「サンデー毎日」に不破さん登場!!

『サンデー毎日』7月17日号

『サンデー毎日』7月17日号

今週発売の『サンデー毎日』(7月17日号)に日本共産党の元議長・不破哲三さんが登場し、政治評論家の岩見隆夫氏と対談をしています。

岩見氏と言えば、先日、「毎日新聞」紙上で、不破さんの原発事故問題の講演をとりあげ、「日本の原発について歴史的、体系的に振り返り、なにしろわかりやすい」「原子力への理解を深めるためにも、不破講義の一読をおすすめしたい」と紹介していました。

誌面を見ると「41年ぶり対談」とあります。これは、1970年の共産党大会で、新しく設けられた書記局長にだれがなるのかというのでマスコミが取材合戦をしたときに、「毎日新聞」の記者だった岩見氏が不破さんを「夜討ち」して以来、ということのようです。(^_^;)

さて、対談は、やはりもっぱら原発事故をめぐって。岩見氏はあらためて、「『原発講義』はおもしろいですな」「へえ〜と思ったのは、日本の原発はアメリカの原子力潜水艦の技術からきてるというところです」など、コメントされています。

歴代政府の「安全神話」について、岩見氏が、1974年に不破さんが国会でとりあげた「分析化研事件」 ((「分析化研事件」とは、日本に寄港するアメリカの原子力潜水艦の放射能漏れがないかどうかを調べる日本分析化学研究所のデータが捏造されていた事件。不破さんがデータをとりよせみずから分析して国会で暴露した。結局、分析化研の観測データの4割が捏造されていたことがその後の調査で判明した。さらに、新しい観測体制がつくられるまで、アメリカの原子力潜水艦の日本寄港が183日にわたってストップすることになった。))に触れて、「体質を変えるきっかけにすればよかったのにそうはならなかった」と指摘すると、不破さんは「やらないのが自民党政治なんですね」とバッサリ。さらに、岩見氏が「彼らは安全神話を信じていたんでしょうかね。チェルノブイリ、スリーマイルの事故という教訓があったのに呑気すぎる」というと、不破さんは、「信じていると同時に周囲を信じ込ませたんです」と指摘。70年代の自民党との国会論戦はかなり真剣だったといいながら、自民党への幻想は微塵もありません。

岩見氏の「民主党政権の対応でどこが一番悪いですか」の問いに、不破さんは、次のように厳しく指摘しています。

 本気で危機感を持って対応する体制も覚悟もないんじゃないか。事故以来、政府も東電も「炉心は壊れていない、壊れていても部分的だ」と言い続けてきた。ところが、3カ月たってメルトダウンが分かった。要するに3カ月、何が起きていたか分からないまま対策をやっていた。今でも手探り。高濃度の汚染水の問題もどこにどうたまっているか分からない。

この汚染水問題は、先日放送されたBS11の「本格闘論FACE」でも、不破さんが強調していた問題。そのときは、“汚染水というと何か後始末のように聞こえるが、実は、これから本格的に炉心の放射性物質が環境に流出するかも知れない”と、問題の本質をずばり指摘して、見ていてドキリとさせられました。

「サンデー毎日」の対談でも、問題の深刻さが指摘されています。

 前に汚染水はくみ出しても減らなかったという報告があったでしょう。ところが、なぜ減らないのか検証しない。まさに綱渡り。一つの綱が失敗したら、次の綱がない。
 ……
 汚染水の浄化装置が仮にうまく機能しても、高い放射能を帯びた汚泥が約2000トンでるそうですが、それをどう処理するかは追々検討するという。何でも後回しで、先々までの戦略がない。

この高い放射能を帯びた汚泥などの処理問題は、ほんとに深刻です。アレバ社の装置も1年しかもたないので、これからどうするか東京電力と協議すると言っています ((「仏アレバ上席副社長『時がくれば最終処理で手助け』一問一答」MSNニュース、2011.7.5 16:16による。))。

さらに、菅直人首相の「再生エネルギー法案」について岩見氏が質問すると、不破さんは、次のように指摘。

 もし原発問題に本気で対応するというのなら、自分の一挙手一投足を真剣にやらなきゃいけない。もし原発問題に本気で対応するというのなら、事故の解決の見通しもつけられない時に原発の運転再開を勧告できないでしょう。そして原子力政策の転換を民主党で正式に討論して等の政策として決めなきゃだめですよ。内閣の政策でもない、党の政策でもない、自分でも一方で原子力を進めますと言いながら、プラスして再生エネルギーだって言うんじゃ、政略以外のなにものでもない。

これには岩見氏も、「順序を間違えている」「まず原発をどうするか決めなきゃいけない」と応じ、「その点、ドイツのメルケル政権は非常に果断ですね」と述べています。

このあと、話は不破さんの新著『時代の証言』(中央公論新社)に移り、さらに岩見氏の「小沢一郎という政治家はどう見てますか」という質問で、話はそちらに。不破さんは、なかなか興味深い2つのエピソードを紹介しています。

1つは、橋本龍太郎内閣の時に、菅・民主党、小沢・自由党、共産党の3党で内閣不信任案を共同提出したときに、3人そろって記者会見したときのエピソード。

記者会見で「もし通ったらどうするつもりか」と聞かれたが、2人は黙ったままなので、僕は「選挙管理内閣の構想を持っている」と答えました。

こういうときは、はったりでも「こうしたい」と答えないとウソですよね。内閣不信任案を出すというのに、通ったらどうするかを聞かれて答えられない、というのは、無展望というか、無責任というか、あきれてしまいます。つい先日も、自民党、公明党が、小沢派の離反を期待して、菅内閣不信任案を出した時、不信任案が通ったらどうするのか、自民党も公明党も答えられなかったのですが……。

もう1つは、こんなエピソード。

 そのころ小沢氏と時々話すことがあったけれど、彼は中国革命史に凝っていて、『国共合作だ』『今は井崗山だ』などと言う。井崗山というのは毛沢東が初期に革命の拠点にしたところだ。いったい、自分〔これは小沢氏のこと〕は『国共』のどちらの側にいるつもりなのかと思いましたよ。

確かに「国共合作」というのは、中国の国民党と共産党の統一をさしていますが、「今が井崗山」なら、小沢・自由党こそが共産党ということになってしまいます。いずれにしても、すでにこのとき、不破さんは、政権取りのための権謀術策にふけるという印象をもったのかも知れません。

最後に不破さんは、政治の転換を実現させようという決意を語っています。

 震災が世の中を見る見方の転換点となったと言われます。政治も転換しなければなりません。そうでないと、日本は本当に政治から衰えていきますよ。

81歳の不破さんが、こんなふうに政治の転換に決意を見せているのですから、私たちも本気で政治の転換にむけて力を合わせないといけませんね。(^_^;)

不破さん、岩見さん、お疲れさまでした。m(_’_)m

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