野田内閣、支持率が高いと言っても菅内閣発足時を下回る

野田新内閣発足で、メディアがいっせいに世論調査。

内閣支持率は、一番低いのが「朝日」53%、一番高いのが「日経」67%という結果。菅内閣末期にくらべてどの調査でも大幅にアップした。まあ、不支持率が70%もあった内閣がやめたのだから、次の内閣の支持率が高くなるのは当たり前だが、菅内閣の発足時の支持率に比べると、「朝日」60%にたいして53%、「毎日」66%にたいして56%と下回っている。支持の理由でも、「ほかに適当な人がいない」32.2%(東京)など、積極的な支持理由はない。

原発政策では、「毎日」の調査で、「原発に依存しないエネルギー政策を引き継ぐべきだ」が64%を占めていることが注目される。

野田内閣支持率65%…発足時で歴代5位:読売新聞
「野田内閣発足」2011年9月緊急電話全国世論調査:読売新聞
野田内閣支持率67%、復興増税も賛成6割:日本経済新聞
野田内閣:支持56% 元代表処分、見直し不要75%:毎日新聞
野田内閣:自民党支持層からも支持:毎日新聞
野田内閣支持62%:東京新聞
野田内閣、支持53% 民主31%に回復:朝日新聞
世論調査―質問と回答〈9月2、3日実施〉:朝日新聞

「読売」調査では、原発再開をめざす野田内閣の方針を「評価する」が56%を占めているが、「野田首相が、定期検査で運転を停止している原子力発電所について、安全性が確認されたものは、運転を再開したいとの考えを示していることを、評価しますか、評価しませんか」という質問では、「評価する」という回答が増えるのは当たり前。これは、「安全性が確認された」原発は安全か? という質問と同じぐらいの愚問。問題は、政府や原子力安全・保安院の検査で「安全性が確認された」と本当にいえるのか? そもそも本当に安全な原発というのはありうるのか? というところにある。

増税問題では、復興財源のための増税については、賛成63%、反対28%(日経)、賛成58.7%、反対38.3%(東京、それぞれ「どちらかといえば賛成」「どちらかといえば反対」を含む)と6割前後が賛成しているのにたいして、社会保障財源としての消費税増税については、賛成49%、反対42%(日経)、賛成49.7%、反対47.0%(東京、同前)とほぼ拮抗していて、同じ増税問題でも国民世論の考え方は対照的だ。

小沢問題については、「処分見直しに慎重」な態度を「評価する」65%(読売)、処分は「解除しない方がよい」77.3%(東京)、小沢氏と「距離を置くべきだ」65%(日経)、処分を「見直す必要はない」75%(毎日)など、世論は明確だ。

政党支持率では、民主党の支持率が内閣交代で回復して、自民党が支持率を減らしているのが共通した特徴。結局、菅内閣末期に、自民党が支持率を回復したのは世論が民主党に嫌気を差したからであって、自民党そのものが支持されるようになったわけではなかった、ということだ。

解散総選挙の時期についても、おおむね「急がなくてよい」というのが多数を占めるようになった。衆参の「ねじれ」は何も変わっていないのだが、まずは震災と津波の復旧・復興、原発事故への対処を急ぐべきだということなのだろう。

野田内閣支持率65%…発足時で歴代5位

[2011年9月4日01時40分 読売新聞]

 野田内閣の発足を受け、読売新聞社は2日夜から3日にかけて、緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。
 新内閣の支持率は65%で、内閣発足直後の調査(1978年の大平内閣以降)としては5番目に高く、不支持率は19%だった。
 野田首相が内閣や民主党人事で、党内各グループの議員を幅広く起用したことについては「評価する」が71%に上り、挙党態勢を目指す首相の姿勢が高い支持率につながったようだ。
 政党支持率をみると、民主は28%で、前回調査(8月27〜28日実施)の21%から回復し、自民23%(前回23%)を逆転した。内閣を支持する理由では「これまでの内閣よりよい」48%が最も多かった。「首相が信頼できる」17%、「政策に期待できる」12%などが続いた。

