読み終わりました 松岡『ハムレット』

松岡和子訳『ハムレット』(ちくま文庫)

松岡和子訳『ハムレット』(ちくま文庫)

読み終わってみると、やっぱり筋の通らないところがいろいろ。

亡霊はクローディアスに殺されたと言ったけれど、それ以外には、芝居を止めさせたことしか証拠はない。もしかすると、亡霊を含めて、ハムレットの妄想だったかも知れない。母ガトルードは、ハムレットが思い込んでいるように、クローディアスと一緒になって父王を毒殺したのか?

ほかにも、宰相ポロニアスの殺され方は、あまりに安直すぎないか。クローディアスは、あそこまでハムレットを殺すことにこだわるのなら、剣の試合などというもってまわったやり方などせずに、レアティーズに暗殺させればよいのに、どうしてあんな回りくどいやり方をしたのか。また、ルーマニアを攻めるためにデンマーク国内を通過させてほしいとノルウェー王子フォーティンブラスが求めてくるというのは、どう考えても、デンマークにたいする反乱の伏線のはず。しかし、この伏線は結局伏線のまま終わってしまう…。

狂人のふりをしたハムレットがクローディアスを殺して父王の復讐を遂げ、デンマーク王位を継ぎ、めでたくオフィリアと結婚するというのが、普通考えるストーリー。それを、結局みんな死んでしまうという結末にしたところが、シェイクスピアの天才の所以ということなんでしょうか。(^_^;)

ということで、次は『マクベス』にとっかかります。

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