自動車メーカーのスズキが、浜松市の本社をはじめとする生産・開発拠点を移転させることを明らかに。原発リスクを避けようという動きだ。
財界・大企業全体としては原発推進路線なのだが、個々の企業としては、自分のところが原発事故に巻き込まれる危険は避けたいもの。震災の影響で、数日、工場が止まるだけでも、トヨタなんかは世界中の工場が止まった。まして、自分の工場が避難区域に指定され、何年も使えなくなる可能性があるとすれば、企業としては放置できないだろう。
これはいってみれば、財界・大企業の「内部矛盾」にすぎないのだが、それでも原発リスクが経済の論理では管理できないことを示しているし、政府・電力会社が進めてきた「安全神話」にたいする大企業自身が突きつけた不信であるともいえる。