メディアはなぜ共産党・市田忠義質問を取り上げないのか?

昨日の参議院予算委員会での、共産党の市田忠義書記局長の質問。被災地の医療機関の再建支援の問題に絞って取り上げ、たとえば「医療施設等災害復旧補助金」について、被災したその場所での復旧が条件となっていて、少しでも離れた場所に新たに病院・診療所を建て直すような場合には対象にならない問題を追及し、「柔軟に対応して使えるようにする」(小宮山厚労相)、「単なる原状復帰でなく柔軟な対応をする」(野田首相)と、これまでより一歩踏み込んだ回答を引き出すなど、大事な質疑となった。

ところが、今朝の新聞各紙を見てみると、この市田質問がまったく取り上げられていないのだ。「朝日」「読売」「毎日」ともに、予算委員会の質疑を取り上げた記事や質疑の概要を載せているのだが、被災地のお医者さんにとってはこんな大事な問題、なぜ載せないのだろうか。

被災全医療機関に支援を/“病院つぶし”転換せよ/参院予算委 市田書記局長が質問:しんぶん赤旗
生き永らえた命救えるのか/参院予算委 市田書記局長が追及:しんぶん赤旗

続きを読む

朝三暮四

みなさんは、「朝三暮四」という故事をご存知でしょうか。このニュースを聞きながら、それを思い出しました。

復興増税9.2兆円に圧縮 政府・民主案、税外収入上積み:日本経済新聞

【朝三暮四】
[列子黄帝] 春秋時代、宋の狙公(そこう)が、手飼の猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ暮に四つとしたところ猿たちは少ないと怒り、朝に四つ暮に三つとしたら大いに喜んだという故事。
<1>目前の違いにばかりこだわって、同じ結果となるのに気がつかないこと。朝四暮三。
<2>口先でうまく人をだますこと。
(岩波書店『広辞苑第4版』CD-ROM版,1995年)

被災地の復興に財政的支援が必要なことはわかります。しかし、法人税増税といっても、「法人減税をしたことにして、その分増税する」というもので、実際には増税ゼロ。しかも、増税期間はわずか3年で、3年後にはしっかり減税されます。それにたいして、国民には、所得税の増税が10年間、個人住民税の増税が5年間も続くのです。復興財源として必要なのは国税のはずなのに、どうして地方税である住民税が増税されるのでしょうか?

民主党との協議で、国民から不満の声が出ることに配慮したのか、住民税の増税を2014年6月に先送りしたというのは、まさしく「朝三暮四」。国民を狙公の猿のようにバカにした話です。

続きを読む

資本論第2版を手に入れました(^_^)v

『資本論』ドイツ語第2版を手に入れました。といっても、現物ではありません。Googleブックスでスキャンされたものですが…。でも、PDFで全文ダウンロード可能です。(^_^)v

Das kapital: Kritik der politischen … – Karl Marx – Google ブックス

続きを読む

陸山会不正献金事件:元秘書3人に有罪判決 – 東京地裁

民主党・小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反(虚偽記載)の裁判で、東京地裁は、被告の元秘書3人に有罪の判決を下しました。

まず違法献金という点では、西松建設からの3500万円と水谷建設からの1億円は違法献金であったと認められた。小沢事務所が、地元の公共工事発注で「天の声」を出していたことも認定された。これは、こんどの事件だけにとどまらない重要な点といえるだろう。

また、4億円をめぐる虚偽記載についても、有罪の判決が下された。小沢氏は、この4億円についての説明を二転三転させながら、政治資金規正法違反事件としては、つまるところ、辻褄さえ合っていれば政治資金報告書は問題ないという態度だった。その点について、判決は、政治資金規正の趣旨を損ねるものだと厳しく批判したことは重要だろう。

しかし、そもそも4億円のカネはどこから出たか? という根本問題は、この裁判でも不明のままに残っている。小沢氏は、この点に裏づけをもって答えなければならない。

陸山会事件:元秘書3人有罪 裏献金受領を認定:毎日新聞
陸山会事件、西松建設事件裁判の判決要旨:日本経済新聞

続きを読む

光の速さを超えるニュートリノ?!

ニュートリノが光より早く到達することが観測されたというニュース。「マイムマシン」云々はともかく、事実だとすれば、相対性理論を考え直さなければならないという大発見なのだが、光の速さと比べるにしては730kmという距離はあまりに短い(光の速度は秒速で約30万kmなのだから)。

物理:光より速いニュートリノ? 相対性理論覆す発見か:毎日新聞

マイコミジャーナルには、この観測が「真の値がこの誤差範囲を外れる確率は100万分の3.4程度」というCERNの説明が掲載されているが、これを読んでも、ナノ・レベルの精度で2地点間の距離を測り、また、発射地点と観測地点の時計を正確に合わせることは非常に難しいことが分かる。それに比べると、日本経済新聞にのった研究者が指摘する問題の方がよっぽど巨視的で、事実に合っているような気がするのだが、いかがだろうか。

【レポート】ニュートリノは光より速いのか – 相対性理論を覆す可能性をCERNが提示:マイコミジャーナル
ニュートリノ測定結果「小柴氏の観測と合わず」:日本経済新聞

続きを読む

10兆円の国民負担 だれが責任をとるのか?