「野田内閣発足」 2011年9月緊急電話全国世論調査

[読売新聞 2011年9月4日]

▽調査日:2011年9月2-3日 対象者:全国有権者
 方法:RDD追跡方式電話聴取法
 発信用電話番号(対象全域バンク4)4600件
 有権者在住世帯が確認できたもの  1775件
 各世帯で有権者1人を無作為に指定(乱数方式)
 有効回答 1100人(有権者世帯に対する回答率 62%)

Q あなたは、野田内閣を、支持しますか、支持しませんか。
 答 1.支持する 65   2.支持しない 19   3.その他 5   4.答えない 11

SQ1【前問の答えが(1)の人だけ】
支持する理由を、次に読みあげる6つの中から、1つだけ選んで下さい。
  答 1.政策に期待できる     12
    2.首相に指導力がある    7
    3.首相が信頼できる     17
    4.閣僚の顔ぶれがよい    6
    5.民主党中心の政権だから  5
    6.これまでの内閣よりよい  48
    7.その他          2
    8.答えない         4

SQ2【前問の答えが(2)の人だけ】
支持しない理由を、次に読みあげる6つの中から、1つだけ選んで下さい。
  答 1.政策に期待できない    29
    2.首相に指導力がない    9
    3.首相が信頼できない    7
    4.閣僚の顔ぶれがよくない  9
    5.民主党中心の政権だから  37
    6.これまでの内閣の方がよい 2
    7.その他          2
    8.答えない         5

Q 今、どの政党を支持していますか。1つだけあげて下さい。
 答 1.民主党 28    6.みんなの党   2   11.その他の政党 —
   2.自民党 23    7.国民新党    0
   3.公明党 2    8.たちあがれ日本 0
   4.共産党 3    9.新党日本    0   12.支持政党なし 39
   5.社民党 0   10.新党改革    –   13.答えない   2

Q 野田内閣で、玄葉光一郎さんが外務大臣に起用されたことを、評価しますか、評価しませんか。
 答 1.評価する 32      2.評価しない 32     3.答えない 36

Q 安住淳さんが財務大臣に起用されたことを、評価しますか、評価しませんか。
 答 1.評価する 33      2.評価しない 33     3.答えない 34

Q 民主党の幹事長に、輿石東さんが起用されたことを、評価しますか、評価しませんか。
 答 1.評価する 37      2.評価しない 41     3.答えない 22

Q 野田首相が、内閣や党の要職に、民主党内の各グループの議員を幅広く起用したことを、評価しますか、評価しませんか。
 答 1.評価する 71      2.評価しない 20     3.答えない 9

Q 民主党は、野田首相のもとで、結束していけると思いますか、そうは思いませんか。
 答 1.結束していける 46   2.そうは思わない 39   3.答えない 15

Q 民主党の小沢一郎元代表は、政治資金規正法違反事件で党員資格停止の処分を受けています。野田首相が、小沢氏の処分の見直しに慎重な考えを示していることを、評価しますか、評価しませんか。
 答 1.評価する 65      2.評価しない 28     3.答えない 8

Q 小沢氏は、民主党の中で引き続き、強い影響力を持つと思いますか、そうは思いませんか。
 答 1.強い影響力を持つ 70  2.そうは思わない 23   3.答えない 7

Q 野田首相が、2009年の衆議院選挙で民主党が掲げた政権公約を見直すとした、民主、自民、公明の3党合意を守るとしていることを、評価しますか、評価しませんか。
 答 1.評価する 72      2.評価しない 16     3.答えない 12

Q 野田首相が、東日本大震災の復興財源とするため、増税も必要だとの考えを示していることを、評価しますか、評価しませんか。
 答 1.評価する 61      2.評価しない 32     3.答えない 7

Q 野田首相が、定期検査で運転を停止している原子力発電所について、安全性が確認されたものは、運転を再開したいとの考えを示していることを、評価しますか、評価しませんか。
 答 1.評価する 56      2.評価しない 34     3.答えない 9

