タメスティのヴィオラはお見事

新日本フィル第477回定期演奏会

先週木曜日、サントリーホールで聴いてきた新日本フィルの定期演奏会。

  • ヒンデミット:葬送音楽
  • クルターク:断章――ヴィオラと管弦楽のための
  • ブラームス:運命の歌
  • シューマン:交響曲第2番 ハ長調 op.61

3月の定期は震災で聴けず、4月は演奏会がなかったので、新日本フィルの定期は3カ月ぶり。会場でも、「お宅はどうでした?」「あの日は歩いて帰りまして」とお客さん同士の会話が聞こえていた。当日、歩いてすみだトリフォニーまで出かけて、演奏会を聴いてきたという“強者”もおられた。

ということで、予定されたプログラムに先だってヒンデミットの「葬送音楽」が震災の犠牲者に捧げられた。

この曲と2曲目のクルタークの「断章」(日本初演)でソロをつとめたタメスティのヴィオラは、お見事の一言に尽きる。非常に透明度の高い音をしっとりと響かせて、情感たっぷりのすばらしい演奏。こんなクリアなヴィオラの音色は初めてだった。

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政府発表「信頼できない」80%、原発「減らすべき+なくすべき」61%

産経新聞とFNNの世論調査で、福島第一原発事故にかんする政府発表が「信頼できない」の回答が80%、東京電力の対応や発表が「適切でない」との回答が85%をしめた。内閣支持率は30%。内閣不信任案の提出については、「理解できる」45.6%、「理解できない」47.1%と拮抗している。

原発依存のエネルギー政策の継続・推進をねらう産経新聞は「脱原発は1割止まり」と報じているが、実際には「減らすべきだ」48.9%(4月調査より15.6ポイント増)、「すべてなくすべきだ」12.6%(同2.1ポイント増)で合わせると61%が原発政策の転換を求めている。

【世論調査】政府の原発発表、「信頼できない」80%:MSN産経ニュース
【世論調査】脱原発は1割止まり 自然エネルギーへの期待は大:MSN産経ニュース

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東電には原発の運転・管理の資格なし

東京電力の社員2人が250ミリシーベルトという、今回の福島原発事故で引き上げられた年間被曝線量の限度を超える放射線を被曝している可能性が高いことが明らかに。

原発事故収束のために働いているみなさんには、本当に心からの敬意を表わしたいが、東京電力は、地下に溜まった汚染水を確認せず、作業員を突っ込ませて被曝させたり、線量計なしで現場作業をさせたり、重要免震棟で働いていた女性の被曝線量が限度を超えていたことがあとで分かって慌てて退去させたり、ともかく失態続き。もはや労働者の安全管理をおこなう資格も能力もないことは明白。かりに原子力発電が必要だとしても、東京電力には、原発の運転・管理をやってほしくないし、やらせてはいけないのではなかろうか。

東電社員2人、線量限度超え被曝した可能性:読売新聞
福島第1原発:被ばく量は数百ミリシーベルトか 東電社員:毎日新聞
被ばく検査 対象の40%以下:NHKニュース
入院の必要なしと診断=内部被ばくの東電社員2人―放医研:時事通信
福島第1原発:東電社員被ばく 甘い対策に現場は悲鳴:毎日新聞

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読み終わりました 『平城京の時代』

坂上康俊『平城京の時代』(岩波新書)

坂上康俊『平城京の時代』

岩波新書「シリーズ日本古代史」の4冊目。坂上康俊氏(九州大学教授)の『平城京の時代』です。

対象は、697年の文武天皇の即位からほぼ8世紀いっぱいぐらいまで。ということで、以前に紹介した講談社『天皇の歴史』第2巻『聖武天皇と仏都平城京』とほぼ同じ時期が対象になっています。

それでも、天皇中心の前書にくらべ、本書では、第2章「国家と社会の仕組み」や、第4章第3節「荘園と『富豪の輩』」などで、この時代の国家と社会を支えた庶民の姿が取り上げられていて、おもしろい。

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35年前の本ですが…

武谷三男編『原子力発電』(岩波新書)

