福島第一原発の汚水処理システムがうまく動かない問題。
読売新聞の記事によると、米キュリオン社製の装置が目標の20分の1程度しか動かないとのこと。塩水が混ざっていることが原因なのだそうだが、塩分除去装置が正常に動くためには、放射性物質の濃度が1万分の1程度に下がっていることが必要なのだとか。
要するに、放射性物質を除去するためには塩分濃度が下がっていなければならず、塩分濃度を下げるためには放射性物質の濃度が下がっていなければならない…。さて、この問題、どう解決したらよいのでしょうか。
米社装置の汚染水処理、目標のわずか20分の1
[2011年6月22日22時19分 読売新聞]
東京電力は22日、福島第一原子力発電所の汚染水処理システムで、米キュリオン社製の装置の処理能力が、当初目標の20分の1程度にとどまっていると発表した。
このままでは処理が追いつかず、汚染水の再利用ができなくなり、水があふれ出す恐れがある。東電は、汚染水をためている集中廃棄物処理施設地下の許容量を1500トン増やす方針だが、今後の降雨量によっては、11日程度と見られる満杯までの余裕が、さらに短くなる可能性もある。
東電によると、キュリオン社の装置は、真水の低濃度汚染水を処理した場合、目標とした約1000分の1以下まで濃度を下げることができたが、海水混じりの高濃度汚染水だと、50分の1程度に下げるのがやっとだった。
汚染水処理システムは、キュリオン社の装置、仏アレバ社の装置に塩分除去装置を組み合わせて、放射性物質と塩分を除く。汚染水を再利用するには塩分の除去が不可欠だが、塩分除去装置が正常に機能するには、放射性物質の濃度を1万分の1以下にする必要がある。アレバ社の装置の能力も400分の1程度と言われ、2社の装置を合わせても安定的に処理できるかどうかは不明。
これも、「原発は笑えない笑い話ばかりだ」シリーズの1つになりそうですねぇ。仏アレバ社の女性CEO、えらくかっこよく日本にやってきましたが、これまでのところ、余り順調には動いていないようです。ま、くだんの女性は先日、CEO再任を拒否されていましたが…。その原因が、日本にもちこんだ装置がうまく動かないからかどうかは不明です。