Q 衆議院の解散・総選挙は、いつ行うのがよいと思いますか。次の4つの中から、1つだけ選んで下さい。
 答 1.できるだけ早く行う           14
   2.今年の年末までに行う          14
   3.来年中に行う              16   5.その他  1
   4.再来年の夏の任期満了まで行う必要はない 49   6.答えない 6

Q 次の衆議院選挙の比例代表選挙では、どの政党に投票しようと思いますか。1つだけあげて下さい。
 答 1.民主党 25    6.みんなの党   4   11.その他の政党 —
   2.自民党 26    7.国民新党    —
   3.公明党 2    8.たちあがれ日本 0
   4.共産党 4    9.新党日本    0   12.決めていない 33
   5.社民党 1   10.新党改革    0   13.答えない   6

田内閣支持率67%、復興増税も賛成6割 本社調査

[日本経済新聞 2011/9/3 23:36]

民主支持率、自民を逆転

 日本経済新聞社とテレビ東京は2〜3日、野田政権の発足を受け、緊急世論調査を実施した。内閣支持率は67%だった。7月末の前回調査の菅内閣支持率19%から48ポイント上昇した。野田内閣の支持理由(複数回答)は「首相の人柄が信頼できる」が50%でトップだった。民主党の支持率も36%に回復し、自民党を逆転した。
 野田内閣の支持率は調査開始以来、政権発足時としては歴代6位。民主党政権では鳩山内閣の75%、菅内閣の68%には届かなかったが、民主党支持層は94%、自民党支持層でも58%、無党派層も45%が支持。不支持率は21%で菅内閣の最後の調査より52ポイント低下した。
 野田内閣や民主党執行部の顔ぶれを「評価する」との回答は48%、「評価しない」は29%だった。評価する理由は「党内融和を重視した」が39%で最も多かった。
 政党別では、民主党の支持率が前回調査から11ポイント上昇した。自民党を上回ったのは菅政権だった昨年12月以来だ。
 政府が東日本大震災の復興財源として検討している臨時増税は「賛成」が63%だった。「反対」は28%。復興財源とは別に社会保障財源を確保するために消費税率を2010年代半ばまでに段階的に10%に引き上げる政府案も「賛成」が49%で、「反対」の42%を上回った。
 野党はどの程度、政府・与党に協力すべきかとの問いには「税制問題や社会保障改革など含め幅広く」との回答が52%でトップ。政策実行を求める声が強く、衆院解散・総選挙の時期でも「解散を急ぐ必要はない」が58%で最も多かった。
 調査は日経リサーチが全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式により電話で実施。有権者がいる1426世帯から954件の回答を得た。回答率は66.9%。

主な質問と回答

(単位%。カッコ内は菅内閣の前回調査)
▼野田内閣を支持するか
○支持する 67(19)
○支持しない 21(73)
○いえない・わからない 13(8)
▼支持または好意を持つ政党は
○民主党 36(25)
○自民党 30(32)
○公明党 4(6)
○みんなの党 5(7)
○共産党 3(4)
○社民党 1(2)
○国民新党 0(0)
○たちあがれ日本 0(0)
○新党改革 0(0)
○新党日本 0(0)
○その他の政党 1(1)
○支持政党なし 14(18)
○いえない・わからない 5(4)
(注)四捨五入したため合計が100%にならない場合がある

与野党協力「幅広く」52% 政策の着実な実行求める

 日本経済新聞社の世論調査では、野田佳彦首相の指導力のもとで、東日本大震災の復興だけでなく景気対策や税制、社会保障改革まで含めた幅広いテーマでの与野党連携に期待が集まっていることが鮮明になった。政局重視の与野党対決への不満の裏返しでもある。自民、公明両党は政権への協力を震災復興にとどめる姿勢を示しており、首相がどこまで協調路線を実現できるかが焦点になる。(1面参照)