武谷三男編『原子力発電』

こんどの事故で、初めて原発に不安を持った、原発についてもっと知らなければと思った方にも、おすすめの1冊です。

原子炉で生まれる「死の灰」(放射性廃棄物)とはどんなものか、原子力発電のしくみ、放射線被曝の影響、核燃料再処理やプルトニウム管理の難しさ、などなど、基本から1つ1つ取り上げて順々に説明されているので、読めば、原子力発電が「未完成の技術」をかかえた危険なものであることが必ず分かると思います。

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共産党 全国から続々被災地へ

共産党の全国各地の地方議員のみなさんや、地域の支部、地区の植民職員のみなさんが、救援物資をたずさえて、続々と被災地にボランティアに出かけています。1つ1つは、数人だったり、数日だったりしますが、それでも、全国各地の共産党が、被災地のそれぞれの地域を担当して、継続的な支援を予定しています。

「しんぶん赤旗」ではあんまり紹介されていませんが、議員のみなさんのブログから拾ってみました。

こちらは、23日から、福島県いわき、勿来にボランティアに出かけた神戸市の味口俊之市議のブログ。
味口としゆき 雑記帳 福島県へボランティア(1日目)
味口としゆき 雑記帳 福島県ボランティア2日目
味口としゆき 雑記帳 福島県ボランティア3日目
味口としゆき 雑記帳 福島県ボランティア最終日

東京・葛飾区の中村しんご区議ら11名は、第1次のボランティアとして、宮城県石巻にある日本共産党の東部地区委員会へ。
葛飾ボランティア第一次派遣 – こんにちは 中村しんごです

墨田地区委員会からは3人が第1次ボランティアとして、やはり石巻へ。
こんにちは 日本共産党墨田地区委員会です : 第1次ボランティア出発
こんにちは 日本共産党墨田地区委員会です : ボランティアが無事石巻から帰京

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「日刊スポーツ」 不破講義は「政治のなすべき役割がよく分かる」

「政界地獄耳」(「日刊スポーツ」2011年5月28日付)

「日刊スポーツ」2011年5月28日付

日本共産党の不破哲三・元委員長(元衆議院議員)が、今月10日におこなった原発問題の講義。こんどは、本日(5月28日)付の「日刊スポーツ」のコラム「政界地獄耳」が取り上げています。いわく――

「不破の話を聞いていると安全対策抜きでここに至ったことがよく分かる。何よりも現政府関係者たちは一読すべきだ。政治のなすべき役割がよく分かる」

と、かなり辛辣。

「日刊スポーツ」のサイトには載せられていないようですが、一読の値打ちありです。

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ノートパソコンが直りました

突然起動しなくなったノートパソコン。本日、無事、修理されてもどって参りました。ヽ(^o^)丿

修理報告書をみると、「メモリが接続不良のため挿し直しを行いました」とのこと。要するに、メモリがきちんと挿し込まれてなかった、というだけのことだったようです。(^_^;)

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被災地の声をなぜ一般紙は伝えないのか

25日、衆議院東日本大震災復興特別委員会で開かれた参考人質疑。青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県の商工業、農業、漁業団体の代表が、それぞれ政府に対して被災地の要望を切々と訴えました。

参考人となった方々の話は、こちらから動画↓で見ることができます。正直言って涙なくして聞くことができません。

2011年5月25日 (水):震災復興特別委員会:衆議院TV

「生乳の廃棄、ニワトリや乳用牛、肉用牛の死亡などの被害、農地や用水パイプライン、ライスセンターなどの共同利用施設が甚大な被害を受けた」(岩手県農業協同組合中央会の長澤壽一会長)、「大震災でお金があってもモノが買えない状態が発生した。(食料)自給率を上げることが必要だ。TPP参加は絶対にやめてほしい」(青森県農業組合中央会の工藤信会長)、「村井君(宮城県知事)が、国でやるの、会社を入れるの、と言い出している。水産を預かる我々さ話持ってこないで、なんでこそこそとやるのか」(宮城県漁業協同組合経営管理委員会・木村稔会長)、「会員業者の7割が事業を継続したいと願っている。思い切った手立てを」(岩手県商工会連合会・千葉庄悦会長)、「原発事故の収束がなければ農業の再生復興はありえない」「もとの大地にもどしてほしい」(福島県農業協同組合中央会・庄條徳一会長)など、共産党の「しんぶん赤旗」は、3面全体の3分の2を使って参考人の発言を詳しく紹介しています。

