日本科学者会議が編集・発行する『日本の科学者』6月号が届きました。
緊急特集として「東日本大震災における原子力災害」が取り上げられています。特集の論文は、次の4つ。
- 清水修二:福島第一原発事故の影響――被災地からの現状報告
- 深尾正之:福島第一原発で何が起こったのか?
- 沢田昭二:放射線による内部被曝――福島原発事故に関連して
- 生井兵治:「安全神話」に根ざす事故対応体制の決定的欠如
編集後記によれば、4月2日の編集委員会で緊急特集を企画することが決まり、原稿依頼、執筆、校閲、原稿改訂までわずか8日間でまとめられた、とのこと。しかしそこまでして特集した値打ちのある企画です。
日本科学者会議は、人文・社会・自然科学の分野の違いを超えて、日本の科学の自主的・民主的発展につとめ、科学者の生活と権利をまもり、研究条件の向上と研究の組織・体制の民主化につとめ、学問研究と思想の自由をまもることを目的とした唯一の組織です。
研究者組織の機関誌ですが、研究者といえども専門分野以外については素人と同じ。特集の各論文は、専門的知見にもとづいて書かれていますが、一般読者でも十分分かる中身です。福島原発事故について、いったい何が起こっているのか? これからどうなるのか? 放射能の影響はどうかんがえたらよいのか? と思ってらっしゃるみなさんに、ぜひ一読をお勧めします。
『日本の科学者』は定価600円(税込み)、日本科学者会議の会員以外の方も、購読することができます。発売元・本の泉社(03-5800-8191)まで問い合わせるか、一般書店でも注文・取り寄せ可能です。