「毎日新聞」の世論調査。
「原子力発電に頼っている日本のエネルギー政策をどう思いますか」の問いに、「やむを得ない」30%にたいし、「原発は減らすべきだ」45%、「原発は全て廃止すべきだ」17%で、あわせると62%。また、定期検査で停止中の原発の運転再開については、「賛成」37%にたいし、「反対」51%と反対が過半数を占めた。
首相退陣時期「明確に」62% 「早く」44%、「来月」27%:毎日新聞
原発再開「反対」51% 電気料金上げ「容認」多数:毎日新聞
毎日新聞世論調査:首相退陣時期「明確に」62% 「早く」44%、「来月」27%
[毎日新聞 2011年7月4日 東京朝刊]
毎日新聞は2、3両日、全国世論調査を実施した。菅直人首相が退陣の意向を表明しながら、退陣時期を明言していないことについて「明確にすべきだ」との回答が62%に達し、「明確にする必要はない」(30%)を大きく上回った。菅首相の退陣時期については「できるだけ早くやめるべきだ」が44%。「8月中にやめるべきだ」(27%)と合わせると、早期退陣を求める回答が7割を超え、退陣時期を先送りする首相の政治姿勢への批判が強まっている。
◇内閣支持下落、再び19%
菅首相は退陣の条件として、(1)11年度第2次補正予算案(2)赤字国債を発行するための特例公債法案(3)再生可能エネルギー固定価格買い取り法案??の成立を挙げているが、具体的な退陣時期を示していない。「できるだけ長く続けてほしい」との回答が18%にとどまる一方、退陣時期を「明確にすべきだ」は民主党支持層でも52%に上り、支持政党なし層では63%に及んだ。
内閣支持率は19%で、6月の前回調査から5ポイント下落。不支持率は56%(前回比1ポイント減)でほぼ横ばいだった。支持率は菅内閣で過去最低だった今年2月の19%に並んだ。内閣支持率は東日本大震災後、5月に27%となるなど一時的に上昇していたが、「退陣間際」と指摘されていた震災前の水準に戻った。
自民党の浜田和幸参院議員を引き抜き、総務政務官に任命した人事をめぐっては、「適切でない」との回答が55%を占め、「適切だ」は31%にとどまった。参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」解消のため、国民新党の亀井静香代表らが仕掛けた引き抜き劇だったが、評価されていない。
民主党の支持率は13%(前回比2ポイント減)で政権交代後最低となり、安倍政権時代の07年2月の数字に並んだ。ただ、自民党の支持率も前回から1ポイント下落して16%にとどまっており、政権批判の受け皿になり切れていない。
一方、「支持政党はない」は54%に達し、97年に始めた現行の電話調査方式で最高を更新した。【田中成之】◇
東日本大震災による被害が大きかった岩手、宮城、福島3県の一部地域は、今回の調査対象に含まれておりません。
毎日新聞世論調査:原発再開「反対」51% 電気料金上げ「容認」多数
[毎日新聞 2011年7月4日 東京朝刊]
毎日新聞が2、3両日に行った全国世論調査では、定期検査のため停止している原発の運転再開に「反対」との回答が51%と半数を超え、「賛成」の37%を上回った。今夏以降の電力不足への懸念から、政府は「安全宣言」を出し、手始めに九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働を地元自治体に要請。しかし、東京電力福島第1原発事故の長期化に伴い、原発再稼働に対する世論の慎重論が高まっている。【松尾良】
◇復興増税「賛成」5ポイント増
原発の運転再開に関する賛否を男女別でみると、男性のうち、賛成と答えた人は51%を占め、反対(41%)を上回った。一方、女性で反対と答えた人は58%に達しており、賛成(27%)と大きく差が開いた。
風力や太陽光などの自然エネルギーの利用増に伴う「電気料金の値上がりを容認できるか」との質問には、「容認できる」が60%に上り、「できない」は31%にとどまった。運転停止中の原発の再開に「賛成」と答えた人の中でも、値上がり容認派が68%を占めた。
菅直人首相は退陣の「3条件」の一つに、自然エネルギーの普及に向けた再生可能エネルギー固定価格買い取り法案の成立を掲げている。経済界には電力料金値上げによるコスト増に懸念もあるが、今回の調査結果からは当面の原発再稼働への賛否にかかわらず、将来の脱原発と自然エネルギーへの転換が必要との意識がうかがえる。