ところが、一般紙を見てみると、「朝日」「毎日」は記事なし。「読売」は1段12行、「日経」は、通常の活字より一回り小さい活字で1段10行のベタ記事。いちばん詳しく報道していたのは「東京新聞」ですが、それでも1段26行しかありません(共同通信の配信記事)。「産経新聞」は、インターネット(MSN産経ニュース)ではその共同通信配信記事を一部省略して流したものの、紙面には載せなかったようです。NHKは、ニュースでは取り上げたようですが、参考人質疑の国会中継はやっていません。

こんなことで、メディアの役割を果たせるんでしょうか?

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土壌の汚染除去―東京23区の2倍以上の面積で必要

東京電力の福島原発事故で、チェルノブイリ原発事故のさいに居住禁止になった区域と同レベルの土壌汚染地域が、福島県内600平方kmにわたっていることが分かったというニュース。

東日本大震災:福島第1原発事故 土壌汚染、県内600平方キロに――NUMO研究員:毎日新聞

600平方kmというと、ほぼ東京23区に匹敵する面積。そのほかに農業禁止となった区域と同じレベルの土壌汚染地域が700平方kmあって、あわせると1300平方kmになる。

先日の講義で、不破さんは、原子力発電は、<1>原子炉の構造がそもそも不安定、<2>使用済み核燃料の後始末ができない「未完成」で危険な技術と指摘したけれども、1300平方kmもの土壌の汚染除去が必要というのは、まさに放射性廃棄物の後始末ができないという原発の根本的欠陥が大規模に現われたものではないだろうか。

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注目される「日経」の論調

「いまさら、何を言う」という感じもしなくはないが、「日本経済新聞」におもしろい記事が載っていたので、貼り付けておこう。

1つは「大機小機」(5月24日付)。「東電問題を考える視点」と題して、金融機関に東電向け債権放棄を促す発言が政府首脳からでていることに異を唱えたコラムなのだが、そのなかで、コラム子は、民間電力会社に原子力発電という「国策遂行の役割を担わせた」のだから政府が責任をとるべきだという。つまり、税金を投入して東電を救済し、金融機関が債権放棄などせずにすむようにせよ、というわけだ。なるほど、さすが財界の新聞だけのことはある。

それでも、そのなかで、こんなことを認めざるを得なくなっている。

地震・津波などの自然災害に耐える安全対策、使用済み核燃料や廃炉などの恒久的で安全な処理・処分、不可抗力の大事故が起きた際の損害賠償への備え。こうした費用を織り込めば、原発は安上がりな電源ではなく、民間企業の手に負えるものでもない。

そう、「原発は安上がり」なんていうのは、まったくのデタラメだったのだ。そんなことは、原発建設に反対する人たちは、昔から主張していた。しかし、政府と東京電力と財界が、そんな意見にお構いなしに、そのデタラメを振りまき続けてきたのだ。「日本経済新聞」自身はどうだったのか? そのことを棚に上げて、いまごろ突然、「民間電力会社に国策遂行の役割を担わせた」政府の責任を言いつのってみても、なんの説得力もないではないか。

「原発は安上がり」というのは嘘だった。「日本経済新聞」がそのことを認めたという事実は、それでも記録しておくに値するかも知れない。

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買ってしまいました…(^_^;)

テンシュテット:マーラー交響曲全集

一昨日の読響×ヴロンスキーのマラ5の興奮冷めやらぬまま、ふらふらと新宿タワーレコードへ立ち寄り、つい、こんなものを見つけてしまいました。

クラウス・テンシュテット指揮のマーラー交響曲全集(ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)。CD16枚組で3,690円、1枚当たり230円という超お買い得…。(^_^;)

