失業率0.4ポイント悪化

もうすっかり古い記事になってしまったが、10月の完全失業率が0.4ポイント上昇したというニュース。

確かに、「日本経済新聞」が指摘するように、景気が少し上向きになって「求職活動」をおこなう人が増えたという可能性は十分ある(なにせ、日本の失業統計は「求職活動」をしなければ失業者にもなれないのだから)。しかし、それは「失業率が0.4ポイントあがったけど、それは見かけ上のことだ」ということにはならない。むしろ、それまで潜在化していた失業者が顕在化してきたということであって、したがって、「いままで失業率が低くなっていたが、本当はもう少し高かったんだ」と読むべきだろう。

失業率悪化10月4.5% 0.4ポイントの大幅上昇 求人倍率は横ばい:日本経済新聞

失業率悪化10月4.5% 0.4ポイントの大幅上昇 求人倍率は横ばい

[日本経済新聞 2011/11/29夕刊]

 総務省が29日発表した10月の完全失業率(季節調整値)は前月比で0.4ポイント上昇して4.5%となった。上昇幅は2008年12月以来の大きさで、失業率の悪化は3カ月ぶり。東日本大震災の復興需要などで雇用情勢は持ち直しの動きが続いているが、円高や景気の先行き不透明感から企業が採用に慎重になっている可能性がある。タイの洪水の影響で、製造業などでは雇用を調整する動きも出ている。
 厚生労働省が同日発表した10月の有効求人倍率は前月と同水準の0.67倍だった。
 10月の完全失業者数は292万人で前月よりも25万人(9.4%)増えた。内訳では、自発的に離職した人が8万人増えて94万人となったほか、勤め先の都合など「非自発的な離職者」も8万人増の114万人だった。
 ただ非労働力人口は前月比で22万人減少しており、「ハローワークで求職活動を始める人が出てきた」(厚労省)ことが失業率の上昇につながった面もある。
 厚労省がまとめた10月のハローワークでの職業紹介状況によると、雇用の先行指標となる新規求人数は71万人と前月比で2.5%増えた。新規求人倍率も0.02ポイント増の1.13倍となった。
 震災の被災地の有効求人倍率は宮城県が0.74倍、福島県が0.68倍となり、いずれも前月と同水準にとどまった。

商務省の発表資料はこちらから。

統計局ホームページ/労働力調査

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