『ヘンリー6世』の方を読み終わってないのに、『リチャード3世』の方を先に読み終わってしまいました。(^_^;)
話は、バラ戦争。ランカスター家とヨーク家との対立。イギリス人なら常識の出来事なのかも知れませんが、双方が入り乱れて、登場人物の名前と系図を較べながら読むしかありませんでした。(^_^;)
それは、義経といえば、京の五条の橋の上での弁慶との出会いや平家との合戦、兄・頼朝との確執、安宅の関での勧進帳、などがすぐ思い浮かぶし、忠臣蔵といえば、吉良上野介と浅野内匠頭の確執、「松の廊下」での刃傷沙汰、内匠頭の切腹、「昼行灯」大石内蔵助、四十七士の雪の討ち入りなど、日本人なら誰もが知っているが、外国人がいきなり平家物語、源平盛衰記や忠臣蔵を読んでも、そこまでわからない、というのと同じ。
それともう1つ。たとえば、リチャード3世に夫エドワードとその父ヘンリー6世を殺されたアンが、そのリチャード3世に口説き落とされる場面。こういうのは、やっぱり脚本を読んだだけでは、おもしろくありません。夫、義父の仇と思っている男の口から熱烈な愛を告白されて揺れ動く心理の様。これは、やっぱりお芝居で見なければだめですねえ。(しかし、なんでアン王女がリチャード3世になびいたのか、さっぱりわかりません)
そして、リチャード3世が、ロンドン市民に歓呼して迎えさせて、国王に即位しようとしながら、ちっとも盛り上がらないあたりも、やっぱり舞台で見たい場面ですね。思惑が外れていくリチャード3世の心中では、おそらくしてやったりという興奮と、上手くいかないのではという不安が渦巻いていたことでしょう。
【書誌情報】
著者:シェイクスピア/訳者:松岡和子/書名:リチャード三世/出版社:筑摩書房(ちくま文庫)/発行:1999年/定価:本体1000円+税/ISBN978-4-480-03307-9