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専門編集委員も不破講義「明快」と

先日、「毎日新聞」の岩見隆夫氏が「出色」と評価した不破さんの原発事故講義。こんどは、今朝の「毎日新聞」コラム「水説」で、専門編集委員の潮田道夫氏が、雑誌『世界』6月号の柳澤桂子さんの論文とともに不破さんの講義にふれ、「明快」と感想を述べています。曰く――

「使用済み核燃料の最終処分問題を放置したまま原発の運転を続けた結果、高濃度放射性廃棄物が限界にまで積み上がっている。それが不破さんの憂慮するところ」
「原子力で発電を開始する以上、最終処理問題にケリをつけておくべきなのは言うまでもない」

潮田氏の結論もきわめて「明快」です。

水説:核のゴミ捨て場:毎日新聞

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こんなマラ5は初めて

ペトル・ヴロンスキー

ペトル・ヴロンスキー©木之下晃

昨夜はふたたび読響の定期演奏会で、冷たい雨の中、サントリーホールへ。指揮は、先週の名曲シリーズと同じくペトル・ヴロンスキー氏。ピアノは清水和音氏。

  • モーツァルト:ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 k.491
  • マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調

先週のドヴォルザーク・プログラムがとてもよかったので期待したのですが、前半のモーツァルトは、清水氏が非常に繊細にピアノを弾こうとしているのに、オケがどちらかというと出しゃばり気味で(いちおう10-8-6-4-3編成なんですが)、なんとも言いようのない、まとまりのなさ…。これでは、後半のマーラーが思いやられると、なかばあきらめておりました。

で、演奏が始まってみると、オケはバラバラ。こりゃ、あかん…と思ったほど。ところが、第1楽章の途中からオケがまとまってくると、これがなかなかの演奏で、ぐいぐい引き込まれてしまいました。

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読み終わりました 『オセロー』

松岡和子訳『オセロー』(ちくま文庫)

松岡和子訳『オセロー』(ちくま文庫)

松岡和子さんの翻訳によるシェイクスピアの『オセロー』。

去年、二期会のオペラで見たときは、オセローがなんであんなにあっさりとイアゴーの嘘を信じてしまうのか、とあきれてしまいましたが、あらためてシェイクスピアの原作を読んでみると、オセローがまんまとだまされてしまうという筋書きはその通りだけれど、「ムーア人」にたいする差別の問題や、女性の描き方、それに松岡さんが解説で指摘されているような、デズデモーナとオセローの「年の差」の問題などなど、いろいろ奥が深いなぁ〜と感心させられました。

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毎日・岩見隆夫氏、「出色」の不破講義に注目す

岩見隆夫「近聞遠見」(「毎日新聞」5月21日付)

先日の「綱領・古典の連続教室」でおこなわれた日本共産党の不破哲三・社研所長(元衆議院議員)の福島原発問題にかんする講義を、岩見隆夫氏が今朝の「毎日新聞」2面のコラムで取り上げています。「日本の原発について歴史的、体系的に振り返り、なにしろわかりやすい」、不破さんは「二十数年間、原発災害という同じテーマで質問し続けた唯一の政治家」、「原子力への理解を深めるためにも、不破講義の一読をおすすめしたい」と紹介しています。

近聞遠見:トイレなきマンション=岩見隆夫:毎日新聞

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ハンガリアン・プログラムでコバケン奮い立つ

日本フィルハーモニー交響楽団第630回定期演奏会

3月の定期演奏会は震災当日で聴けず、4月の定期演奏会はお休みしたので、日フィルの定期演奏会は1月以来。ほんとに久しぶりになってしまいました。コバケンこと小林研一郎氏の指揮で、こんなプログラム。

  • バルトーク:管弦楽のための協奏曲
  •  休憩
  • リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調
  • コダーイ:ガランタ舞曲
  • リスト:交響詩《レ・プレリュード》

ドイツ、オーストリアで活躍したリストも出身地はハンガリー。ということで、本日はハンガリー大使館の後援付きのオール・ハンガリアン・プログラムでした。

見事だったのは、コバケンがいつものようにコバケン・ワールドを爆裂されていたのに、日フィルの音がひび割れたり濁ったりせず、完成度の高い音を響かせ続けたこと。そして、リストのPf協にしても、プレリュードにしても、低音がしっかりと音楽全体を支える骨太の演奏を聴かせてくれたこと。日フィルが腕を上げたことを実感させる演奏会でした。

