地に行きたくないという気持ちもあった。被災地での活動は過酷で、ストレスがたまっていた」などと供述しているという。