■野党の姿勢も問う

 首相には就任直後から様々な懸案が待ち受ける。野田内閣に優先的に処理してほしい政策課題を複数回答で聞いたところ、トップは「震災復興」の63%だった。「景気や雇用」が46%で続き、3位は「年金・医療・介護」の37%だった。
 首相は参院で野党が多数を占める「逆転国会」を乗り切るため、野党に低姿勢で臨む構え。幅広い分野で政策協議を呼びかけ、震災復興、円高対策、税制の3分野で協議機関の新設を提案した。
 一方、野党による政府・与党への協力のあり方について「震災復興対策に限って協力すべきだ」との回答は19%にとどまった。自民、公明両党の現時点での協力姿勢は十分な理解を得られていない。「税制問題や社会保障改革なども含めて幅広く協力すべきだ」との回答が52%に上っているだけに、野党が復興以外の分野で話し合いに応Uなければ、批判を招く可能性もある。野党の協力のあり方も問われている。

■「解散急ぐ必要ない」58%

 衆院解散・総選挙の時期に関しては「解散を急ぐ必要はない」が58%と半数を超え、 「来年度予算が成立する来年春ごろ解散すべきだ」の17%や「ただちに解散すべきだ」の3%を大きく上回った。
 7月の前回調査では、政界の一部でささやかれていた当時の菅直人首相の手による早期解散論に約4割が賛成した。政策の停滞を打破してほしいとの思いも込められていたとみられる。解散先送り論が大勢を占めた今回の調査からは、首相交代を機に与野党が腰を据えて課題に取り組み、政策を着実に前進させることへの願いが読みとれる。
 そのうえで野田内閣が最も重点を置くべきこと
として一首枢.の強いリーダーシップの発揮」を挙げた意見が53%を占めた。前政権の末期にみられた、与党第1党がこぞって首相を退陣に追い込む異常な光景に国民は嫌気が差しているといえる。
 首相は党役員・閣僚人事では、党内基盤を安定させるため小沢一郎元代表やその支持勢力にも配慮した。政権初の世論調査では一定の評価を受け、無難な滑り出しをみせた。今後、党内融和と野党対策を両立させる難しいかじ取りを迫られる。

「小沢元代表と距離を」65%

 民主党の小沢一郎元代表とどのような関係を保つべきかを聞いたところ、「距離を置くべきだ」が65%で、「協力すべきだ」の24%を放きく上回った。全体の29%を占めた野田内閣や党執行部の顔献れを「評価しない」との回答のうち、理由として最も多く挙げられたのが「小沢元代表らに配慮した」の41%だった。
 挙党態勢を重視した野田佳彦首相の党役員・閣僚人事は、一定の支持を集めた。一方で、民主党支持層でも65%が小沢元代表と距離を置くべきだ、と答えた。「政治とカネ」の問題を抱える元代表への接近には否定的な声が浮き彫りになった。
 首相は2日の記者会見で元代表の党員資格停止処分について「過去の執行部が何カ月もかけて丁寧にまとめた結論をしっかり踏まえるのが原則だ」と見直しに慎重姿勢を示している。

野田内閣:支持56% 元代表処分、見直し不要75%――毎日新聞世論調査

[毎日新聞 2011年9月4日 東京朝刊]

 野田内閣の発足を受け毎日新聞は2、3日、緊急の全国世論調査を実施した。野田内閣の支持率は56%で、不支持率は14%。菅内閣退陣直前の支持率15%(8月20、21日調査)から回復し、支持率が不支持率を上回った。政党支持率も民主党が19%と、自民党の16%を逆転した。民主党の小沢一郎元代表の党員資格停止処分については「見直す必要はない」が75%に達し、「見直すべきだ」(21%)を大きく上回っている。(2面に関連記事と「質問と回答」)
 社会保障や東日本大震災の復興財源として、消費税などを増税することの賛否を聞いたところ、「賛成」が53%に上り、「反対」は43%にとどまった。「原発に依存しないエネルギー政策」を打ち出した菅直人前首相の方針について、野田内閣も「引き継ぐべきだ」との回答が64%を占めた。
 民主党の輿石東参院議員会長の幹事長起用については「評価しない」が46%に上り、「評価する」は41%にとどまった。小沢元代表の党員資格停止処分の見直しは、民主支持層でも69%が「見直す必要はない」と回答。支持政党なし層の77%が、見直しに慎重だった。
 発足直後の内閣支持率としては野田内閣は歴代8位で、09年9月に発足した民主党政権では鳩山内閣の77%、菅内閣の66%を下回った。民主党への政権交代は「よかった」「よくなかった」とする回答がともに46%で並んだ。昨年8月の同様の調査では、「よかった」が62%を占めており、民主党政権に対する国民の期待感が薄れている現状もうかがえる。
 民主党政権の首相が早くも3人目となったことを踏まえ、どこに問題があったかを聞いたところ、「民主党の体質」を挙げた人が38%で最多。次いで「国会や内閣の制度」(23%)、「首相個人の能力」(22%)、「自民党など野党の姿勢」(13%)の順だった。野田佳彦首相は自民、公明両党に対し、税制改正などに関する実務者協議機関の設置を提案している。自民党などと内閣を作る「大連立」について「賛成」は18%で、「政策ごとの協力でいい」の66%を大きく下回った。【影山哲也】

