朝三暮四

みなさんは、「朝三暮四」という故事をご存知でしょうか。このニュースを聞きながら、それを思い出しました。

復興増税9.2兆円に圧縮 政府・民主案、税外収入上積み:日本経済新聞

【朝三暮四】
[列子黄帝] 春秋時代、宋の狙公(そこう)が、手飼の猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ暮に四つとしたところ猿たちは少ないと怒り、朝に四つ暮に三つとしたら大いに喜んだという故事。
<1>目前の違いにばかりこだわって、同じ結果となるのに気がつかないこと。朝四暮三。
<2>口先でうまく人をだますこと。
(岩波書店『広辞苑第4版』CD-ROM版,1995年)

被災地の復興に財政的支援が必要なことはわかります。しかし、法人税増税といっても、「法人減税をしたことにして、その分増税する」というもので、実際には増税ゼロ。しかも、増税期間はわずか3年で、3年後にはしっかり減税されます。それにたいして、国民には、所得税の増税が10年間、個人住民税の増税が5年間も続くのです。復興財源として必要なのは国税のはずなのに、どうして地方税である住民税が増税されるのでしょうか?

民主党との協議で、国民から不満の声が出ることに配慮したのか、住民税の増税を2014年6月に先送りしたというのは、まさしく「朝三暮四」。国民を狙公の猿のようにバカにした話です。

復興増税9.2兆円に圧縮 政府・民主案、税外収入上積み

[日本経済新聞 2011/9/28 0:39]

 政府・民主党は27日夜、東日本大震災からの復興財源に充てる臨時増税の規模について、当初案の11.2兆円から9.2兆円へ圧縮を目指す方針を決めた。政府保有株の売却益などで追加の税外収入2兆円を見込む。増税するのは所得税、法人税、個人住民税、たばこ税。野党との事前協議を経たうえで、10月下旬の次期臨時国会に、復興策を盛る2011年度3次補正予算案や関連法案を提出したい考えだ。

3次補正は12兆円

  • 今年度第3次補正予算案の歳出規模は約12兆円
  • 税外収入は当初案より2兆円上積みして7兆円
  • 政府保有の日本たばこ産業(JT)株は2段階で全株売却
  • 復興増税は約9兆2千億円
  • 増税期間は10年を基本とし、延長の余地も
  • 所得税、法人税、個人住民税、たばこ税を増税

住民税、14年6月から

 野田佳彦首相も参加する政府・民主三役会議を首相官邸で開いて決めた。会議後、民主党の前原誠司政調会長は国会内で記者会見し、まず連立を組む国民新党と協議したうえで野党と話し合う方針を明らかにした。「真摯に与野党協議を呼びかけて、早くまとめたい」と語った。
 東日本大震災の復興費用は今後5年で13兆円を見込む。これに1次補正に回した年金資金(2.5兆円)の穴埋め分とB型肝炎対策費(0.7兆円)を加えた16.2兆円の財源確保が必要となっていた。
 政府・民主案ではまず、子ども手当の見直しなどで5兆円の税外収入・歳出削減を見込む。上積みを目指す2兆円は日本たばこ産業(JT)株やエネルギー関連株の追加売却で捻出する方針。日本郵政の政府保有株売却は内訳に入っていない。それでも足りない9.2兆円を増税で賄う。

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