木曜日、スーパー・コーラス・トーキョーの特別公演を聴いてきました。スーパー・コーラス・トーキョーというのは、合唱指揮者のロベルト・ガッピアーニがオーディションしたメンバーと、東京のプロの合唱団のなかの優秀なメンバーからなる特別の合唱団。昨年スタートして、今回が2回目の公演ということになります。
- モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626 (レヴィン版)
- ブルックナー:テ・デウム ハ長調
独唱のメンバーも豪華で、レクイエムは、ソプラノ澤畑恵美、メゾソプラノ加納悦子、テノール福井敬、バリトン牧野正人、テ・デウムのほうがソプラノ高橋薫子、メゾソプラノ坂本朱、テノール中鉢聡、バリトン河野克典の各氏。
管弦楽は東京都交響楽団。
会場はオペラシティで、あの狭い舞台に合唱とオケとどうするんだろうと思っていたら、モーツァルトのレクイエムは8-8-6-5-4の小編成。ブルックナーのテ・デウムはもう少し大きくなったとはいえ10-10-8-6-4という編成でした。
モーツァルトのレクイエムは、ジュースマイヤー版を一部修正したレヴィン版(初演1991年)。プログラムによると、1962年に発見されたレクイエムのスケッチをもとに、ラクリモーサの末尾にフーガが付け加えられたのが特徴だということでした。ほかにもいろいろ変更が加えられているようなのですが、譜面の読めない僕にはあまり細かい違いは分かりません。(^_^;)
合唱の女声パートが、やや声質が不揃いな印象で見事なハーモニーとまではいかなかったことと、ビブラートを抑え気味(ノン・ビブラートというほどではありませんしたが)のスタイルに、都響の弦、とくにヴァイオリンが少々手こずった感じだったのが残念でしたが、ソリストは福井さんがともかく抜群。
後半ブルックナーのテ・デウムは、生で聴くのは初めてだったのですが、う〜む、なんなんでしょう、この曲は。弦楽パートは間違いなくブルックナーの音楽なのですが、メインはあくまで声楽で、そっちは違う雰囲気で、なんとなく落ち着かないままでした。(^_^;) ただ、合唱は前半より格段によくなりました。またソリストも、メゾソプラノの坂本さんはいうまでもなく、バリトンの河野さんが渋く決まっていてよかったです。
指揮は、ドイツのヘルムート・ヴィンシャーマン。1920年生まれというので、御年なんと91歳。とてもそんなふうには見えませんでした。