先週木曜日、サントリーホールで聴いてきた新日本フィルの定期演奏会。
- ヒンデミット:葬送音楽
- クルターク:断章――ヴィオラと管弦楽のための
- ブラームス:運命の歌
- シューマン:交響曲第2番 ハ長調 op.61
3月の定期は震災で聴けず、4月は演奏会がなかったので、新日本フィルの定期は3カ月ぶり。会場でも、「お宅はどうでした?」「あの日は歩いて帰りまして」とお客さん同士の会話が聞こえていた。当日、歩いてすみだトリフォニーまで出かけて、演奏会を聴いてきたという“強者”もおられた。
ということで、予定されたプログラムに先だってヒンデミットの「葬送音楽」が震災の犠牲者に捧げられた。
この曲と2曲目のクルタークの「断章」(日本初演)でソロをつとめたタメスティのヴィオラは、お見事の一言に尽きる。非常に透明度の高い音をしっとりと響かせて、情感たっぷりのすばらしい演奏。こんなクリアなヴィオラの音色は初めてだった。