    ◇

 原発事故で警戒区域などに指定されている福島県の一部地域は、今回の調査対象に含まれておりません。

野田内閣:自民党支持層からも支持 毎日新聞世論調査

[毎日新聞 2011年9月3日 21時33分(最終更新 9月4日 0時31分)]

 野田内閣の発足に伴い、毎日新聞が2、3日に実施した緊急世論調査では、菅、鳩山両内閣の発足時に比べ、野田内閣への自民支持層の拒否感が薄いことが浮き彫りになった。脱原発を打ち出すなど、リベラル色が強かった菅直人前首相に比べ、野党時代に「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」と指摘し、保守色の強い野田佳彦首相への期待が反映されたとみられる。【須藤孝】

 自民支持層のうち、46%が野田内閣を支持すると答え、不支持の24%の倍近い数字となった。10年6月の菅内閣発足時、自民支持層の内閣支持は42%で不支持の41%と拮抗(きっこう)しており、野田内閣の不支持の低さが目立つ。
 野田首相は2日の記者会見で、運転停止中の原発の再稼働に前向きな考えを表明。菅前内閣の脱原発依存の方針は維持しつつも、電力の安定供給を重視する意向をにじませた。民主支持層の70%が菅前首相のエネルギー政策を「引き継ぐべきだ」としているのに対し、自民支持層では46%。電力不足が全国規模で広がるなか、エネルギー政策の段階的見直しを打ち出した野田首相の姿勢が一定の支持を得ている。
 公明党の山口那津男代表は3日、毎日新聞の取材に対し「党内融和を図り、野党と協調体制を構築しようとする野田首相の姿勢が評価されており、個人的なものが大きい」と分析。民主党幹部は「何事にも攻撃的だった菅前首相に比べ、野田首相には落ち着きが感じられる点が保守層に受けている」との見方を示した。
 一方で、足元の民主支持層の内閣支持は83%にとどまった。菅内閣発足時、民主支持層の内閣支持が96%だったのに比べると低く、野田首相の保守志向に対し、民主支持層に懸念があることを示した。自民支持層の野田内閣支持理由も「政治のあり方が変わりそうだから」という消極的支持が68%を占めており、イメージ先行は否めない。

◇全国世論調査の質問と回答◇

◆野田内閣を支持しますか。

             全体(前回)男性 女性
支持する          56(15) 56  57
支持しない         14(63) 18  10
関心がない         28(22) 25  31

★<「支持する」と答えた方に>支持する理由は何ですか。

民主党の首相だから     9(28)  6  10
指導力に期待できる     16(8)  13  18
政策に期待できる      13(18) 16  10
政治のあり方が変わりそうだから
              61(42) 63  59

★<「支持しない」と答えた方に>支持しない理由は何ですか。

民主党の首相だから     25(5)  31  15
指導力に期待できない    10(43) 8   14
政策に期待できない     15(27) 16  12
政治のあり方が変わりそうにない
              50(23) 44  59