少し前になるが、「読売新聞」9月21日付に載っていた「金融行政転換 代償10兆円」という記事。

古い話だけれども、バブル崩壊後の金融機関の破綻処理で48兆円近くの公的資金が投入されたが、これまでに返済・回収されたのは約27兆円。残り21兆円ほどのうち、すでに約10兆5000億円が焦げ付いて、国民負担が確定している。

続きを読む

本日のお買い物

デヴィッド・ハーヴェイ『〈資本論〉入門』(作品社)竹内正浩『地図と愉しむ東京歴史散歩』(中公新書)元木泰雄『河内源氏』(中公新書)安西祐一郎『心と脳』(岩波新書)

いずれも出たばかりの新刊。左から順番に、

  • デヴィッド・ハーヴェイ『〈資本論〉入門』(作品社、本体2,800円)
  • 竹内正浩『地図と愉しむ東京歴史散歩』(中公新書、本体940円)
  • 元木泰雄『河内源氏 頼朝を生んだ武士本流』(中公新書、本体800円)
  • 安西祐一郎『心と脳 認知科学入門』(岩波新書、本体860円)

続きを読む

原発を減らす72%、「不便でも省電力」65% – 毎日世論調査

少し古くなったけれど、20日付にのった「毎日新聞」の世論調査。

「日本の原子力発電を、今後、どうすべきか」の問いには、「危険性の高いものから運転を停止し、少しずつ数を減らす」60%、「できるだけ早くすべて停止する」12%、合わせて72%が原発を減らすべきだと回答。原発を減らすべきだという世論は、もはや定着したといえるだろう。

さらに注目されるのは、65%が「生活程度は低くなっても、電力の消費を少なくすべきだ」と回答していること。30代71%、20代67%と、若い世代でその割合が高いという。生活程度が少々悪くなっても、電力を減らす、ひいては原発を減らすべきだと考える人が3分の2を占めているということだ。

財界・大企業は、「電力供給に不安があると、企業が海外へ流出する」と言って、従来のように好きなだけ自由に電力を使わせろと主張しているが、それがどれほど国民意識から乖離しているか、考えてみるべきだろう。

毎日新聞世論調査:東日本大震災 「不便でも省電力」65%「原発徐々に削減」60%:毎日新聞
毎日新聞世論調査:東日本大震災 国政への不信鮮明:毎日新聞

続きを読む

5時間かけて帰り着きました (^_^;)

3時過ぎに職場を出て、4時に吉祥寺駅で足止めを食らって、それからはノロノロ運転。4時半に東小金井駅に着き、5時過ぎに何とか国分寺駅までたどり着いたところで、運転打ち切り。ホームを渡って別の電車に乗り換え、超混雑したなか奥まで入り込んだら、「中央線は全線で運転を見合わせます」のアナウンスが…。あと、少しだったのに〜〜

しかしホームは、風と雨が吹き抜けていて、運転再開を待っていればすぐずぶ濡れになることは必至。これはもう、国分寺駅で台風が通過するのを待つしかないと腹をくくって、ともかく座って時間を過ごせる場所を確保しようと、駅ビルにあがることにしました。

続きを読む

東小金井なう

30分たって、東小金井駅までたどり着きましたが、外は強風で横なぐりに激しい雨が降っています。

台風が近づいて、雨風ともにどんどん強くなっています。う〜む、無事帰り着くことができるでしょうか?

吉祥寺なう

台風15号が接近して、東京の天候も大荒れとなってきました。

電車もあちこちで止まり始めたので、職場を早めに抜け出してきましたが、中央線立川〜日野間で強風のため運転見合わせということで、吉祥寺駅で足止めを食らっています。

無事帰り着けるでしょうか? (^_^;)

台風15号、首都圏直撃か?

気象庁2011年9月21日午前6時発表

気象庁2011年9月21日午前6時発表

台風15号が接近して、今日午後には、東海地方に上陸し、関東を縦断する見込み。和歌山、奈良の土砂災害、名古屋の河川増水、東北の被災地など心配です。

東京は、いまは「ときどきちょっと強い雨が降る」程度ですが、これからどうなることやら。予報どおりなら、夕方がいちばん接近している時間帯になるので、帰りの電車が心配です。

台風北上 紀伊半島が暴風域に:NHKニュース

続きを読む

勉強します

遠山茂樹『日本近現代史I』(岩波全書)

遠山茂樹『日本近現代史I』

遠山茂樹氏の『日本近代史I』(岩波全書、1975年)。

ずいぶんと前に古本屋で、今井清一氏の『日本近代史II』、藤原彰先生の『日本近代史III』と3冊セットで買い込んだもの。そのままほったからしていたので、あらためて読み始めました。(^_^;)

