え〜っと、だんだん惰性になりつつありますが、松岡和子訳のシェイクスピア『マクベス』を読み終わりました。
魔女たちの予言に惑わされ、破滅へと向かうマクベス。どうとでもとれるような魔女の予言に、自分の望むものを見てしまう人間の弱さ。あるいは、優柔不断なマクベスが、柄にもなく大きなことをしでかそうとして、みずから招いた厄災でしょうか。
見せ場は、冒頭の魔女の予言の場面。それから、国王ダンカンを殺した直後のマクベスの「マクベスはもう眠れない!」の台詞が出てくる場面。そして最後のバーナムの森が動き出すところ、などでしょうか。
しかし、マクベスは王位を簒奪したあと、どうするつもりだったのでしょう? スコットランドの国王になろうという割に、自分が王位に就いたあとどうするのかという戦略、算段もなく、ただ自分の館にやってきた国王を殺してしまったのでは、とてもスコットランドを支配し続けることはできないでしょう。
お母ちゃん(マクベス夫人)も、旦那をたきつけた割には、すぐに精神的にまいってしまいます。
【書誌情報】
著者:シェークスピア/訳者:松岡和子/書名:マクベス(シェイクスピア全集3)/出版社:筑摩書房(ちくま文庫)/発行:1996年/定価:本体700円+税/ISBN978-4-480-03303-1