◆どの政党を支持していますか。

民主党           19(13) 18  20
自民党           16(22) 17  14
公明党           4(4)   4   3
みんなの党         6(5)   8   5
共産党           2(2)   2   2
社民党           1(1)   1   1
国民新党          0(1)   1   0
たちあがれ日本       1(0)   1   1
新党改革          -(0)   -   -
新党日本          0(0)   0   -
その他の政党        1(2)   2   0
支持政党はない       49(49) 45  52

◆野田首相は民主党幹事長に参院議員の輿石東氏を起用しました。この人事を評価しますか、しませんか。

評価する          41    45  39
評価しない         46    50  43

◆政治資金問題で強制起訴された民主党の小沢一郎元代表は、判決確定まで民主党の党員資格が停止されています。小沢元代表の党員資格停止処分を見直すべきだと思いますか。

見直すべきだ        21    22  20
見直す必要はない      75    75  75

◆原発に依存しないエネルギー政策を打ち出した菅前内閣の方針を、新内閣は引き継ぐべきだと思いますか。

引き継ぐべきだ       64    60  68
引き継ぐ必要はない     31    37  25

◆社会保障や震災復興の財源として消費税などを増税することに、賛成ですか、反対ですか。

賛成            53(41) 59  48
反対            43(56) 39  47

◆民主党政権が発足して、9月で2年になります。政権交代はよかったと思いますか、思いませんか。

よかった          46    48  44
よくなかった        46    47  45

◆民主党政権で、首相は3人目になりました。どこに問題があったと思いますか。

首相個人の能力       22    26  19
民主党の体質        38    41  36
自民党など野党の姿勢    13     9  16
国会や内閣の制度      23    21  25

◆民主党と自民党などで内閣をつくる「大連立」に、賛成ですか。

賛成            18    19  16
反対            13    17   9
政策ごとの協力でいい    66    62  69

◆次の衆院選はいつ行うべきだと思いますか。

できるだけ早く       18    18  17
今年末までに        11    11  11
来年中に          23    26  21
再来年の任期満了まで行う必要はない
              43    43  43

(注)数字は%、小数点以下を四捨五入。0は0.5%未満、-は回答なし。無回答は省略。カッコ内の数字は前回8月20、21日の調査結果。内閣支持と支持・不支持の理由のカッコ内は菅内閣の調査結果。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 調査の方法 2、3日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号を使うRDS法で調査した。この際、福島第1原発事故で警戒区域などに指定されている市町村の電話番号は除いた。有権者のいる1646世帯から、1001人の回答を得た。回答率は61%。

野田内閣支持62% 世論調査

[東京新聞 2011年9月4日 朝刊]

 共同通信社が野田内閣発足を受け2、3両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、内閣支持率は62.8%に上った。昨年6月の菅内閣発足時の61.5%を超え、1998年の小渕内閣以降の9政権で4番目の水準。不支持率は18.1%だった。政党支持率も民主党が27.2%と自民党の23.6%を上回った。野田佳彦首相が歳出削減を徹底しても足りなければ必要とする東日本大震災復興財源を賄うための増税に関しては賛成派が58.7%に上った。
 内閣支持率は菅内閣末期の8月下旬調査の15.8%から急回復。支持理由は「首相を信頼する」が30.0%で、「ほかに適当な人がいない」の32.2%に次いだ。低姿勢で挙党一致態勢や野党との対話を訴える野田首相の姿勢に対する国民の期待が表れたとみられる。
 民主党支持率は19.3%から回復したものの、2009年9月の鳩山内閣発足時の47.6%、菅内閣発足時の43.8%とは大きな差があり、党勢回復は道半ばだ。
 民主党の小沢一郎元代表に近い輿石東参院議員会長の幹事長起用は、「評価する」が45.1%、「評価しない」が41.2%で拮抗(きっこう)した。小沢氏の党員資格停止処分解除は「しない方がよい」が77.3%に達し、「した方がよい」は15.9%にとどまった。
 復興増税は「賛成」「どちらかといえば賛成」の賛成派(58.7%)に対し、「反対」「どちらかといえば反対」が38.3%となった。

世論調査の結果

(数字は%、カッコ内は前回8月20、21両日調査)

