日本リサーチセンターが、原発事故にかんする世論調査の結果を発表。いろんな角度から原子力発電を利用することにたいする賛否を質問しているのが特徴。
- 「エネルギー供給源の1つとして、原子力発電を利用すること」については、賛成(「やや賛成である」を含む)29.8%にたいし反対(「やや反対である」)48.6%。
- 「電気料金の値上がりを避けるため、原子力発電を利用し続けること」については、賛成24.0% vs. 反対53.0%。
- 「以前より不便な生活を送ることを避けるため、原子力発電を利用し続けること」は、賛成20.8% vs. 反対54.6%。
- 「経済活動への悪影響を避けるため、原子力発電を利用し続けること」 賛成23.1% vs. 反対51.8%。
と、どの項目をとってみても、反対が賛成を大きく上回っている。「電気代が上がる」「経済活動が落ち込む」「生活が不便になる」など、どんな理由も、東京電力福島第一原発の事故を見れば、もはや通用しなくなったということだ。
さらにとどめは、「きちんと管理されていれば、原子力発電は安全なので、今後も利用すべきである」という質問にたいする回答だ。
調査レポート「東日本大震災」後の原発への賛否の時系列変化、及び節電関連商品購入についての全国世論調査」:日本リサーチセンター
賛成33.6%にたいして反対42.3%で、5月調査の賛成39.4%、反対36.1%から賛否が逆転したのだ。つまり、原子力発電というのは、かりに「きちんと管理」されていたとしても「危険だ」と思っている、あるいは「そもそも原発はきちんと管理できるはずがない」人が増えているということだ。共産党は、原子力発電の技術は「本質的に未完成で危険」と指摘しているが、そういう意見が広がってきているのだろう。
「福島第一原子力発電所の事故対応」については、94.2%が「心配である」「非常に心配である」と回答(まあ、いまの政府や東京電力の対応をみて「安心」できる人はまずいないだろうけど)。さらに、「原子力の安全性」については、91.4%の人が「心配である」「非常に心配である」と回答している。
調査方法は、全国の15?79歳の男女個人1200人を抽出、調査員による個別訪問留置き調査。調査期間は2011年6月1日〜 6月13日。