いまさら、何をか言わんや

今日、2つの新聞に選挙制度問題について、政治家の発言が載っていた。

1つは、今朝の「朝日新聞」オピニオン欄。細川護煕元首相と河野洋平元自民党総裁の対談。1994年の小選挙区制導入について、河野氏が次のように語っている。

 でも今日の状況を見ると、それが正しかったか忸怩たるものがある。政治劣化の一因もそこにあるのではないか。政党の堕落、政治家の資質の劣化が制度によって起きたのでは、と。

他方、「読売新聞」では、自民党の谷垣総裁が、インタビューに答えて次のように語っている。

 現行の小選挙区制は、新人の大量当選、大量落選など振れ幅が激しすぎ、若い政治家も育ちにくい。中選挙区制度のほうが緩やかな変化が出切る。(将来的に)議論しないといけない。

何をか言わんや、である。あのとき、自民党政治への不満を「選挙制度改革」にすり替え、それをさらに「小選挙区制導入」にすり替えた当事者たちが、いまごろになって、小選挙区制導入が悪かった、などというとは…。無責任にもほどがある。

しかし、「誤ちて改むるに憚ること勿れ」である。民意を切り捨てる小選挙区制度は、ただちに廃止してもらいたい。

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エンゲルスの「資本主義の根本矛盾」の定式化をめぐって

先日の古典教室では、エンゲルスが『空想から科学へ』のなかで定式化した「資本主義の根本矛盾」について、講師からかなり立ち入った問題点の指摘がありました。

講師が「私が疑問に思うのは」として指摘したのは、以下の4つの点。

  1. 社会的生産と私的取得との矛盾というエンゲルスの定式には、肝心の剰余価値の搾取が出てこない。
  2. プロレタリアートとブルジョアジーの対立が、根本矛盾の「現象形態」とされているが、しかし、これは資本主義の階級対立そのものであって、何か別の矛盾の「現象形態」だったりするのか?
  3. 生産の無政府性は、商品生産の特徴であり、資本主義以前から商品生産社会では起きていたこと。それが資本主義になるとより大規模に起こる、というだけでは、資本主義の矛盾を説明したことにならない。
  4. このあと、資本主義の枠内ではあれ生産の社会的性格の商品をせまられるとして、株式会社、トラスト、国有化があげられているが、エンゲルスは、これらをもっぱら生産の無政府性を解決するための資本の発展と見ている。それで20世紀から21世紀の資本主義をとらえることができるか?

私が、講義を聞いていて、とくに「なるほど」と思ったのは、この第4の点です。

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こんどは『明治維新』にとりかかります

遠山茂樹『明治維新』(岩波全書)

遠山茂樹『明治維新』(岩波全書)

遠山茂樹氏の『日本近代史I』を読み終わったので、こんどは同じ岩波全書の『明治維新』にとりかかります。

学生のころに読んだことがあるのですが、見つかりません。岩波現代文庫版はすぐに見つかったのですが、これは初版の再刊。改訂版の方を読みたかったので、あらためて手に入れました。

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歌丸師匠、若者を「奴隷」のように働かせる社会を叱る

本日の「朝日新聞」。34面(教育欄)の「おやじのせなか」に、落語家の桂歌丸師匠が登場。女郎屋で女手一つで自分を育ててくれた祖母や、弟子入りして親代わりとなった古今亭今輔師匠の話をされていますが、最後に「自分のを棚に上げて言えば」といって、こんなことを言っておられます。

 自分を棚に上げて言えば、今の若い父親たちは、もっと子どもと接する時間を持ってほしい。それには若者を「奴隷」のように働かせる社会を変えないといけない。政治家には頑張ってもらわないと。「笑点」で攻撃されるのではなく、ほめられるような活躍をしてほしいですね。

まったくその通り。ということで、歌丸師匠に座布団10枚!!

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読んでいます。帚木蓬生『蠅の帝国』

帚木蓬生『蠅の帝国』(新潮社)

帚木蓬生『蠅の帝国』(新潮社)

昨日から読んでいるのが、帚木蓬生氏の『蠅の帝国』(新潮社)。連続古典教室の会場前にお店を出していた書籍販売コーナーでみつけて、ついつい買ってしまったもの。

副題に「軍医たちの黙示録」とあるとおり、軍医を主人公とした短編集。全編、「私」という一人称で書かれていて、読み始めてみるとぐいぐいと引き込まれる。

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復興増税は反対が多数、小沢氏「議員辞職すべき」8割

各紙が内閣支持率などの世論調査を実施している。

注目すべき結果は、復興財源のための増税問題。これまでの世論調査では賛成が多数だったが、「日経」調査では賛成39%にたいして反対52%。「毎日」調査でも賛成39%、反対58%、共同通信の世論調査でも賛成46.2%、反対50.5%と反対が多数を占めた。この心変わりはなにゆえか?