問1 あなたは今回発足した野田内閣を支持しますか、支持しませんか。
 支持する             62.8
 支持しない            18.1
 分からない・無回答        19.1

問2 (問1で「支持する」と答えた人に聞く)支持する最も大きな理由を1つだけお答えください。
 首相を信頼する          30.0
 民主党、国民新党の連立内閣だから 4.5
 首相に指導力がある        8.5
 経済政策に期待できる       7.5
 外交に期待できる         1.4
 政治改革に期待できる       6.2
 税制改革に期待できる       3.0
 行政改革に期待できる       1.5
 ほかに適当な人がいない      32.2
 その他              4.1
 分からない・無回答        1.1

問3 (問1で「支持しない」と答えた人に聞く)支持しない最も大きな理由を1つだけお答えください。
 首相が信頼できない        3.1
 民主党、国民新党の連立内閣だから 27.3
 首相に指導力がない        3.8
 経済政策に期待が持てない     12.7
 外交に期待が持てない       11.9
 政治改革に期待が持てない     11.3
 税制改革に期待が持てない     8.9
 行政改革に期待が持てない     1.4
 首相の人柄が好きになれない    5.0
 その他              9.2
 分からない・無回答        5.4

問4 あなたは、どの政党を支持しますか。
 民主党              27.2(19.3)
 自民党              23.6(23.3)
 公明党              3.5(4.5)
 共産党              2.2(2.9)
 社民党              0.8(0.9)
 みんなの党            4.9(6.6)
 国民新党             0.1(0.6)
 たちあがれ日本          0.6(0.5)
 新党日本             -(-)
 新党改革             -(0.2)
 その他の政党・政治団体      0.1(0.5)
 支持政党なし           35.7(38.4)
 分からない・無回答        1.3(2.3)

問5 あなたは新しい内閣が優先して取り組むべき課題は何だと思いますか。2つまでお答えください。
 東日本大震災の復旧、復興     70.2(63.7)
 景気・雇用対策          35.0(33.5)
 原発対策、エネルギー政策の見直し 31.0(27.3)
 社会保障と税の一体改革      8.7(11.0)
 税金の無駄遣いいっそうなど行財政改革 19.3(20.9)
 天下り禁止など公務員制度改革   9.6(9.0)
 子育て支援など少子化対策     4.7(8.1)
 官僚主導から政治主導への転換   1.8(2.4)
 企業献金禁止など政治とカネの問題 2.3(2.4)
 外交や安全保障          6.0(6.0)
 憲法改正             1.5(2.8)
 その他              1.8(1.9)
 分からない・無回答        0.9(1.7)

問6 野田佳彦首相は小沢一郎元代表に近い輿石東民主党参院議員会長を国会や党運営に当たる幹事長に起用しました。あなたはこの人事についてどう思いますか。
 評価する             45.1
 評価しない            41.2
 分からない・無回答        13.7

問7 民主党の小沢元代表は政治資金規正法違反の罪で強制起訴されたため、判決確定までの党員資格停止処分を受けています。これについて民主党内で小沢氏の党員資格停止処分を解除すべきだという意見があります。あなたはどう思いますか。
 解除した方がよい         15.9
 解除しない方がよい        77.3
 分からない・無回答        6.8

問8 あなたは野田首相が行った閣僚、党役員人事で民主党の党内融和ができると思いますか。
 できると思う           8.0
 ある程度できると思う       48.3
 あまりできないと思う       26.3
 できないと思う          11.6
 分からない・無回答        5.8

問9 野田首相は東日本大震災の復旧、復興を賄うため増税する考えを示しました。あなたはこの考えに賛成ですか、反対ですか。
 賛成               17.4
 どちらかといえば賛成       41.3
 どちらかといえば反対       21.5
 反対               16.8
 分からない・無回答        3.0

問10 野田首相は消費税率について社会保障と税の一体改革で「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」と決めた菅前内閣の方針を踏襲する考えです。あなたは首相の方針について賛成ですか、反対ですか。
 賛成               14.5
 どちらかといえば賛成       35.2
 どちらかといえば反対       26.3
 反対               20.7
 分からない・無回答        3.3