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これは見るべし! NHK-ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」

先日の日曜日夜に放送されたNHKのETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」。東京電力福島第一原発の事故直後から、自主的に現地に入って放射能汚染の実態を調査してきた木村真三さん(放射線医学研究所の元研究官)ら研究者たちを追ったドキュメンタリーです。

【ETV特集】「ネットワークでつくる放射能汚染地図―福島原発事故から2か月―」

ショックだったのは、20km圏外の浪江町赤宇木や飯舘村で高い放射線がでていることは、文科省のモニタリング調査でも分かっていたにもかかわらず、その事実が地元にはまったく伝えられていなかったこと。その間、赤宇木地区の集会所には、20km圏内から避難してきた人たちが避難生活をしていたのです。その人たちは、木村さんが放射線の実態を詳しく話して、ようやく3月30日に他所へ移ってゆきましたが、汚染の事実をつかみながら、「風評被害を招くから」という理由で、それを現地につたえない態度は犯罪的でもあります。

餌が届かなくなり、3万羽の鶏が餓死した養鶏農家の悔しさ、米作りをあきらめざるをえなかった農家の「もみにはなんの罪はない」という言葉、葉タバコの苗を「雑草だと思うしかない」と言って捨てる農家の言葉は、事故の被害の深刻さを実感させてくれます。

飯舘村では、京都大学と広島大学のチームが村内の汚染状況を調査。結果はかなり深刻で、研究者の「現実とは思えない」「いまここで起きている汚染を測定して記録する。そして歴史に残す。それが僕の仕事」という言葉がずっしり響きます。そこで無農薬・安全を売り物に米作りをしていた農家の悲嘆はあまりに大きいものがあります。

政府の発表をオウム返しにして、テレビでも「ただちに健康に影響はありません」と繰り返していたNHKですが、こうしたしっかりした番組づくりもやっていたのだと感心しました。

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いま、この日本で音楽を聴くことの喜び

都響第717回定期演奏会(2011年5月18日)

4月の定期公演を振り替えてもらって、今夜、上野・東京文化会館で都響の定期演奏会を聴いてきました。先週に続いて、インバルの指揮です。

  • プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ト短調 op.63
  • ブルックナー:交響曲第2番 ハ短調(ノヴァーク第2稿・1877年版)

いろいろと版にこだわるインバルですが、2番についてはスタンダードな第2稿にもとづいてこれまでも演奏。ということで、安心して音楽に身をゆだねることができました。(^_^;)

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どうして東電を残さなければならないのだろうか

東京電力の救済策に関連して、枝野官房長官が銀行の債権放棄を求める発言をしたのにたいして、金融界から反発が続いている。

しかし、あれだけの事故を起こし、損害賠償だけでも莫大な金額にのぼり、さらに福島第1原発の最終的な廃炉・解体処分までさらに何十年、いったいいくら費用がかかるか分かりもしない現状を考えれば、東京電力は事業継続は事実上不可能だろう。にもかかわらず、国から資金を出させて生きながらえさせて、自分たちの融資した資金を回収しようというのは、あまりに虫が良すぎる。株にせよ社債にせよ、それは「儲け」を期待しての経済行為。自分たちの予測が外れた以上、当然、投資した金は返ってこず、損をこうむる――それが資本主義というものだ。

「東京電力はつぶせない」なんていうことはない。電力供給は、新会社をつくって、そこに現在東電がもっている発電・送電施設を全部移せばいい。現在の東京電力の発行済み株式は、約16億株、時価総額6100億円。原発周辺の住民の方々がこうむった被害を考えれば、100%減資で資本家たる株主のみなさんがその程度の負担をしても当然ではないだろうか。

オフレコ発言が示す真実:東京新聞
クローズアップ2011:東電賠償枠組み決定 不透明な「国民負担回避」:毎日新聞
東証社長「東電は政府の会社ではない」 官房長官を批判:日本経済新聞

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