10月のコンサート。もはや記憶の薄れつつあるものもありますが、まとめて記録しておきます。(^_^;)
左から順に、まず21日(金)の新日本フィルのトリフォニー・シリーズ。
- J・S・バッハ(シェーンベルク編):前奏曲とフーガ 変ホ長調 「聖アン」 BWV552
- シェーンベルク:管弦楽のための変奏曲 op.31
- ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
指揮はいまをときめくインゴ・メッツマッハー。シェーンベルクを軸としたプログラム。メッツマッハーがいろいろ工夫しながら精力的に振っていたのが印象的でしたが、オケがそれにどこまで追いついていたかはやや不安なところも…。
翌22日は、日フィルの定期演奏会。
- シューベルト:交響曲第3番 ニ長調 D.200
- ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
- R・シュトラウス:《町人貴族》組曲 op.60
指揮は、踊る指揮者・広上淳一さん。1曲目は12-10-8-6-5、2曲目が一番大きくて14-12-10-8-7という比較的こじんまりした編成。どの曲も、日フィルが非常に完成度の高い、きれいな音を響かせていたのが印象的でした。1曲目の第2楽章の再現部なんて、もううっとりするほど。ヴァイオリンのボリス・ベルキンはなかなかの巨漢だが、非常にやさしい音を響かせると、オケもやさしく、柔らかい音でそれにこたえ、実に見事な演奏でした。
やっぱり、広上淳一×日フィルは聴き逃せませんねぇ〜 (^_^;)
月曜日は、読響の定期演奏会。下野竜也氏の意欲的なプログラム。
- ジョン・アダムス:ドクター・アトミック・シンフォニー(日本初演)
- 團伊玖磨:交響曲第6番 〈HIROSHIMA〉
読響では珍しくプレトークがおこなわれ、下野氏自身が登場。2つの作品はどちらも、原爆投下そのものをテーマにしたものではありませんが、3・11後の現在、私たち日本人があらためて重く受けとめなければならないテーマの作品が並びました。といっても、それは偶然のめぐりあわせ。このプログラム自体は2年前に考えられたもので、下野氏は、プレトークでは、あくまで音楽がすばらしいから取り上げるのだという趣旨のことを強調されておりました。しかし、すばらしい曲はほかにもいっぱいあるわけで、その中で、この2曲を選んだ気持ちそのものはおのずと明らかでしょう。
1曲目は日本初演、CDも聴いたことがありません。ただ、少し前にNHK-BSでオペラの方のドクター・アトミックをやっていたので、それを事前に見ただけでした。しかし、そのときの印象に比べると、下野氏の演奏はずいぶんと控えめに感じました。それでも、「核兵器」開発に踏み出す緊迫感はしっかり伝わってきました。
後半は、7月にCDを買って予習していましたが、これも團伊玖磨氏自身が振ったCDに比べると、ずいぶんと抑えたというか、ていねいな演奏。なるほど、この曲が広島の復興や祈りを描いているというのがよく分かりました。
下野氏の指揮ぶりは、いつものように精力的にみえ、日本初演をふくめ、難しい演奏を見事に成功させておられました。
翌25日は、都響の定期演奏会。指揮は、原発事故の影響で来日を中止したコンスタンティン・トリンクスから小泉和裕氏に交代。
- ブラームス:ドイツ・レクイエム op.45
なかなか引き締まった演奏。晋友会の合唱もうまく、聴き応えあり。ただ、さすがに連日のコンサートで疲れたのか、途中で↓。(^_^;) 面目ない…
最後は、昨日の新響のコンサート。
- シェーンベルク:5つの管弦楽曲〈1949年改訂版〉
- マーラー:交響曲第5番
指揮の高関健氏がツィッターで練習の様子をつぶやかれているのを読んで、聴いてみたくなり、当日券を買って聴いてきました。前半シェーンベルクはなかなかの難曲でした。
後半、マラ5は、高関さんなりの細部まで気を配った指揮ぶりと、オケの熱演が見事でした。しかし、これは高関さんの考え方なのか、とくに第1楽章の出だしなど、1音1音が区切られて演奏されるので、なんか非常に落ち着かない雰囲気。そのせいか、マーラーらしい(といっても個人的な好みの問題ですが)艶っぽさに欠けるように思われました。
第3楽章では、オブリガート・ホルンが第1ヴァイオリンの前に立って演奏。それがマーラーの指示らしいのですが、かなり緊張されていた様子。しかし、見事な演奏でした。(^_^;)
というわけで、次は11月の内田光子さんのリサイタル。お疲れさまでした〜