続きを読む

筋が分かっていても引き込まれてしまいました

蓮の会第5回公演「蝶々夫人」

17日、大学時代の後輩の奥さんが、市民オペラの公演で蝶々さんをやるというので、川口まででかけてきました。

音大出身者あり、大学の合唱部出身の銀行マンありの市民オペラ。音楽の方はピアノだけのホールオペラですが、それでもやっぱり、2幕の最後で、アメリカの軍艦が入港したことを知り、部屋に花を巻いて、ピンカートンを待つ場面では、叶わぬ夢であることが分かっていながら、表向きは無邪気に喜ぶ蝶々さんの姿に、早くもグッと来てしまいました。

続きを読む

森浩一先生、83歳でもまだまだお元気

森浩一『天皇陵古墳への招待』(筑摩書房)

森浩一『天皇陵古墳への招待』

考古学の森浩一氏の新著『天皇陵古墳への招待』(筑摩選書)。

天皇陵古墳というのは、宮内庁が天皇陵(あるいは陵墓参考地)だとしている古墳のことです。僕が小学生のころ、初めて古墳のことを習ったころは「仁徳天皇陵」「応神天皇陵」だったけれども、大学で日本史を勉強し始めたころには「大山古墳」「誉田山古墳」になっていました。この名前の変更を提唱したのが森浩一氏だったのです。

なぜ、「仁徳陵」ではなくて「大山古墳」なのか? そこに「天皇陵古墳」にたいする考古学者としての森氏の学問的こだわりがあるのです。

続きを読む

何度調べても9条改憲は「反対」が多数

「読売新聞」が、震災6カ月の世論調査にさいして、あわせて憲法についても世論調査をおこなっていたことが明らかに。

見出しには「憲法改正『賛成』43%、『反対』は39%」とあるが、中身をよく読むと、憲法9条の第1項(戦争放棄)、第2項(戦力不保持)についてそれぞれ「改正する必要があると思うか」を問うた質問に、第1項「必要ない」77%、第2項55%と、いずれも9条改憲反対が多数を占めている。

憲法改正「賛成」が43%、「反対」は39% : 世論調査:読売新聞
「東日本大震災6か月」2011年9月面接全国世論調査:読売新聞

続きを読む

震災6ヵ月で世論調査

先週、東日本大震災から半年ということで、メディアが世論調査をおこなっていました。

震災復興、原発事故対策で、半年間の政府の取り組みについて評価するか、評価しないかという質問では、「評価しない」が大きく上回っていますが、これは当然。野田内閣にたいして「期待できる」が高いのは、本当に「期待できる」と思っているというより、「期待するしかない」「期待どおりやってほしい」という「期待」の表われでしょう。

放射性物質の影響について、「朝日」の世論調査では、「ある程度」を含めて65%が「感じている」と回答。「読売」でも、「ある程度」を含めて68%が「心配している」と回答しています。ただし、「大いに感じている」「非常に心配している」が4分の1程度だということも見ておかなければならないと思います。

原発については、「朝日」調査では、「原子力発電を利用する」ことに反対は45%ですが、「原子力発電を段階的に減らし、将来はやめる」ことに賛成は77%。この差はいったい何でしょうねぇ。原子力発電は利用せざるをえないが、できればやめてほしいという人が30%程度いるということなんでしょうか。他方で、89%が、野田内閣にたいして「原発に依存しない社会をつくる」ために力を入れてほしいと答えており、世論の方向は明確です。

ところで、原発推進派の「読売」には、原発の是非についての質問項目がそもそもありません。調査をすれば結果がはっきりしているので、「読売」は最初から調査することを避けたということでしょう。それほど、原発推進派は世論を恐れているということでもあるのですが、こんな大事な問題を調査項目から外すなんて、マスメディアとしては失格でしょう。

復興取り組み「評価する」18% 朝日新聞世論調査:朝日新聞
放射能不安9割超:朝日新聞
大震災での活動評価…政府6%、自衛隊82%:読売新聞
「東日本大震災6か月」2011年9月面接全国世論調査:読売新聞

続きを読む

一番の主役はおばあちゃん!

あしたのパスタはアルデンテ

あしたのパスタはアルデンテ

今日は、お昼から渋谷ハチ公前での原発ゼロの署名行動に参加。最初は木陰にいたんですが、時間と共に日陰が移動して、結局、かんかん照りの炎天下に1時間……、暑かった〜

で、そのあと、銀座シネスイッチで、イタリア映画「あしたのパスタはアルデンテ」を見てきました。(今年10本目)

あらすじはこんな感じ。

続きを読む

遠山茂樹氏が亡くなられました

明治維新、日本近代史研究の泰斗である遠山茂樹氏が亡くなられました。

歴史家の遠山茂樹氏が死去 明治維新史を分析:共同通信

私が初めて遠山氏の本を読んだのは、大学1年のとき歴史学研究会で勉強した岩波新書の『明治維新と現代』(1969年)でした。しかし、日本史が好きだったとはいえ大学1年生にはむずかしすぎました。(^_^;) そのあと『戦後の歴史学と歴史意識』(岩波書店、日本史叢書)と『<新版>昭和史』(岩波新書)あたりを読んだように覚えています。

続きを読む