2号機に仮設した水位計が、結局作動せず、2号機の水位は計れなかったというニュース。いろんな出来事が毎日のように起こっていて、すっかり見逃していたけれど、そっか、2号機は水位が測れてなかったのね。
でもって、仮設の圧力計で測った結果、炉心は1.1気圧。ということで、圧力容器が損傷して格納容器とツーツーになっていることが判明した。
2号機 原子炉の水位計測が難航:NHKニュース
福島第1原発:2号機圧力容器の損傷裏づけ:毎日新聞
圧力容器が損傷している以上、放射性物質の一部は気体として外部に漏れ続けていると考えなければならない。また、圧力容器の中が1気圧であれば、おそらく水は存在しない。現在、毎時3.5立方mの注水がおこなわれているが、炉心温度が100度以上なら、当然、水は蒸発してしまうからだ。炉心の温度は不明だが、圧力容器下部で108度というから、100度以上であることは間違いない。文字どおり「焼け石に水」状態だろう。
2号機 原子炉の水位計測が難航
[NHKニュース 6月25日 12時8分]
東京電力福島第一原子力発電所2号機では、事故によって壊れた原子炉の水位計の代わりとなる仮設の装置が22日に設置されましたが、25日になってもうまく作動しておらず、安定的な冷却に欠かせない原子炉内の正確な水位や圧力が把握できない状態が続いています。
福島第一原発2号機では、原子炉内の水位を測る装置が事故で故障し、正確な値を示していないとみられています。このため、東京電力では22日に原子炉建屋に作業員を入れて、原子炉の水位や圧力を測る仮設の装置を取り付け、当初の計画では23日には正確なデータが明らかになるはずでした。ところが、25日になっても装置はうまく作動せず、東京電力では、装置の配管が通っている格納容器付近の温度が高すぎて、配管の中の水が蒸発してしまうのが原因とみています。福島第一原発では、1号機から3号機までで核燃料が溶け落ちるいわゆる「メルトダウン」が起きたとみられ、2号機の原子炉の中にほとんど水が入っていない可能性があります。安定的な冷却を行うためには、正確な水位の把握が欠かせないことから、東京電力では2号機に取り付けた装置の調整方法を検討していますが、具体的なめどは、まだ立っていないということです。
福島第1原発:2号機圧力容器の損傷裏づけ
[毎日新聞 2011年6月25日 11時39分]
東京電力は25日、福島第1原発2号機の原子炉圧力容器に新たに設置した圧力計で測定した結果、容器内部の圧力が大気圧とほぼ同じであることが分かったと発表した。事故直後に溶け落ちた核燃料によって容器に穴が開くなど損傷していることが裏付けられた。
1〜3号機は全電源を失った結果、冷却水の水位が下がって核燃料のほとんどが溶け、圧力容器の底にたまる状態(炉心溶融)になったとされる。
東電によると、2号機の圧力計は22日に設置した。25日午前5時現在の炉内の圧力は大気圧を約0.1気圧上回っているだけで、気体などが外部に漏れ出ている可能性が高いという。東電は今月3日、1号機にも新たな圧力計を設置し、大気圧とほぼ同じという結果を得ている。
一方、2号機に新たに設置した原子炉の水位計は調整に失敗し、測定が始められなかった。
また東電は、冷温停止中の5号機で、津波により故障していた「補助海水ポンプ」の修理が終わり、24日夕から運転を始めたと発表した。使用済み核燃料プールなどを冷やすためのポンプで、5号機ではこれまで別のポンプで原子炉とプールを12時間ずつ冷やしていたが、今後は両方を24時間冷やせるようになった。【関雄輔】