問11 あなたは民主党と自民党の大連立になることに賛成ですか、反対ですか。
 大連立に賛成           40.1
 大連立に反対           46.5
 その他              2.8
 分からない・無回答        10.6

問12 あなたは衆院解散・総選挙はいつがよいと思いますか。
 すぐに              8.9(17.7)
 年内               15.7(29.1)
 来年以降             27.6(23.7)
 2013年の任期満了         41.0(23.3)
 分からない・無回答        6.8(6.2)
【注】複数回答では、比率の合計は100%を超える。
 

野田内閣、支持53% 民主31%に回復 朝日新聞調査

[asahi.com 2011年9月3日22時27分]

 野田佳彦内閣の発足を受けて、朝日新聞社が2、3の両日実施した全国緊急世論調査(電話)によると、内閣支持率は53%、不支持率は18%だった。菅直人内閣で低落傾向にあった民主党の支持率も、大幅に回復する結果となった。
 発足直後の支持率としては、鳩山由紀夫内閣の71%、菅内閣の60%には及ばず、最近では2007年に発足した福田康夫内閣の53%と同水準となる。
 政党支持率をみると、民主党は31%となり、民主党代表選に伴う前回調査(8月25、26日)の18%から大きく増えた。自民党は今回17%で、前回の15%とほぼ変わらない。

世論調査―質問と回答〈9月2、3日実施〉

[asahi.com 2011年9月3日23時36分]

◆野田内閣を支持しますか。支持しませんか。

支持する  53
支持しない 18

◇それはどうしてですか。(択一。左は「支持する」53%、右は「支持しない」18%の理由)

首相が野田さん   26〈13〉 2〈0〉
民主党中心の内閣  14〈7〉 42〈7〉
政策の面      24〈13〉 16〈3〉
実行力の面     28〈15〉 35〈6〉

◆いま、どの政党を支持していますか。

民主31(18)▽自民17(15)▽公明3(3)▽共産2(3)▽社民1(1)▽みんな1(1)▽国民新0(0)▽たちあがれ日本0(0)▽減税日本0(0)▽新党日本0(0)▽新党改革0(0)▽その他の政党1(1)▽支持政党なし36(51)▽答えない・分からない8(7)

◆仮にいま、衆院選の投票をするとしたら、比例区ではどの政党に投票したいと思いますか。

民主31(20)▽自民23(22)▽公明3(3)▽共産4(5)▽社民2(2)▽みんな4(4)▽国民新0(0)▽たちあがれ日本0(0)▽減税日本0(0)▽新党日本0(0)▽新党改革0(0)▽その他の政党3(1)▽答えない・分からない30(43)

◆新しい内閣の大臣や民主党の役員の顔ぶれをみて、野田首相は政治を前に進めることができると思いますか。できないと思いますか。

できる  48
できない 25

◆野田首相は、民主党の幹事長に、党の参院議員会長の輿石東さんを起用しました。野田さんが輿石さんを幹事長に起用したことを評価しますか。評価しませんか。

評価する  36
評価しない 35

◆野田さんが、民主党をまとめていくことができると思いますか。できないと思いますか。

できる  52
できない 30

◆野田さんは自民党など野党の協力を得ることができると思いますか。できないと思いますか。

できる  49
できない 33

◆野田さんが、官僚に対して指導力を発揮することができると思いますか。できないと思いますか。

できる  44
できない 33

◆野田さんは、震災復興増税や、社会保障の財源確保のための消費税引き上げに、積極的な姿勢を示してきました。こうした野田さんの姿勢を評価しますか。評価しませんか。

評価する  57
評価しない 32

◆野田内閣が、国の無駄を減らすことができると思いますか。できないと思いますか。

できる  30
できない 50

(数字は%。小数点以下は四捨五入。質問文と回答は一部省略。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は8月25、26日の前回調査の結果)

     ◇

〈調査方法〉2日夕から3日夜にかけて、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は1773件、有効回答は1051人。回答率59%。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください