島田紳助氏が、突然の「引退」を表明して、昨日からもちきり。ニュース番組によっては、トップで報じたところもあって、民主党代表選挙や円高問題よりも大きな取り扱いがされている。
しかし、紳助氏の記者会見での発言には疑問が残る。
紳助氏は、メールのやり取りや、数回会ったことについて、「芸能界では許されないことだと分かっていた。自分の判断が甘かった」と説明し、それで引退を決断したと言っているが、そもそも、十数年前のトラブルの解決を暴力団に依頼したことが問題なのであって、それについては事実関係も何も語っていないし、反省の弁も述べていない。
そのことは、記者会見でも、問題の暴力団幹部にたいして一貫して敬語を使い続け、「会ってはいけない」と言ってくれたと感謝し続けているところにもあからさまに反映している。
ある意味で、芸能活動をとるか、暴力団幹部との信頼関係をとるか、という選択をせまられて、紳助氏は、暴力団幹部との関係を絶つぐらいなら芸能界を引退する方を選んだということだ。(反省がないのだから、暴力団幹部との関係を絶つ決断をしないのも当然であるが)
さらにいえば、芸能界に身を置いていれば、暴力団幹部との関係についても詳細な説明を求められるが、芸能界を引退してしまえば、一私人なのだから、メディアや社会にたいして、暴力団との関係を答える必要もない。すでにメールのやり取りだけでなく、紳助氏が送った手紙の存在も明らかにされている。それについて、紳助氏は、恐らく今後とも答えないつもりなんだろう。
それどころか、記者会見で、紳助氏は、今後は一般市民に戻るのだから、メディアが暴力団との関係を書けば名誉毀損で告訴も辞さないと言っている。この幹部との関係を含め、引退したあとは一切答えないということだろう。
ということで、結局、話は、右翼とのトラブルと言われているが、その解決を暴力団に依頼したことが間違っていたと紳助氏が反省するのかしないのか、という最初の点に戻っていく。
記者会見の様子から、「潔い」などという発言も聞かれるので、あえて一言。
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