陸山会事件での有罪判決をうけて、「民主党の小沢元代表は議員辞職すべきだと思う」81.1%(FNN調査)、「小沢元代表は政治的に責任を取るべきだと思う」82%(毎日)、「議員辞職すべきだ」66.5%(共同)など非常に厳しい。

自民党にたいする評価も、相変わらず低い。「自民党の新しい執行部には期待できると思わない」60.0%(FNN)、自民党新執行部に「期待する」32.1%にたいし、「期待しない」60.6%(共同)、「谷垣氏が総裁になって、自民党は良くなったと思うか」の問いに「良くなった」3%、「悪くなった」15%、「変わらない」80%(毎日)など。その結果、いま総選挙があった場合の投票先としては26.4%で、1ヵ月前から5.5ポイント減に(日経)。世論は、「二大政党制」を企んだ連中の思惑を裏切って、「民主党がだめだから、こんどは自民党に」とはならないようだ。

原発については、「減らすべきだ」51%、「すべてなくすべきだ」18%、合わせて脱原発派は69%。それにたいして、「増やすべきだ」はわずか1%、現状維持も24%にとどまる(日経)。もはや、脱原発7割は不動のようだ。

野田内閣支持率9ポイント下げ58% 本社世論調査:日本経済新聞
復興増税「反対」52% 「賛成」を逆転:日本経済新聞
政権運営「評価しない」42% 成果問う声強まる:日本経済新聞
自民支持30%、党勢回復道険しく:日本経済新聞
本社世論調査 質問と回答の詳細:日本経済新聞
【世論調査】民主支持層見切り トロイカ凋落:MSN産経ニュース
www.fnn-news.com: 世論調査
毎日新聞世論調査:復興増税「反対」58% 野田内閣支持50%:毎日新聞
毎日新聞世論調査:元秘書有罪の小沢元代表、82%「政治的に責任」:毎日新聞
3次補正 63%が評価:東京新聞

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10人の子どもに甲状腺機能の変化

ちょっと衝撃的なニュース。NPO団体が福島の子ども130人を対象におこなった調査で、10人の子どもに甲状腺機能の変化が見つかったという。現状では病気とはいえない水準だというのが少し安心なところだが、親御さんにとっては心配で限りないことだろう。

もちろん、この機能変化と福島第1原発事故との因果関係を立証することはできない。しかし、何の関係もないということも証明できない。100ミリシーベルトの放射線を浴びて発癌率が0.5%高まったとしても、癌になった一人一人と福島原発事故との因果関係は証明できない。100ミリシーベルト以上被曝しても癌を発症しない人もいるし、50ミリシーベルトでも癌になる人もいる。「確率的影響」とはそういう意味だ。

しかし、もし自分の子どもに異常が見つかれば、親としては、そんな統計学的な理屈ではすまない。「もっと早く、遠くへ避難すればよかったのでは」「食べる物には気をつけていたのに」と悩んだり悔やんだりすることは限りない。その意味で、その苦痛は明らかに東京電力原発事故が引き起こすものだ。

もっと大規模に、20km、30km以内だったか、被曝線量○○ミリシーベルト以上か、避難地域だったかどうかなどで線引きをせずに、福島県中の子どもたちを対象に、甲状腺その他の異常が生じていないかどうか徹底した健康調査をおこない、長期にわたって継続的な健康管理をおこなわなくてはならないだろう。その中には、すでに避難した子どももいるし、これからだって避難する子どももいるだろう。そうでなくても5年、10年とたてば引っ越す家族もあるだろう。そういうケースも含めて、継続的な健康調査と健康管理をすすめるにはどうすればよいのか。国の責任でしっかりとした体制を早くつくってほしい。

10人の甲状腺機能に変化 福島の子130人健康調査:信濃毎日新聞

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9月のコンサート

東京シティフィル第251回定期演奏会新日本フィルハーモニー第482回定期演奏会読響第507回定期演奏会都響第721回定期演奏会

9月が終わってしまいましたが、9月のコンサート、まとめて報告しておきます。とはいえ、1ヵ月近く前のものもあって、すっかり忘れてしまいましたが…。(^_^;)

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現在の株価約48兆ドル – 半年で10兆ドル消える

世界の株式時価総額の推移(「読売」2011年10月1日付)

世界の株式時価総額の推移(「読売」2011年10月1日付)

今日の「読売新聞」に載っていたグラフ。今年に入ってからの世界の株式時価総額の推移を表わしたものですが、これによれば、現在の世界の株式時価総額は合計で約48兆ドル。円に直すと、約3600兆円ほど。……見当もつきませんねぇ〜。(^_^;)

ギリシャ国債の信用不安などで、この半年だけで約10兆ドル、776兆円あまりが消えてしまいました。日本のGDPが約500兆円程度ですので、日本1国分以上が消えてしまったということになります。株価など金融市場の動向や格付会社に振り回される資本主義に、本当に未来はあるのでしょうか。

世界同時株安、半年間で時価総額10兆ドル消失:読売新聞

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飯舘村などでプルトニウムを検出

福島第一原発事故で、原発から最大45km離れた飯舘村などで、土壌からプルトニウムが検出されたそうです。プルトニウム239の半減期は2万4000年。中性子線を出すα崩壊するため、体内に入った場合に発がん性が高いとされています。本来ならば燃料棒の中にきちんと閉じ込められていなければならないもの、あらためて今回の事故の重大性を感じざるをえません。

これまで、放射性物質についてはヨウ素、セシウムの調査が中心でしたが、プルトニウムやストロンチウムについても徹底した調査が求められます。

飯舘村など プルトニウム検出:NHKニュース
ストロンチウム、最大で事故前の6倍検出 文科省調査:朝日新聞
東日本大震災:福島・飯舘でプルトニウム検出 識者の話:毎日新聞

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