ただ、原発運転再開に反対する人のうち、菅内閣を「支持する」のは18%どまり。自然エネルギー利用増による電気料金の値上がり容認派でも、内閣支持率は22%にすぎず、世論の「脱原発」志向は菅首相への支持に直結していない。
電力の約3割を原発に依存してきた日本のエネルギー政策を巡っては、4、5両月と同じ設問で調査した。「原発は減らすべきだ」は5月調査に比べ2ポイント減の45%。「原発は全て廃止すべきだ」は同5ポイント増の17%で、合わせて約6割が「脱原発」を志向している。原発依存が「やむを得ない」との回答は、同1ポイント減の30%だった。
一方、被災地復興の財源確保のための増税に関しては、「賛成」が5月調査から5ポイント増の53%。反対は同3ポイント減の38%だった。政府・民主党は所得税と法人税を一定期間引き上げ、復興財源として発行する復興債の償還に充てる方針を固めている。◇全国世論調査の質問と回答◇
◆菅内閣を支持しますか。
全体 前回 男性 女性
支持する 19(24) 19 20
支持しない 56(57) 63 52
関心がない 24(19) 18 27◇<「支持する」と答えた方に>支持する理由は何ですか。
民主党の首相だから 29(35) 28 30
指導力に期待できる 4 (5) 5 4
政策に期待できる 13 (8) 10 14
政治のあり方が変わりそうだから 50(40) 53 48◇<「支持しない」と答えた方に>支持しない理由は何ですか。
民主党の首相だから 4 (5) 5 3
指導力に期待できない 44(53) 43 46
政策に期待できない 22(17) 23 21
政治のあり方が変わりそうにない 29(22) 28 30◆どの政党を支持していますか。
民主党 13(15) 15 12
自民党 16(17) 18 15
公明党 3 (3) 3 4
みんなの党 5 (6) 6 4
共産党 2 (2) 2 2
社民党 0 (1) 1 0
国民新党 0 (0) 1 0
たちあがれ日本 1 (0) 1 1
新党改革 0 (0) 0 -
新党日本 - (0) - -
その他の政党 1 (1) 1 1
支持政党はない 54(53) 52 56◆菅首相は退陣する時期について明言を避けています。このことをどう思いますか。
明確にすべきだ 62 65 60
明確にする必要はない 30 31 29◆菅首相は、いつまでに退陣すべきだと思いますか。
できるだけ早くやめるべきだ 44 52 39
8月中にやめるべきだ 27 25 29
できるだけ長く続けてほしい 18 17 19◆菅首相は自民党の浜田和幸参院議員を総務政務官に任命しました。自民党の議員を引き抜いた首相の手法を適切だと思いますか。
適切だ 31 31 31
適切でない 55 62 50◆震災前、日本の電力の約3割が原子力発電によって賄われていました。原子力発電に頼っている日本のエネルギー政策をどう思いますか。
やむを得ない 30 39 23
原発は減らすべきだ 45 41 48
原発は全て廃止すべきだ 17 14 19◆日本の原子力発電所のうち、定期検査で運転を停止している原発の運転を再開することに賛成ですか。
賛成 37 51 27
反対 51 41 58◆風力や太陽光など自然エネルギーの利用を増やすことで、電気料金が値上がりすることを容認できますか。
できる 60 60 61
できない 31 35 28◆震災被災地復興の財源確保のため増税することに賛成ですか。
賛成 53 57 50
反対 38 38 38(注)数字は%、小数点以下を四捨五入。0は0.5%未満、-は回答なし。無回答は省略。カッコ内の数字は前回6月4、5日の調査結果。
◇調査の方法
2、3日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号を使うRDS法で調査した。この際、岩手、宮城、福島3県の沿岸部など、東日本大震災による被害が大きかった市区町村の電話番号は除いた。有権者のいる1544世帯から、1129人の回答を得た。回答率は73%。
菅内閣の支持率の低さとか、早く退陣してほしいとか、そういうことはもうコメントする必要さえないでしょう。